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Telloの「中継器」による操作。っていうか・・・。

最近、色々な事情も手伝って、色んなドローンを操縦させていただいておりますが、とにかく気軽で楽しいのがTelloですねって、そんな事を前回も言いましたので置いといて・・・。
Telloを実際にWi-Fi中継器を使って飛ばすとどうなるかって言うのを先日やってきたのですが、本当に距離も高度も伸びます。高度に関してはTelloの場合30mが限界になるようになっていますので、それ以上の検証は出来ませんが、やや送られてくる映像に飛びが発生しますが確実に上がります。でも、垂直の上げ下げだけにしていた方が良いです。Mavic感覚で操縦すると、どこへ飛んでいくか分からない危うさが満開ですので・・・(笑)。

今回はそのWi-Fi中継器に特化したお話。
今はモバイルバッテリーで給電できる小型のWi-Fi中継器がエレコムとかからも販売されているようで、Telloの飛距離を伸ばして遊んだり、どこまで飛ばせるかを検証したりしている動画がアップされていたりと、なかなか中継器もTelloユーザーには花盛りのようです(知らんけど)。
で、中継器を使わなかった場合はどんな感じかというと、
ファイル 144-1.jpg
こんな感じになります。Telloとコントローラとの直接接続だと、安定した飛行はせいぜい10m位。状況が良くても20mが限度です。スマホだとTelloとのWi-Fiの電波状況が見えるので分かりやすいです。
で、中継器を使うとこんな感じになります。
ファイル 144-2.jpg
これが「本来の中継器」の使い方。アマチュア無線で433MHz帯とかを使っている方なら誰でも知っている「本来の使い方」です。
Telloとコントローラはそれぞれが中継器にアクセスして通信を行う為、送受信できる範囲が広がるわけですね。
 
ところが・・・
 
アップされている動画を見ていると、上記のような使い方ではなく、こんな感じで使っている方ばかりでした。
ファイル 144-3.jpg
アマチュア無線の経験者が見ると瞬間的に「それ中継器の使い方じゃないし・・・」って思ってしまう事請け合いです(笑)。
そうです。これでも「距離が伸びた」と言う事は、コントローラよりも中継器の方が電波が強く、利得(受信効率)も高いからです。しかし、この配置(使い方)は、前回も言いましたが電波を増幅させる「トランスミッター」の使い方です。例えばコントローラのWi-Fi出力が0.2Wしかないとしたら、それをトランスミッターを通すことで100Wとかに空中線出力を上げて電波範囲を広めるというのがそれです。ね、この配置だと正にそんな使い方ですよね。ちなみに2.4GHzの野外仕様では1Wまでと電波法で定められていますので、基本的には(免許や許可なく)増幅してはいけません。
 
よって中継器の正しい使い方は、
ファイル 144-2.jpg
この図の使い方です。
コントローラ(スマホ)と中継器のWi-Fi電波が安定している場所に中継器を配置して、Telloを中継器を中心とした同心円内で飛ばすのが正しい。その範囲内で操縦者からもっとも離れた操縦可能距離がその中継器を使った場合の最延長距離という事になります。手持ちで検証と称して動画をアップされている方は、検証やり直してほしいです。小型の中継器でどこまで伸びるか実に興味がありますので・・・。
 
ところで・・・。
 
例えば夢のお話としておきますが、
ファイル 144-4.jpg
強力な中継器をこんな風に配置すれば、もはや数十kmレベルの遠隔操作ができるようになります。更に複数のレピーターを用いれば、理論的には地球の裏側にあるドローンを遠隔操作する事も可能になります。
これは驚く事でも何でもありません。
この仕組みは、もうかなり昔から衛星通信などを使って無人機から某国を爆撃すると言った軍事用に使われています。今までは軍事用としての、それなりの設備や人的資源が必要でしたので、簡単にはできませんでしたが、Wi-Fiを用いての遠隔操作なら、それほどお金を掛けなくとも可能になります。某国が軍事用にと注目するのは当然の事として、恐ろしいのはテロリストによる爆弾運搬手段等に使用される事です。ある日突然、予め配置された爆弾を抱いたドローンが、あちこちの山や林の中から一斉に飛び出して、街中に特攻の形で突っ込んできたらと思うと、ちょっと背筋が寒くなりますね。色々と考えていると戦争の方法そのものも変えてしまう可能性を秘めているのもまたドローンの可能性でもありますが、そんなきな臭い話は置いておいて、一般庶民の皆さんは純粋にTelloというカジュアルなドローンを楽しみましょう。