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最後のLOMOフィルム

デジカメはレンズ8分本体2分で写真が出来上がる感じがするが、フィルムはもっと多くの要素が加わって写真になる。一番大きな要素になるのがフィルム。次に現像処理(プリントじゃないよ)。その次にレンズで最後にカメラかな。とにもかくにもフィルムで出来上がる写真の善し悪しが決まり、現像処理という自分では手の出しようがない要素が絡んでくるのがフィルム写真のシビアであり、マニアックであり、今は面白い所と言えるのかもしれない。

2年程前に2本買って1本は適当に使ってずーっと置いていたもう1本のLOMOのフィルムをF801に装填して使ってみた。ロシア製のフィルムでとにかく粒子が粗いのが特徴だ。発色も何て言うのかメリハリがないというか何というか・・・、白っぱくれたような写真に仕上がる。今風に言うとレトロチックな風合いというのかな。実は昔、このLOMOとかAGFAとかSolarisといった類のフィルムは使い物にならないと言って相手にしなかったフィルムで、私的には未だにそのイメージが抜けない。が、時代も変わってフィルム写真が全う趣味の物になりつつある現在で「味わいがある」という見方になって復権してきているから何とも言えませんな。
で、LOMOにも色々あるようだが、よくわかりません。ISO400の36枚撮りを使いました。ここまでの話の流れでお分りの通り、撮影後はネガ現像までで、ES-1を使ってデジタル化しました。
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これを味わいがある・・・というのかな。(^^;
私には単に粒子が荒れた失敗写真にしか見えないんですが・・・。
まぁ、デジタル化しているのでLOMOと言うかフィルム本来の特性が失われている部分があるのですが、どうなんでしょうかね?
今度はちょっとトイカメラ風の仕上げで・・・。
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多分、LOMOの良さ(?)を引っ張り出すには、LOMOが出すトイカメラに装填して、LOMOをよく知った現像業者に出すのが一番なのでしょうね。今回は面倒なのでいつも行くキタムラのスピード仕上げで現像して貰いました。
とにかく粒子が粗いですね。そういうフィルムのようです。
LOMOが気に入った方は、ヨドバシなどでまだ入手出来るようなので、一度試してみてはいかがでしょうか。
私の持っていたLOMOはこれで最後で、これを使い終った瞬間、撮影に使ったF801も私の博物館入りになりました。
ちょっとクセのあるフィルムというのも良いかもしれませんが、最終的にデジタル化するのであれば、クセのあまりないフィルムで普通に撮影して普通に現像したフィルムの方が、後で色々と出来ると思います。それこそデジタル加工でLOMO風にもSolaris風にも出来てしまう時代なので、わざわざ時間とお金をかけてまで、訳の分からないフィルムを使う事もないかと思う次第です。
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今持っているのはコダックエクター200というフィルム。ISO200と言うのが気にくわないんだけど、とにかく安かったので買ってみました。今はこれをF5に装填して気長に撮影しています。
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F801を博物館入りさせましたが、逆に現場復帰を考えているカメラがAE-1P。キヤノンの懐かしすぎるカメラですが、視度調整やリチウム電池、モータードライブなどを復活させましたので、最近使いたい症候群に囚われております。(^^;
そこで彼に用意しようと着々と進めているのが白黒ステージ。
イルフォードの色素モノクロを使えばC-41処理なので街中現像が可能なのですが、折角自炊でデジタル化出来るのだから現像も自炊したい所。というわけで最近今は亡きキングというメーカーのベルト式現像タンクを入手しました。オークションだったんですが、クリップも2つ付けてくれていたので後は現像液と定着液を買えばいつでもモノクロフィルムの現像が出来る状態です。
なぜF801ではなくAE-1Pなのかも含めて、次回は白黒フィルム現像に迫ってみましょう。

激痛い。

右の耳穴がとても痒くて耳かきをマゴノテ代わりにカキカキする事数回、2日前の夕方辺りから何かのスイッチが入ったかのように激痛に襲われるようになった。元よりおかしな右耳であったが、ここで会ったが百年目のように激しい痛みによる反撃に出てきた感じだ。太鼓を叩くような疼きを伴う激痛に為す術もなく、奥歯経由で右肩にまで響いてくる痛みは初めての経験で、ネットで色々と調べているとどうやら外耳炎になってしまったようだ。
耳の中で時折聞こえる「ミリミリ…」という不気味な音。太鼓を叩くような激痛。右耳は中で腫れ上がっているようで、あっという間に指で塞いだように難聴状態になり耳鳴りも酷くなった。
バファリン等の市販の痛み止めを飲むと、痛みは取り敢えず引くのでそれを飲んで夜を凌いだ。朝は当然、薬効切れによる激痛で目が覚める訳だが…。(-_-)
売薬の対症療法だけでは限界があるので、実家へ行き母親がちょっと前に病院で貰っていた風邪薬から、抗生剤、整腸剤、消炎剤を選んで飲んでみた。鎮痛剤がないので、薬疹を覚悟にこれまた売薬の頭痛薬を飲んで凌ぐ事に…。日中、一瞬腫れが引いたかのように思われたが、夕方頃になると更に酷い状況になり、左耳を塞ぐと、ほぼ聞こえないような位にまでになった。右耳はもはや、何かの塊が入り込んでいるかのような感覚だ。抗生剤も消炎剤もほぼ効かないようで、やはり耳の患部に直接何かを施さないと治癒は見込めないみたいだ。耳と喉って大体そうですよね…。
当然耳鼻科へ足を運ぶのが妥当な所なんだけど、耳鼻科ってやたら患者が多いのでやたら待たされるのと、飛沫感染をするような病気の患者が殆どのような気がするのと、特にこの時期は風邪ひきさんが多いのとで、とにかく良い印象がない診療科目なのだ。実際に午前中に申し込んだのに、見てもらうのが午後4時半という訳の分からない状況になった事もあったし(アホらしいので途中で家に帰ったけど…)。
しかし、現状を考えると好き嫌いも言ってられる状況ではないのは明白なので、適当に近所の耳鼻科をリサーチしてみる…。実家からほど近い所に新しい耳鼻科があり、ここはネット予約も出来るようだ。しかし、嫌な予感がしたので更に調べてみると、時間予約が取れるのは4日先で、当日の順番予約も×になっている。つまりは患者が溢れかえってネット予約など役に立っていないという事だ。
一瞬、気が萎える…。
そこで、数年前に副鼻腔炎になった際に行った、若干不便な立地にある耳鼻科に行ってみる事にした。チャリや歩きではおいそれと行けない所にあるので、確か空いていたはずだった。というわけで、夕方の診療が始まる少し前の時間に合わせて車で走ってみると…ビンゴ!!
めっちゃ空いてますやん。笑
問診票を書いてほぼ待ち時間無しで診察を受ける事が出来た。
結果はやはり外耳炎。しかも11時の方向からポンポンに腫れ上がっている模様。何やら色々と処置をして貰い、最後に薬を染み込ませたガーゼを詰めて貰って、抗生剤と痛み止めと軟膏(抗生剤)を処方して貰う。外耳炎は重度だとオペが必要になる事もあるというから、私の場合でもそれ程では無い状態だったのかな?
で、薬を受け取ると、抗生剤は私が勝手に飲んでいた抗生剤と同じ物だった(笑)。これ、効かないんだけど…。(^^;
まぁ、抗生剤は3日までと言うので、あと2日は気持的にも効くという事で飲む事に。5日分出たので3日分余るな…母に返そうか。(笑)
有難いのは即効性のある痛み止めと抗生剤軟膏。恐らくこの二つが主戦力になる。っていうか、取り敢えず速効で痛み止めを飲んだ。これで人並みの行動が取れる。
夜になり、風呂から上がって耳鼻科で詰めてもらっていたガーゼを除去すると晴れが若干引いており、難聴状態を脱していた。少し安堵のため息。っていうか、耳が通ってもの凄くスッキリしますね。
綿棒で抗生剤軟膏を少し多目に塗りつけて、寝る前に痛み止めを再び飲んで就寝…。

次の日の朝。っていうか、これを打っている今。疼痛はあるが腫れはコンスタントに引いているようで耳はスッキリしている。抗生剤を飲み、軟膏をべったり付けて、痛み止めを飲んで、さぁ今日も仕事だぜ!!
みなさん。耳かきはしすぎないようにご用心です。エラい目に遭いました。

意外と難しいネガデュープ

さて、前回はAPS-Cとタムキューという、比較的ポピュラーな機材を使ってニコンのES-1を用いての35mmフィルムのデュープ機材をコンプリートする所までやりましたので、今回は実際にネガを撮影してデジタル画にする所までの要領を書き記しておこう。

ポジのデュープに関しては、それ程問題は無い。ポジは見たまんまの画像を見ながら撮影して、お手本を見ながらデジタル処理で色を近づけてゆく事が出来るからだ。
一方のネガとなると実はちょっとややこしい。と言うのも、ネガは色が反転されている事に加えてフィルムベースにオレンジ色のマスクがかかっているからだ。元々カラーフィルムというのは機械での現像処理を前提として作られているようで、現像処理剤の色傾向や焼き付け処理の関係上からあの微妙なオレンジ色でマスクがかかっている。らしいのだ。
しかし、今回のようにデュープを行う場合はこのオレンジを何とかして除去しておかないと、後のデジタル処理で面倒な事になる。その方法は、撮影時に使うバックライトに青い光源を使うという方法だ。正確にはフィルムベースのオレンジ色に対する正反対色。よって青い光源と言う事になる。出来ればその青も調整が出来る物が良い。となると何が使えるかというと、身近なものではパソコンのモニター。或いは7inch以上のタブレット辺りが良い事になってくる。普通の蛍光灯バックライトなどでも代用は可能だが、セロファン等を使う事になるので、正確な正反対色の青を作り出す事はちょっと難しい=後の処理で面倒臭くなる事になる。
私はNEXUS7を持っているので、それにLightboxというおあつらえ向きのアプリを入れて使用しました。
正反対色を作り出す要領は、面倒ではあるが、それ程難しくはない。
まず、フィルムの端っこの方の何も写っていない部分をマウントに挟んでES-1にセットする。で、バックライトを当ててファインダーを覗く。後は色の調整で白く見えるようにバックライトの色を変えてゆく。要するに色を変えてみて、白く見えたら撮影してみて、パソコンで撮像を確認して…と言うのを繰り返して、「白」かなと思うポイントを探すのだ。富士のフィルムだと、微妙に緑が混ざった明るい空色という感じの色が「白」かな?と思う色になりました。
仮に真っ白のバックライトでデュープすると、ネガ反転した時には作業者の顔色と同じく真っ青になってしまいます。こんな感じ。
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これだと、大量にイエローとオレンジを加えて、自然色に近づけてゆく事になりますが、多分青すぎてオレンジをソフトの許すめいっぱいまで加えてもまだ青いと思います。元々青が乗っていますから、青が強く出る傾向があるので、面倒ですが諦めて「白」になる色相を探し出しましょう。
この作業さえクリアすれば、後はもう撮影してゆくのみだ。
AFが使えるので非常に簡単にデュープができる。
若干のホコリが乗ってしまったが、こんな具合だ。
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お花の写真も、割と苦労もなく、こんな感じに仕上がった。
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撮影条件は、D90のISO200でF11絞り優先オートのRAW。現像はAdobe Lightroom5で行った。オレンジベースの相殺も良好で、ネガ反転した時のヒストグラムもほぼ一定の所でまとまっていましたが、色温度や全体の彩度はあまり触らない方が良いようで、トーンカーブのブルーを重点的に調整してゆく方が自然に近い感じになった。必要ならオレンジやイエローを足して微調整してゆく。空が入っていると、わざとらしい空色になっている場合があるので、その場合は色相を微妙に触って整えると良いようだ。やはりバックライトでのオレンジ相殺が、全てを決定するという感じだ。
ただし、DPE店で仕上がってくる写真に限りなく近づける事は出来ても、デジカメの撮像と同じような鮮明で明瞭な画像にする事はできないと思う。そこは逆にフィルムの味と理解しよう。デジカメと同じにしたいのなら、はじめからデジカメで撮影すれば良いだけの事だ。フィルムの味わい深い色彩をパソコン上でも再現するのがこの度の目的だという原点を忘れてはならない。
それにしても、デジカメの解像力には改めて驚かされた。フィルムの粒子までが写っている所を見ると、デジタルはもはやフィルムを遙かに凌いでいたという事ですね。凄いね。しかし、この粒子こそがフィルムの特徴であり、決してデジタルでは再現出来ない物だったりするんですよね。
最後に、最新の条件で撮影した金閣のフィルム変換画像です。
かなり綺麗に仕上がっていると思いますが、いかがなもんでしょうか。
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綺麗に仕上げられるという事は、ここから如何様にも加工が出来る範囲が広がるという事ですね。とりあえず、本物には敵いませんけどソラリス風にした物を…。
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フィルムデュープの忘備録

何か色々と考えながら、試行錯誤を繰り返して、要約APS-Cカメラを用いてフィルムからデジタル画を起こす方法が自分なりに確立出来てきたので、ここで一度忘備録がてらに書き記しておきたいと思う。
当初はAF NIKKOR 35-70mm MACRO付に中間リングを付けていたが、この方法だとピント合わせがマニュアルで面倒臭いのと、ピントを合わせる作業をするとレンズ先端が回るレンズなので画角が斜めになり、これまたウザったい事になるのと、撮像の大きさ調整も面倒臭いという三重苦に陥ってしまうので、機械的にデュープを行ってゆくには少々無理がある。
本来なら40mm MACROとステップダウンリングを使えば一番簡単なのだが、安いとは言えそれだけの為に40mm MACROを購入するのは、ちょっと生き方として私には合わないので、ここはいっちょ私の持っている唯一のマクロレンズとなるタムロン90mmで防備録としておきたいと思う。
使ったカメラはD90。これにタムロンSP 90mm/F2.8を取り付けて35mmフィルムをデュープするには、当然像が大きく映りすぎてお話にならない。つまりレンズとES-1の間をもっと離してやる必要がある。離す方法は幾つか方法があるが、私はこんな事にあまりコストを掛けたくないので100均で売っている工作用のボール紙を使って筒を作り、ES-1とタムキューの間に挟む事によって距離を稼ぐ事にした。ES-1側は固定が簡単だが、タムキュー先端には筒にねじ込む物が何も存在しないので厄介だ。レンズフードの固定枠にねじ込むように筒を作っても良いが、それだと筒をテーパーにする必要があり、作成難易度が飛躍的に上がるし離す距離をいつも一定とするのは難しくなる。つまり精度を取れない=面倒な事になる。
そこでタムキューの先端をES-1側と同じ径で嵩増しする事にした。幸いタムキューはフルサイズ対応レンズである事とフィルター径は55mmなので、ケラレもなく何となく上手く行きそうだ。
とりあえず現状は、中古屋で安く買ってきたレンズ保護用のフィルター(私はSKYLIGHT)を装着してあるので、これで5mm程嵩増しができてはいるが全然足りないので、どうしようかと色々とAmazon様を漁っているとKenko レンズメタルフードというのを見つけた。フィルターのように取り付ける金属製のフードだ。長さは25mm位あるようでこれをタムキューに取り付ければ紙筒をねじ込む余地が出来る。
しかもこのフード、複数個を連結して装着する事も出来るようだ。早速55mm径の物を購入しようと思ったが、ちょっと待った!!
よく見ると、55mm径対応の物だとフードの外径が少し大きいように見えた。どうやらこのフード、55mmだと先端側は58mmと言う風に、1段づつ大きくなっていくようだ。まぁフードなので連結使用の場合は大きくなってゆく方が理に適っているからそれはそうなんだろうけど…。面倒臭いな…。(-_-;
色々と調べて、ES-1側と外径がほぼ同じ物は52mmのフードを使うと良い事が分かった。早速55→52mmのステップダウンリングとKMH-52BKを手配する。ちなみに私のような目的の場合は連結使用は当然不可だ。何はともあれ、紙筒をねじ込む余地が30mm近くできたので、まぁ充分だろう。
次に紙筒。ねじ込むのでそれ程の精度は要らない。ある程度距離を離してES-1に挟んだ35mmフィルムがカメラの画角に収まればOKだ。短めに作ってES-1のねじ込む具合で距離を微調整しても良いだろう。しかし私はここで苦労しておいたら後が楽なんじゃないかと思って、距離をある程度割り出してみた所、大体143mmと出た。この辺で作っておくと何も考えずにES-1を一杯までねじ込んで、レンズ側も一杯までねじ込むと丁度良い案配になる。微調整はセロテープで盛ってやれば良い。ちなみに紙の横幅は55×3.141592…です。172mmあたりが出ますけど光が漏れ入っては意味が無いので私は190mmで作りました。あと、レンズフードも白がありますけど、そこはキヤノンの真似をしなくてもいいです。白っぽい材料を使うと、おかしな反射光が出来たりして、おかしな仕上がりになる事が多いので、写真器具を自作する時は、基本的に全て黒い物を使いましょう。本当は紙筒も黒い厚紙で作ると良いです。これ、憶えておくといいですよ。

と言う訳で、
こんな風な感じになりました。ちょっと暗い画像だけど我慢してちょ。
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左がES-1、右が擦った揉んだで購入にこぎ着けたフードとステップダウンリングだ。
こんな風にES-1を紙筒にねじ込んで、タムキューにはフードを取り付けてからねじ込む。
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紙製なので上下左右の精度があまり良くないので、レンズ側の紙筒の縁にセロテープで盛って画角を微調整すると完成だ。
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ちなみにES-1はマウント化されたポジフィルムをデュープする事を想定した用品なので、そのままではネガやポジのスリーブに使う事は出来ない(無理に使うとフィルムに傷が付くよ)。なので面倒だが紙でマウントの代わりになるイーゼルマスクを作る必要がある。
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好きなように作っても良いが、135のコマサイズは知っての通り36mm×24mm。このコマサイズでイーゼルを作成すると実際に使う段になるときっちりとフィルムをセットする事になり、非常に面倒臭い事になる。

「少し大きめに作って置けば良いじゃないのか?」

と、写真を知らない方は思ってしまうだろう。カメラ歴が長くてそう思った方は、今までラボや暗室に入った事の無い人なのだろう。
周囲の何も写っていない所を含めてデュープすると、そこから入る光は真っ白なので、実際の撮像に影響を与えてしまうのだ。つまり周囲が明るくなり、周辺光量低下とは逆の事が起こる。あとのデジタル処理でただせば良いかも知れないが、非常に面倒臭いと思います。だからコマサイズよりも1mm程小さいサイズにしておく。周囲が少し切られてしまうが、それはしょうが無いのだ。写真って今も昔もそうなんです。だからキヤノンF-1等の視野率100%のファインダーで喜んだのは、ポジで撮って直接印刷屋に持ち込むブン屋のカメラマンか、広告カメラマンだけだったのだ。一般ピーポーは視野率93%と言うのが、実際にDPE店で仕上がってくる写真の視野率にほぼ合致しており、またスライドマウントの窓も93%であった事から、非常に理に適ってたんですな。そんな事も知らずに当時視野率100%だ何だと騒いでいた一般カメラマンは、ハッキリ言って私にはバカにしか見えなかったし、実際に視野率100%のカメラは、ネガやポジはマウント仕上げで引き渡す仕事が主であった私は使い物にならなかったのでF801を採用していたのだ。フィルム時代はプロアマ問わず、そういうカメラマンが圧倒的に多かったはずだ。フィルムを使う以上は、これは今も変わらない理屈なんじゃないかな。知るは一時の恥、知らぬは一生の恥というので、ここでこっそり知っておこう。

さて、全ての道具が揃ったので、次回は実際にバックライトを当ててデュープしてみよう。

ネガフィルムのデジタル化

前回のAPS-Cカメラに対する私の考えの延長と言う訳でもないが、フルサイズはフィルムで…という考えが結構以前からあった。理由はフィルムが持つ特有の色味というか空気感が、やはり魅力的だからだ。画像だけを見てAPS-Cで撮ったのかフルサイズで撮ったのかなんて、誰が見ても判別が付かないデジタルカメラの世界で、APS-Cの多くの利点を捨ててまでフルサイズカメラに移行するメリットなど一般ユーザーにはない訳でして、まぁ強いて言えば所有欲と撮影現場でAPS-Cのカメラマンに自慢するという恥ずかしい行為が出来る事位だろうか。北海道での撮影の折、キヤノン7Dからニコンの当時発売されて間もないD800を手にし、やっぱりフルサイズで無いとダメだと大絶賛(=大自慢)をしている現場で出逢ったおっちゃんの話は、何度欠伸を我慢した事か…。こういう面倒臭いの多いんだよなぁ…フルサイズのデジカメぶら下げてる奴って…。ネット上にも良く散見されるし…。(^^;
まぁ、そういう事ですわ。

閑話休題。
35mmフィルムのカメラで撮影したら、当然の事ながらネガやプリントが手元に残ります。そのまま保管してたまに引っ張り出して楽しんでも良いがここは一発デジタル化という訳だ。フィルムをデジタル化するには幾つかの方法がある事は、以前この日記で書き記したとおり。代表的な例を下記に例を示しながら順番に見てみよう。

①カラープリントからスキャンする方法
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600dpi位でスキャンした後に白っぱくれを消す為にレタッチを少々施している。元々のDPE店での出来上がりに左右されるという部分はあるが、とにかく普通のスキャナがあれば良いだけで、圧倒的に手軽な方法だ。ただ、必ずレタッチをしないとスキャンしました感がアリアリになってしまうが、以外にイケる方法では無いかと思う。

②フィルムスキャナでスキャンする方法(EPSON PM-920の付属機能)
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2400dpiでスキャンして。レタッチはスキャンソフトによる自動色補正や退色補正などに頼ったのみだ。これも手軽にデジタル化するには良い方法だと思う。難を言えばホコリに気を付ける事と、少し時間が掛かる事かな。解像度を落としてスキャンすればもっと早く作業が出来るとは思うが、あまり荒くしてしまうとフィルムらしさまでどこかへ行ってしまう気がするので2400dpi位ではスキャンしたい所だ。プリンター一体のフラットヘッドを使ったが、10000円位までのフィルムスキャナであっても、デキは対して変わらないと思う。これでOKならOKという出来上がりだと思います。

③デュプリケーターを使ってネガを再度デジカメで撮影する方法。
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所謂デュープと言われる方法。走査線でスキャンするのとは根本的に違う方法なので、出来上がりの状態も変わってくる。デジカメのモニターでピントを追い込んで撮影するので、とにかく綺麗に仕上がる。恐らく10万円クラスのフィルムスキャナに匹敵していると思う。これはニコンのES-1という3500円程で売っているデュプリケーターを使いました。フルサイズのデジカメとマイクロニッコールの60mmの使用を想定しているようで、実際にそのセットで使うとAFを使って効率よくデュープが出来る。ご自慢のフルサイズデジカメが生きてくる場面だ。私の場合はAPS-C+35-70mmマクロなので中間リングを使って距離を稼いでMFでデュープしました。恐らくこの方法が安価で一番綺麗な仕上がりになると思われる方法だと思います。フィルムスキャナを検討している方は、この方法も検討してみると良いと思います。

さて、
どんなもんでしょうか。フィルムの色味というか空気感は…。
ちなみにフルサイズのデジタル一眼で撮影した画像はこんな感じです。
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解像感や鮮烈さは圧倒的ですな。まさに現代カメラの写真って感じですよ。しかし、言い換えればデジタル一眼で撮影した方は、みんなこの写真を持っていると言う事でもあります。そこでオリジナリティを上げる加工をする訳ですが、もちろんデジタル処理でフィルムっぽい雰囲気を醸し出す事もできます。出来るんですが、本物に勝る偽物は無しと言うだけあって、やっぱりフィルムの持つ空気感には適わないんですよね。レトロというか野暮ったいというか昭和というか…。
35mm判のフィルムの画像は、今は風景画にはあまり向かないのかも知れない、でもスナップショットには向いていると思うのだ。35mm一眼レフに一番に合うレンズは50mmの標準レンズだ。ズームなら35-70mmと言った所だろう。私もF5には50mm単を、F801には35-70mmを付けている。これがフィルムで一番楽しい撮影が出来るセットなのだと思う。
ネガフィルムの色味を調べていて、行き着いたカメラマンが一人いました。梅佳代という若手の人気女性カメラマンだそうだ。結構有名らしいが知らなかった…(^^;
彼女の愛機はキヤノンのEOS5というフィルムカメラで50mm単を付け、Pモード以外はほぼ使わないと言う。スナップショット専門のカメラマンのようで、寝る時以外はいつもカメラを首から提げているという方らしい。そんな彼女にEOS KISS等のデジカメを持たせて撮り歩きをさせるなど、色々とやった雑誌社もあったようだが、結局梅佳代氏の感想は、(デジカメは)思ったよりも綺麗に写る。でもフィルムの方がやっぱり綺麗。という物だった。今の人からすれば「??」な回答に聞こえるだろう。しかし梅佳代氏は本能で自分の写真はフィルムカメラだから出来上がるのだと知っていたのだと思う。
彼女の写真には、よく見るとクォーツデートが入っている。ピントなんて二の次で、今日日のカメラマンが求めるような、小綺麗なデジカメ画像とはほど遠く、とにかく写っている物がそれであればヨシとする作風だ。このナチュラルさがウケて世界からも絶賛されているという事実がある。現実世界やネット世界でしばしば繰り広げられる重箱の隅をつつくような熱いカメラ論争も、彼女にしてみればフッと笑ってシャッターを押したくなるような、面白い場面なのかも知れない。
彼女の作風のナチュラルさの内訳には、フィルムカメラでの撮影という部分がかなり大きいと思われる。仮に彼女が最新のデジカメでカメラ理論に囚われてパシッとしたスナップ写真ばかりを撮っていたとしたら、今程の話題を呼ぶカメラマンになるには、まだまだ時間が掛かったのではないかと思われる。それは彼女自身も恐らく分かっているのだ。だからEOS5が壊れたら中古屋でEOS5を買い直し、街中の相性の合う45分プリントのDPEショップで現像に出し、昔のやり方で切り込み続けているのだと思う。結果、プリントの方が綺麗だと彼女の眼には映るのである。
しかし、そう遠くない未来にフィルム機が絶滅する日が来るのだろう。その時彼女がまだ写真家をしていたとしたら、どのような写真家になっているのか、とても興味がある。それまではEOS5をトレードマークに写真をとり続けて欲しいものである。

ちなみに最後になりましたが、4枚目のデジカメでの撮影画像は、フルサイズカメラではなくAPS-Cカメラで撮影したものです。ここにお詫びと訂正を入れておきます(笑)。

周辺光量落ち

今日はちょっと、イメージ的にフルサイズのデジイチが一番良いのだと思い込んでいる方達にはウザい話をしてみたい。
よく、このレンズだと周辺光量落ちが激しい…とか言う表現を耳にする。フィルム時代にはあまり聞かなかった話。
それって一体何?
っていう方の為に、一応申し上げておきますと、その名の通り、要はこんな風な写真になると言う事。
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パチリと撮った写真で、真ん中辺はちゃんと写っているが、周囲になるほど光量不足で暗くなってゆくという物。円形に現れるので何となく穴から覗き込んで撮影したような写真になりますね。ちなみにこの作品例は、レトロな雰囲気を醸す為に、デジタル処理でわざとこのような仕上がりにしてる事を一応付け加えておきます。
さて、
この周辺光量落ち、デジタルカメラになって声高に叫ばれるようになりましたが、厳密に言うとフィルム時代にも無かった訳ではないです。(面倒なのでポラロイドやポケットカメラは除外)簡単な構造のおもちゃ、所謂トイカメラと呼ばれる物やピンホールカメラでは当たり前のように起こっていましたし、日光写真ともなると、周辺光量どころか光ムラがありまくりとか…。しかし、これらはどれも写真の原始的な方法や光学的な考慮が全く為されていないようなカメラでの話だ。当然一眼レフはもちろん、バカチョンカメラ言ったしっかりしたフィルムカメラではまず起こる事は無かった。それはなぜか、当たり前だ。35mmフィルムのサイズに合わせてカメラ本体が設計されたからだ。ライカ判135フィルムに如何に均等に光を当てて、綺麗に像を造り、フィルムに焼き付けるかを何十年もの年月を掛けて連綿と改良開発が繰り返されてきた歴史があるからだ。この構造は基本的にはキヤノンもニコンも今もって変わっていない。本来ならデジタル一眼になった時点で、それに見合う最新の技術と先見的な構造を持ったボディとレンズに造り替えてしまうのが理想的だが、基本構造を変えてしまうという事は、今までのレンズ資産が全てパァになってしまうからだ。キヤノンは来たるべきオートフォーカスの時代を見据えて、FDからEFに一度思い切って基本構造を変えている分、より新しいデジタル時代にある程度は順応する事が出来た訳だが、EFマウントでさえフィルム時代に設計された古いフォーマットだ。若干のアドバンテージはあるが、100%順応出来ているかというと、そういう訳ではないというのが正直な所だ。
では、フィルムでは起こらないようにできた周辺光量落ちが、なぜデジタルでは起こらないように出来ないのか…?
それは、フィルムに相当するセンサーの構造に起因するからだ。
専門的なややこしい話を用いての説明は、ネット上に幾らでもその手のマニアがいるのでそちらを参照して頂くとして、簡単に言うと、デジカメのセンサーの構造というのは障子を考えて貰えれば良い。縦横の木枠が電気配線で障子紙の部分が感光体である。で、木枠が手前にあるので、感光体はその分だけ奥にある事になる訳だ。
この障子に懐中電灯で光を当てるとどうなるか。
真ん中辺には綺麗に光が回るが、周辺に行けば行く程木枠が邪魔になって障子紙に影が出来る事になる。影になった部分は当然光量が少ないので写真に置き換えると周辺光量落ちという形になって表れてくる訳ですな。では、簡単に感光体を配線の前に持ってくれば良いではないかという話になってくる。私もそう思った。しかし私はカメラセンサーの技術者でもないし、興味も無ければ、なりたくもない人間なので良く分からないが、何かそうは問屋が卸さない理由があるんでしょうな。マニアなら知ってるかもね。
とにかく、そういう訳なので、単純にデジタルカメラになり、しかしカメラ本体の基本構造を変えられないという縛りの中で、この周辺光量落ちを解消しようと思ったら、それ以外の要素でカバーするしかない訳よ。まずはレンズの構造。レンズ先端から取り入れた光は、できるだけロスのないようにカメラ本体に届けて、できるだけセンサー全体に均等に近い形でビカっと光を当てる構造にする必要がある。レンズのメーカーが従来のレンズをリニューアルして、デジタル対応のレンズだと謳っているのは、恐らくこれが一番の理由だ。それ以外の反射がどうとかいう最もらしい話は枝葉末節の事だろう。枝葉末節の話で偉そうに一席ぶっこいている者も見掛けますけどね…。まぁどうでもいいや。私は物事をシンプルに捉えたいので…。
というわけでレンズでまず周辺光量落ちを防ぐ努力をするのが一つ。もう一つは撮影したデータをカメラ本体でリミックスして周辺光量落ちを打ち消してしまう処理を行う事。ニコンはExpeed、キヤノンはDIGICとか言ってますね。それプラス、その処理がし易いようにセンサーには僅かな光でも敏感に感じ取って貰うようにする努力をして貰う事。これは高感度耐性という良い意味での副作用に寄与する。高感度耐性がどうとか一席持っている者がいるが、作る側は恐らく結果的にそうなったと言うだけの事だと思われますよ。どどちらかというと撮像に濃淡が出来てしまう周辺光量落ちの方がカメラとして深刻だからね。
と言う訳で、デジタルカメラの場合はこういった総合的な観点で欠点を除去していると言う訳です。凄いね。
しかし、この欠点の克服も道半ばというのが正直な所だ。と言うのも、どんなに高価な本体とレンズを使おうとも、周辺光量落ちは発生しているのが現実だからだ。機械側での克服が難しい状況であるならば、今度は撮影者が努力する必要性が生じてくる。要はセンサーの隅々にまで満遍なく光を届けてあげれば良いのが理屈なんだから、じんわりと時間を掛けて光を届けてあげれば良いという理屈になる。それは撮影条件で言うと、絞りをある程度絞って、シャッター速度を落とすという事になる。古いレンズで周辺光量落ちが目立つ場合でも、この方法で撮影すれば大抵は問題の無い撮像が得られるはずだ。それでOKならデジタル対応とか言うレンズは無理に買う必要はないわけで、風景写真をまったりと撮っておられる写真家さんは、ほぼ周辺光量落ちの悩みは持っていないと思われるがいかがだろうか。
深刻なのは野鳥撮影とかスポーツ写真など、激しく動き回る被写体を追うように撮影される方だ。パシっとした写真を撮るには当然シャッター速度を上げる必要があるわけで、その為には感度を上げたり絞りを開いたりと周辺光量落ちの発生する方向へとカメラを操作する必要に迫られる。ちなみにD750には1/8000秒が付いていないと最もらしく嘆く輩がいるが、私は要らないと思う。まぁD750にどんなレンズをくっつけて撮影するのか知らないが、1/2000以上のシャッターで撮影が出来る場面というのは非常に限られているし、1/2500秒以上の速度になってくると、F5.6辺りでも周辺光量落ちが目立つし、撮像もあまりよろしくない物になる。一面が雪という現場だとF9辺りまで絞り込んでも1/2500秒位で切れる事もあるが、私はそういう場合はフィルターを付けて1/2000秒位までに落とすようにしている。1/2500秒や1/3200秒って、周辺光量落ちもさることながら、現像処理していても、なーんかおかしながっかり撮像なんだよね。大体1/2000秒あれば、大抵の鳥の動きは止ります。ハチドリでも撮るんですか?って感じですね。じわっと光を当てて撮影…これ、写真の基本ですよ。AE-1Pなんて1/1000秒までしか付いてなかったけど不自由なかったし、F801は世界初の1/8000秒が付いているけど使った事ねぇし…。

でだ。
最後にフルサイズが良いのかAPS-Cがよいのかと言う話に触れておこうと思うんだけど、結論から言うと真剣にカメラメーカーがカメラを作ったらAPS-Cの方がいい物が出来ます。これは断言出来ます。周辺光量落ち=光量ムラという事を考えると、フルサイズ用のレンズをAPS-Cのカメラに付けて撮影するのが現状では一番良い結果が得られる道理があるからだ。しかし、ユーザー側にフルサイズの方がフィルム時代からのなじみがあるという事と、APS-Cはデジカメの過渡期に作られた通過点のカメラというアナウンスをメーカーがしちゃった事と、メーカーはユーザーの尻馬に乗ってカメラの技術を誇示出来るという点と、収益性が高いというメリットが重なってフルサイズを上級だと嘯いて販売しているに過ぎない。
フィルム時代、プロが挙って使っていたカメラは35mmではなくライカ判120、つまりブローニーや、4x5、8x10と言った中判以上のカメラだ。35mmは試し撮りに使われていたと言うのが正直な所である。それはなぜかというと、中判以上のカメラの場合は丸いレンズの真ん中辺りを結像に使うからだ。これはレンズ収差の少ない、つまり美味しい所だけを使う事はもちろん、アオリと言ってレンズをティルトさせて撮影する事も容易に出来たからだ。これはAPS-Cのカメラにフルサイズ対応のレンズを装着した時と全く同じ理屈になる。だから私はフルサイズカメラにはあまり興味が湧かないのだ。APS-Cとの結像に差があまりない昨今の技術だと、フィルムと同じセンサーサイズである必要性を全く感じないのだ。この辺りはメーカーは損をするのであまり言わない(ニコンは言ってましたけど引っ込めましたね…藁)。そして、この理屈を知っている風景写真家は、今もフルサイズデジイチ等を鼻で笑いながら試し撮りに使い、本番では中判フィルムを使い続けているから言う理屈がない。つまりフルサイズを手放しに褒めちぎっているのは…、おっと、この先は批判になるので言うまい。笑
まぁ、ビールはラガーやでと言ってはばからないおっさんと同じ次元って事ですわ。申し訳ないが私にはそう見える。
確かに、オリンピックやプロ野球などではフルサイズの凄いカメラをプロは使っています。しかしあれは野鳥や学芸会の撮影とはやってる内容が違うでしょ?その時、タイムリーな写真をいち早くお茶の間に届けるのが彼らのやっている撮影であって、画質とか色味とか周辺光量落ちとかレンズ収差とかは二の次、如何に新聞映えのする1枚を確実に写し留めてゆくかが勝負なのだ。求めてる物が根本的に違うのよ。その為のD4sであり1DXなのよ。それを勝手にユーザー側が自分のニーズに当て込んで一席ぶっこいているだけなのよ。メーカーは、んな事まで考えてないのよ…。車で言ったら営業車、ライトバンですわ。でも、何か勝手にワゴン車なんだと解釈して売れてくれるからメーカーは笑いが止らんのよ。
レンズはデジタル用に構造を改良してある事はあっても、別にフルサイズ用に設計なんてされていないしね。キヤノンなんてデジタル用とすら謳っていないし…。(これは今もフィルム機も視野に入れているという事であればキヤノンは偉いと思うし、蛍石に余程の自信があるのだろうと思われる。)
まぁ、デジタルな昨今、トリミングは簡単にパソコン上で出来るようになったので、1000mmを超えるような超超望遠レンズも必要では無くなったし、アオリもパソコン上でちょちょいと出来るようになったので、レンズ全体を使うフルサイズでも良いのでしょうな。しかし見方を変えればAPS-Cなら1000mm越えのレンズは存在し、レンズ収差も殆ど無い上質なレンズのオンパレードである。これはフルサイズ用レンズに力点を置けば置く程その傾向になるわけでして…。だからニコンは7Dmark2のような生粋のAPS-Cカメラを作りたくないのかも知れませんな。ユーザーさん、ある意味メーカーに馬鹿にされてますよ…。
APS-Cのデジカメを真剣に作れば、今以上のカメラが出来る可能性は、フルサイズを追求してゆくよりも、遙かに低コストで新機能の実現の可能性も飛躍的に高まるのである。キヤノンはその片鱗を少しばかり見せてくれたのは評価出来る。
レンズはフルサイズ用、カメラはAPS-Cと言うのが、デジタル時代のスタンダードであるべきだと思いますが…。ブン屋のカメラマンも、実はAPS-Cで充分だと思っているはずだが、メーカーがフルサイズを売り込んでくるので、そう言うなら使ってやるか…ってな理由だと思うけどな。タダで配ってくれるし…。一番馬鹿を見ているのは誰なんだろう…?

どうなんだろうなぁ・・・という写真。

一つの被写体を前にして、昔は結構意識していたが、今は別の意味で意識している物がある。それは水鏡。
そこそこ経験のあるカメラマンなら、必ずと言ってよい程利用していると思われる。でも、申し訳ないんだけど私は実はあまり好きではないんだよね…。

とりあえずこんな感じの写真。
ファイル 16-1.jpg

風景が水鏡に反射するから、ちょっと洒落た風合いになるのは分かるんだけど、その分だけ引きで撮る事になるので被写体がどうしても小さくなってしまい、伝えたい内容が被写体その物から遠ざかってしまい、水面を境にしたシンメトリーな風景を主張してしまう事になってしまう。多くの純粋な閲覧者は、それが素晴らしいと派手な写真に見えるのかも知れないが、私にはそうは映らないんですよね~。
昔、私もそのような写真を撮ったが、師匠に「くだらない。」と一蹴されてしまったというトラウマと言うか、心理的な植え付けをされてしまったせいもあるのかも知れないが、あの時「くだらない。」と言った師匠の言葉が、今は何となく分かる自分がいる。言い方に語弊があるかも知れないが、それを恐れずに言うと、

「私は、こんな視点も持ってるんだぜ。すげぇだろ?」

っていう、如何ともし難い主張を感じてしまうのだ。いや、主張と言うよりも、閲覧者に対する点数稼ぎというか、媚びというか…。本来撮りたい、主張するべき被写体の姿を小さくしてまで、水鏡の効果を入れてシンメトリーにする程のもんですかね?という気分が先に来てしまう。
だから私は手前に水盤があると、別の意味で意識してしまうのだ。っていうか、基本的にあまり使わない。仮にフォトコンの審査員になったら、まずそういう写真は選ばないし評価もしないでしょうね。
ファイル 16-2.jpg

そのだいぶ後ではあるが、師匠に水鏡を使った1枚の写真を見せてもらった事があった。内容は企業秘密なので言えないが、衝撃的だった。こんな使い方があったのか…と。

「手前に池や水盤があるからといって、何でもかんでも写し込んで撮るもんやない。そんなのは目の前にニンジンを吊された馬と一緒で、アホの一つ覚えのすることや。写り込んだ物までが被写体になっているという、効果をきちんと考えて使え。」

と言われたのは、今も記憶に焼き付いている。
あれから30年近く経つが、未だあの写真のような場面には出くわしていない…。でも、いつかは撮りたい、あの水盤を使った奇跡のような写真を…。
申し訳ないが、水盤に写し込んだ風景画は、それまでは私には点数稼ぎの幼稚臭い写真にしか見えないのです。
今日は3枚程、そんな私の写真を例として載せましたが、どれも私にはそういう扱いをしています。
ファイル 16-3.jpg

わりかし使えるD90のISO1600

ビカビカに光に満ち溢れている様な所でISOを12600だかにまで上げて撮影し、

「このISOでも充分に実用域だ!」

と新しいカメラが出る度に絶賛をする著名なカメラマニア…もとい、メーカー監視付の著名カメラマンのお声。誰とは言わん。ここを読んで何かムカついた奴がいたら、お前がアタリだ。格好悪いし名声を下げるからここは黙っとけ。俺も黙っとくから…。笑

で、実際のシチュエーションでそのISOで撮影してみて、現像ソフトで見てみたら、どこの月の表面ですか?ってな位にノイズだらけの画像が展開されて実際は使い物にならないという…。私に限らずそういう経験をした方は意外に多いはずだ。
私はその一人。まぁその人の主観にも依るんだろうけど、私はISO800以上は無理な人で、それ以上で撮影された写真を大画面や大伸ばしで見せられると、

「これでOKなんですか?」

という言葉をいつも飲み込んでしまうクチである。
もう5年近く使っているD90ではありますが、特殊な場面を除いては今までほぼISO400よりも高い感度で撮影した事はありません。これはカワセミの飛び込みであろうと人物であろうと風景であろうと共通しているという徹底ぶりである。だって、それ以上にするとホントに見るに堪えない荒れ荒れの画像なんだもん。

しかし、
ネット閲覧に限り、しかも長辺1500ドット位までと限定すると、ISO1600でも結構使えるんじゃないかと思った次第である。
これはその1枚。
ファイル 15-1.jpg
ドムの姿も凜々しく、時計も割かし綺麗に写っているし、ノイズは皆目気にならない。ちなみにRAWで撮影しSilkypix4で現像しました。ついでに机の上にあったビールの缶も撮影してみた。
ファイル 15-2.jpg
背景の黒になりきれない部分では、ノイズが結構目立つものの、全体的な空気感は損なわれていないし、缶の文字も充分読める。何よりも被写体の際がノイズで破綻していないのが好感が持てますね。
次に黒い被写体。
ファイル 15-3.jpg
ISO1600ながらもシャッター速度が遅くて、若干手ぶれしてしまったが、ノイズはほぼ目立たない。この割り切った条件でなら十分に実用出来ると言えるだろう。
ちなみにRAWを読み込んだ直後の画像は、私的にははっきり言って見られた物ではない。もう補正もしたくなくなる程に…。大伸ばしやデカサイズでのPC表示なんてもっての他という感じ。そこをグッと堪えて現像処理した画像である事を付け加えておく。ノイズに関してはSilkypix4がなかなかナイスな補正をしているように思えるんですけどね…。

夕方日陰の悪条件下でのカワセミの飛び込みなど、ISOをグッと上げて撮りたくなる場面は多いんだけど、私は無理くりに撮影して、後で歩留まりの悪いノイズだらけの残念賞を目の当たりにする位なら「撮らない。」という選択をする私でありますが、小さな画像でしか掲載しない。解像感も不要という風に割り切れば、撮影に踏み切る場面が多くなりそうであります。

それにしても、改めて思ったがD90はなかなかにしてよく出来たカメラであると再認識させられた。D300sよりも後に出たのと、ニコン様の妙な自意識によって色々な便利機能が削られてはいるが、使い勝手というか、使っている心地よさは古き良きニコンを想い出させる物がある。未だにD700やD300sにしがみつくユーザーが多いのも、D90を久し振りに触ってみてよく分かった気がしました。私もD300sが欲しくなりましたからねぇ…。笑

別に嫌っている訳じゃないのよ。

タイトルの通り。
ここの所、ニコン様をこき下ろしまくっている私ですが、別に嫌っている訳では無いんですよ。私はただ、1200-1700mmズームやF3ウエムラ等を開発した頃の、職人のようなカメラ造り集団に戻って欲しいだけです。そうで無ければ今なおニコンを信用して、割高なカメラを買い続けているユーザーやファンが余りにも可哀想すぎる。
先日あったらしいニコン社員のインタビューでも、36MPのカメラを売り出した事で更なる高画素化の要望が来ているので頑張りますとか、ハーフセンサーのカメラは到底開発しているとは思えないような発言とか、まるでユーザーの声など聞き入れていないかのような発言が目立っていた訳で、なるほど、これでは7Dmark2のようなカメラはおろか、D300sの後継機と胸を張るような物は出てこないのは当たり前だのクラッカーという感じがしました。
ニコンに言わせればFXのカメラにはDXも包含されているのだから、FXを中心にラインナップしていれば良いだろうという考えのようだが、それは違う。ハーフセンサーだからこそ、低コストで軽量軽快な動きのカメラを製作出来るのではないか。それをキヤノンははっきりと示した。このままだとニコンは恐らくDX機では手抜きのカメラしか出さないであろうと思われる。それはDX機の消滅を意味するのである。ではDX機で一般ユーザーが求めるカメラとは…?
それら機能とニコンの(想定)意見を記してみよう。

・秒間10コマの高速連写機能
これをやってしまうとFX機の上級機を超え、D4sをも脅かす存在になるので作らない。

・36コマ以上の連続撮影コマ数(フィルム1本分って事)
これを実現してしまうと、これまたFX機の性能を超えてしまうので、できても絶対にやらない。

・3連バースト連写機能
そんなD4sにも付けていない新機能など、DX機に付けるなんてもっての他です。

・16MPの耐高感度に優れるセンサー搭載。
そんなバランスの良いセンサーを載せたらD4sを超えてしまうから無理~!

・AF-ONボタン
あれはFXの最高級機にしか付けてはいけないボタンだから…。

・LV撮影時、20fpsのAF追従電子シャッターと非追従の30~60fpsの電子シャッターの搭載。
電子シャッターはニコン1の専売特許にしているからダメよ~ダメダメ。

ってな感じ。
適当に考えてみたが、ここまでのニコン様のやっている事を見ていると、当たらずも遠からじって感じのような気がする。それ程頭がカタい、どうしようもない程にフロンティア精神を失った大卒のお坊ちゃま集団に成り下がっているのであると見える。

それにSCなどの対応を見ていても、強く感じるのが
「お願いだから、販売したカメラが客先で1台でも多く、上手く動き続いてくれますように…ホントお願い!!」
ってな感じで、何だか神頼みって感じ。
昔のニコンは、「うちのカメラは絶対。壊れる事自体がおかしいのだ。」と言うような、絶対的な自信の様なオーラが漂っていた物だが…。その結果が今般のD600やD750のようなあり得ない不具合だ。D750に至っては不具合の現出に個体差があるという…。これって生産体勢に問題があるという事ではないのか?まるでどこかの国のメーカー品のような話だ。そのうち2、3台買って1台アタリがあったらラッキーっていう感じになったりして。っていうか、もうなりかけているんじゃないっすかね?カメラ専門でやっているメーカーが、この体たらくで、SCのフロントは今もって昔のような根性でやってますみたいなフリをしやがるからムカついてくるのだ。お前ら何も出来てへんやないか…。と私が社長なら怒鳴り散らしている所だ。

うっすらと思っていた事だが、ここで敢えて言おう。
このまま行ったら、万人向けに使えるカメラを出すメーカーは、恐らくキヤノン一社になるだろう。ニコンはもう沈みかけた船とみて良いと思う。それを是正するには、頭でっかちの机上の空論と拝金主義をやめて、真摯にユーザーの声に耳を傾け、まじめにカメラ造りに励む事しかない。それが本来の日本のメーカーの姿なのだから。

やっぱり出てきましたな。(笑)

D7000という、かなり手抜き気味なメインカメラの故障から2ヶ月程が経った。普通の人間なら新発売で評判も上々のD750に飛びついている人も少なくないであろうシチュエーションである。あ、D7100は私の選択肢にはありませんから…。使っている方には悪いが、あんな手抜きカメラは見た事がないです。

で、そのD750。
私は少し前のこの日記で書いたよね。
ニコンは、見えない所まできっちりと造り込んでくるメーカーである思ったが、見えない所はきっちりと手を抜いてくるメーカーであったと…。
今は少し表現を是正しよう。
ニコン様は、昔は見えない所まできっちりと造り込んでくるメーカーであった。しかし今は、見えない所はきっちりと手抜きをカマしてくるメーカーである。
その典型的な症状がD600に続いてD750にも現れたようだ。それがこの撮影例だそうだ。(某サイトより転載しました)
ファイル 13-1.jpg

逆光環境で撮影すると、ゴーストやフレアと言って、強烈すぎる光源が撮像に対して少々の悪戯をする訳ですが、このD750での撮影例は不自然なフレアの写り込みを指摘している。っていうか、もう一目瞭然ですね。新米アシスタントがハレ切りに失敗して、やっちゃいました~、てへペロ。(^^;)
って言う感じのフレアになってます。
ちなみにこれは、ファインダーでは確認出来ず、撮ってから分かるというオマケが付いている。最悪ですなぁ…(苦笑)。
これの原因と対策については、もう1ヶ月程前から海外を中心に議論がされているようですが、原因は某サイトの書き込みに非常に簡潔で分り易い物がありましたので要約して拝借させて戴きます。

①通常レンズで作られるフレアはサークル状であって斯様な四角ではない。
②これはレンズの下の部分がAFユニット(四角い)に当たって反射した物である。
③ミラーダウンの時はミラー自体が遮蔽物となるので、ファインダーでは斯様な事になっているのは確認出来ない。撮影の瞬間またはライブビュー時のミラーアップ時に確認できることになる。だからLV撮影以外は、事前に防ぐ事は難しい。
④D700等では、センサー前に可変の衝立があり、この現象を防いでいるが、D750に限っては省略されている。
⑤この現象の発現には個体差がある。(でない物もある)

と言う事のようだ。
ネットで色々物議を醸しているが、レンズのせいではないです。一目で分かります。20万円も出して喜んで使っているカメラだろうから、撮影条件とかレンズの使い方のせいにしたい気持も分からないではないが、これはレンズではなくカメラの構造上の問題です。大体ファインダーで確認出来ない異形の物が写り込むなんて、心霊写真以外あり得ないでしょ。まさにゴーストですな(笑)。D750は心霊写真の製作に向いているトイカメラだと割り切れば、納得組の意見も通りますけど、私個人はそんなカメラに20万円も出すのは嫌ですねーー。つまり③の時点で私的には致命的。
で、④だよ。言ったでしょ?きっちりと手を抜いてくるメーカーだって。D7000だって、ミラーバランサーを省略して事実上連写を使い倒せないようにした実績があるニコン様だ。斯様な所で手を抜いてくるのは普通にあり得ると私個人は思います。ニコン様は分かっていて省略したようだから手抜きなんだろう。少し庇ってそういう事にしておくよ。まさか、先人の設計者が意味あって付けていたパーツを、若造の設計者が「なんだこれ?こんなもん不要やで。」と省いてしまったのでは無いと、ニコン様の名誉の為に、一応そういう事にしといたるわ。
それにしても笑ったのは⑤だな。個体差って…。(^_^;
ニコンファンの方は猛烈に否定した方が良いよ(笑)。
個体差があるって事は、出来上がったカメラの精度にバラツキがあるって事でしょ。いや、それは確かにある。どんな物でも多少のバラツキはあるさ。でも、撮像に影響を及ぼすレベルでバラツキがあるっているのは、全体的な技術レベルが非常に低い事を示しておりませんか?仮に100台に1台の割合って言われても、今までそういうのってありましたかね?

いずれにしてもD750は怪しい…と踏んでいた私のカンが的中してしまったようだ。だから新機種を買わずに今更F5等と興じて遊んでいた訳ですわ。F3ウエムラとか、ハイブリッドレリーズとかを世界に先駆けてやっていた頃のニコン様と今のニコン様は、全く別のメーカーだと思って間違いないでしょうな。多分植村直己さんが今も生きていたなら、絶対にニコンには依頼はしないでしょうし、それに応えられるだけの発想力も技術力も無いと思われる。

「カメラは機械ですので、必ず壊れます。」

私の壊れたD7000を持って、事も無げに言い放ったSCのフロントマン。この時点でニコンプレミアムはないという答えが出ているのである。ニコン様は先人達が連綿と築き上げてきたカメラメーカーとしての姿勢から考え直した方が良い。
D300sの後継がユーザーから望まれて久しいが、D400とやらを出さないのではなく、出せる発想力も技術力も無いのではないかというのが私の見方だ。今、7Dmark2を追う形でD300s後継機を出されても到底信用できるカメラではない事だけは確かだ。年明けにはD7200とやらが控えているという噂だが、あれも恐らくそれなりに手抜きが施されているのであろうと思われる。
キヤノンはAPS-Cというセンサーや現在のEFマウントで、一体何処までの事が出来るだろうか。という発想で7Dmark2を造り上げた感じがする。だから例えこの先不具合が出たとしても想定外の事であって、凡ミス的な手抜き箇所は出てこないと思われる。
ニコン様は、DXセンサーとFマウントだからこそ出来る事…なんて発想もないし、一つの答えなんてもはや求めてはおらず単に拝金主義に走っているので、D600やD750のような設計ミスに端を発したような取り返しの付かない不具合が出てくるのである。
さて、今回のD750は、どうやって終息させるのでしょうかね?D760を出して不良発現機種は交換対応ですか?それともリコール?
何でも良いわ。サポートが平謝りするから修理見積に出してあげた私のD7000。送ってから何の返事もなく梨の礫なんですけど??もうかれこれ1週間。早く直して返してくれませんかね。このまま年末年始のお休み突入ですか?相変わらずお偉い会社なんですなぁ…(苦笑)。