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自信作ならプリントしてファイリングを。

「これは我ながら、なかなかの写真になったぞな!」
と、自信に満ち満ちた気分にさせる自信の一枚と言うのは、写真を趣味にしていれば誰しもがあるものだろう。
しかし、カメラも写真もデジタルになった昨今、今自分がモニターで見ている自信作は、さて本当に自分が見ている画像そのままがネットの向こうで見てくださっている皆様に届いているか…と言うと、実はそうでもなかったりする。って言うか、観覧者によっては全然違う色味の写真として届いている事の方が多いと思われる。
なぜそんな事になるかというと、写真をモニターというデジタル機器で見る以上、百人が百人、全員がモニターを同じ条件に設定して写真を見ている…なんて事はまず無いからだ。人によっては色温度を9300Kとかにして青っぽくしている方もいれば、ゲーム用に輝度とコントラストを普段から高くしていると言う方もいれば、映画鑑賞が主で暗めに設定している方もいるし、ブルーライトカットを入れていると色温度は当然下がる(=赤っぽくなる)、と言った具合に十人十色の条件下で、貴殿の自信作を見ているわけです。暗部を苦労して仕上げたのに、暗めの画面の方は真っ黒に見えて苦労も何も伝わらなければ、明るい光源をキモにした写真なのに、人によっては白飛び状態だったり…(´・ω・`)
一言で言うと、したり顔でアップしたアナタの自信作は、人によっては「大したことないねぇ」で終わってる可能性があるって事です。悲しいけれど、それが現実なんです…。(´・ω・`)(´・ω・`)

そう思うと、一体自分の撮った写真というのは、いまいち正体の分からない物になってしまうんですね。だって自分の撮った「自信作の写真」の真実の姿が分からないんだもん。
ちなみにその自分の撮った「自信作の写真」も、ある日モニターを買い換えたら全然違う色味の物になった…という事も起こり得ます。最悪は自信作の色がどうだったのか分からなくなってしまうという憂き目にも…。職業カメラマンも含めて、写真にコダワリを持つ方ほどそうなる可能性が高いですね。
そこで「自分の自信作」という写真を確定させる事が必要になってくると私は思うのです。
それは、デジタルではなく紙焼き…って今は言わないね、ちゃんとプリントして「原画」と言う物を作ってファイリングしておくという事です。写真屋さんで印画紙にプリントしてもらうと、自分が撮ったデジタルな写真も印画紙に起こされて「原画」として確定します。つまりその色味が「自分の撮ってきた写真の本当の姿」という事になるわけです。

正直言いますと、何も口出ししないと全然違う色で仕上がってきます(笑)。しかし、上手いラボマンだと凄く綺麗に仕上げてきてくれます。だから展示会や個展をされる方は、展示するための写真の仕上がりに拘る必要があるので、業者と緊密に連携して納得の一枚に仕上げた「原画」を展示するわけです。
デジタルな昨今になっても、モニターに映して見せるような写真展をやらないのはそういう理由があるからです(最近はモニターで展示会なんてやるんですかね?)。

しかし、私のように展示や個展とは縁遠い人間であったとしても、やはり自分が撮ってきた写真は、自信作であるならば、そこはやはり自宅のプリンターでも良いので印画紙にプリントして「原画」としてファイリングで保存しておくのが良いと思います。
プリントすると、モニターでは写っていなかったような陰影や映り込み等も見えたりします。また、モニターでは派手で個性的な光画になったと自信満々だったのが「なんじゃこれ?」と、写真を弄り倒した自分に赤面してしまう事もあります。でも、それらが全てマイオリジナルの「原画」です。
自分の撮っている写真を、もうワンステップ上げたいと思われるなら、過去作も含めて自信作はプリントして「原画」確定してあげてください。そこから自信や反省が湧き出てくると思います。