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Nikon F5を…。

先日、オークションでNikon F5を入手しました。
完全に世間はデジカメに移行しているという昨今に、なぜ今頃フィルムカメラを買うかね?という疑問が飛んできそうだ。私もそう思う。なぜ、今更フィルムなのかね? 笑
理由は単純なものだ。

「ただフィルムで撮影がしたくなった。」

それ以上でもそれ以下でもございません。あの、フィルム撮影のピリっとした緊張感を、もう一度味わいたかったから。
フィルム一眼レフは先のキヤノンAE-1PとニコンF801があるんだけど、残念ながらAE-1P用のFDレンズは35-70mmの1本のみ。F801は惜しい事に絞りリングのないGレンズには対応していないので、使えるレンズは35-70mm、15mm魚眼、28mmの3本だけとなる。まぁこれだけあれば充分なんでけどね。そう思って貴重なロモの36枚撮りを装填したんですが、数枚撮った所で、

「どうせならニコンのハイエンドで撮影してやろうじゃないのさ」

という訳の分からない気持が沸き上がってきて、気が付けばオクで購入していたという訳です。
ファイル 11-1.jpg

ニコンのフィルムハイエンドの現行機はF6なので、このF5はその一つ前の機種という事になる。1996年に登場したカメラだ。当然F6の方が機能的には多少上回る部分があるのだろうけど、私的にはF5はニコンフィルム機の最高傑作品ではないかと思う。あの頃はまだニコンにもF3ウエムラを創り上げたような、カメラ造りを追求する職人的な機運もありましたしね…。(今は金の事ばっかり考えているようで、まるで気概を感じませんな…。頭でっかちの「優秀な」大卒のお坊ちゃま社員ばっかりになったからか?あ、大卒を批判してるんじゃないよ…笑)
ファイル 11-2.jpg

ずらりとキヤノンのカメラばかりが並ぶアトランタ五輪の報道カメラ席に、単身堂々と殴り込みを掛けて、余裕をカマしていたキヤノンの尻に火を付けたのがこのF5というカメラだ。デジタルの波が押し寄せる中で登場した優等生のF6とは根本的に開発姿勢が違うと言って良く、それだけに手に取ると当時のニコンの職人魂が伝わってくるほどのオーラを感じる。
どうせならニコンの最高傑作品でフィルム撮影をしてやろうと思った以上、フィルムがこの世にある限りは、このF5と付き合いたいと思う今日この頃だ。
ファイル 11-3.jpg

一方で、フィルム族から悪評が高いのもF5だったりする。
と言うのも絞りリングのないGタイプと呼ばれる軟派で過去のフィルムカメラで使えないレンズを、一気に波及させたのもF5の罪とされているからだ。F5は絞りを本体操作で出来る為、昨今のFT用のレンズがそのまま使えてしまう。これはメリットではあるが、F5よりも前の機種を使っている人には、迷惑な話なんですね。その気持ちとてもわかるなぁ…。私も何も知らずF801を買い戻した時、知らずに28-100mmGを買ってしまい、泣きを見たクチですから…。(T_T)
Fマウントは同じとは言うが、これでは事実上マウントを変えたも同然ではないか!!と当時は思ったものです。
しかし、これによって私のデジイチ用のレンズであるシグマの150-500mmが使える事になりました。コウノトリとか撮りに行こうかな…なんて思える訳でして。(^^)
ファイル 11-4.jpg

フィルムはロモはもう持っていないし、ネガをデジ化すればそれ風に加工も可能なので、ノーマルなフィルムを装填しました。
レンズは魚眼付けたり50mm/F1.4を付けたりして遊んでいますが、やっぱり当時のAF Nikkor 35-70mmが一番しっくりきますね。猿の写真でも撮りに行きたいな…なんて考えています。