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警察組織の最高階級って??

今日は、眠いし面倒くさいので、いきなり本題から入ってしまいましょう(笑)。
 
さて、皆さんは警察官の階級というのを全部答えられるでしょうか?
ここはとりあえず私が記しておきますね。下へ行くほど高い階級になります。

1)巡査
2)巡査部長
-----------ここから幹部警察官
3)警部補
4)警部
5)警視
-----------ここから国家公務員
6)警視正
7)警視長
8)警視監
9)警視総監

という9つの階級となります。ちなみに巡査と巡査部長の間には「巡査長」というのも選考で置かれていますが、一般的に巡査長は階級ではありませんので、ここでは省いています。詳細はググってください。
さて、こんな感じの警察官の階級ですが、一見したところ非常に整然としているように見えるのですが、一つ気になる事はないでしょうか?警察ファンなら誰もが思う最高位とされている9つ目の「警視総監」という階級についてです。
警視総監という階級を持つ警察官は、日本全国の警察官の中でも東京に置かれている警視庁に一人しかいません。言い換えれば東京都以外の各道府県警察には警察本部長はいても警視総監はいないのです。さすが首都警察といったところでしょうか。大阪でも大阪警察本部長ですし、名古屋や福岡も同様です。階級はまちまちで、大阪や名古屋や福岡といった大都市では8)警視監の階級を持った者が就任します。比較的田舎では7)警視長や6)警視正という場合もあります。ここら辺の判断はどうなっているのか私にはわかりませんが、大都市ほど警察組織は大きくなり、実務警察官の数も増えますので、ある程度の基準のようなものが警察内部にはあるのかもしれませんね。そう考えるとやはりダントツの1300万人都市である東京の警視庁には、その最高位である警視総監が置かれるのは当然の事であり、日本で広域犯罪が起こった場合には、やはり最高位の警視総監が東京から全国の各道府県警本部長を配下において、捜査の指揮監督を行う責務を負っているのだ!!と、思い込んでしまってもしょうがない状況がありますよね。特に警察ファンで、こんな感じで知ったかしちゃっている方は、知るは一時の恥なので、ここでこっそり知っておきましょう。ここに書いてることが正しい事です。間違えている場合は素直に認めましょうね。

残念ながら警視総監にはそんな権限もなければ責務も負っておりません。では警視総監というのは何か…といいますと、その正体は、言い換えれば「東京都警察本部長」という事になります。つまり、階級の高度的に見ますと大阪府警察本部長や愛知県警察本部長などと同列という事です。しかし、階級名では全国唯一にして最高位とされる「警視総監」という立場が与えられているではないかと、反論してくる知ったかブリっ子ちゃんもいるとは思いますが、これが現実です。広域犯罪、つまりかつてのグリコ森永事件のように複数の県を跨ぎ、また警察的に重要案件とされる事件については全国の警察を統括する「警察庁」が指揮監督し捜査の指示を警視庁を含む各都道府県警に出します。この場合は「警察庁指定XXX号事件」と言った事件指定番号が付与されます。グリコ森永事件は114号事件ですね。つまり、広域指定事件では、警視庁の警視総監と言えども警察庁から指示を受ける立場になるのです。

ではなぜ警視庁には「警視総監」がいるのか。
先述の通り警視総監と言うのは言い換えれば「東京都警察本部長」の事です。警視総監と言う階級名は確かに警視庁にしか存在しませんが、これは日本の警察組織の古き慣習が残した階級名と言えると思います。我が国日本で一番最初に警察官が組織化されたのは、明治維新直後に肥大化してゆくであろう東京の治安を守るための組織・警視庁でした。この頃はまだ各都道府県には警察という治安組織がなく、東京で組織された警視庁の者と言われる人たちが全国に出向いて視察や犯罪捜査に従事していたのです。実際に西南戦争の直前では警視庁から薩摩藩に視察に行ってますし、特に管轄という物もなかったんですね、で、その警視庁の者たちを統括指揮していた最高責任者が「警視総監」という階級を与えられた者だったわけです。
しかし、明治の維新政策も進んで廃藩置県も一旦の人心地が付き、警察組織も各道府県に組織されてくると、各道府県に指揮監督する頂点組織となる「警察本部」が置かれるようになるんですね。そこの長は「警察本部長」という役職名になるわけで、階級は「警視正」以上の者がなりました。
さて、ここまで言えばもうお判りでしょう。
警視総監と言うのは、その実態は東京の警視庁を仕切る立場で、警察組織の歴史が残した階級名だという事になります。
これは間違えていません。思い込んでいる警察ファンの方は、もう一度言います。知るは一時の恥ですからこっそり知っておきましょう。
警視庁という名前も、警察組織の名残といってよいでしょう。
令和の今の時代、本当なら「東京都警察本部」という名称に変えて警視総監も廃止して8)警視監が「東京都警察本部長」の役職名で就任すればすっきりする話なのです。
全国の警察を指揮統括するのは「警察庁(National Police Agency)です」。ここには各都道府県警本部の上部機関として「刑事局」や「交通局」などと言った、各都道府県警本部にある部局の上位機関が置かれており、それぞれに「局長」職があり、その職には8)警視監が就任しています。また審議官といった職だと7)警視長が就任していたりします。警察庁長官は指定職なので任命されますから年功序列ではありません。そうです。警察の上部組織である警察庁には8)警視監までしかいません。が、実際には警視長であっても警視総監に指示を出したりすることも少なくありませんし、全国の本部長会議になると、警察庁内では警視総監は階級的に上であるにも関わらず、制度的にペーペー扱いなのです。
 
さてどうでしょう?
警視庁という呼び方も、警視総監という階級も止めたらいいのに…と思ったそこのあなた!!私も全面的に正しいと思います。警視総監だからと大阪府警本部長の警視監よりも偉いと思ったら大間違いですからねぇ。ややこしいだけなんですよ。ついでに東京消防庁も全くの無意味で、本当は東京都消防本部という呼称でよいのです。
でも、こういうの、止めないでしょうねぇ。露骨に国家権力を持った役人というのはプライドだけは人一倍ありますからねぇ。警視庁という名前、警視総監という階級名に、しょうもないプライドを持っちゃっているでしょうから、無意味であってもやめないんですよ。端から見てると、その方がしょうもないんですけどね…。
 
というわけで、今回は警察の階級の変なねじれ話を持ち出してコマを埋めてみましたがいかがだったでしょうか。w