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リボルビング機能付き雲台・ベルボンのPHD-66Qを買ってみた。

前回の記事の続きというわけではありませんが、真四角センサー搭載の一眼レフ(ミラーレス)カメラが登場してきそうにない、頭カッチカチカメラメーカーに期待してもしょうがないので、カメラの撮影体制で縦撮りと横撮りを少しでも楽に変更できるように、やはりこちらで対処を取る事にした。それにしても、なんで今持ってライカ版のフィルムサイズにこだわる必要があるんでしょうね・・・?
以下の写真はメーカーのサイトから拝借して参りましたので悪しからず。
 
今まではこういうL型ブラケットというのをカメラに付けていました。
ファイル 135-1.jpg
今は1300円前後とちょいと高くなったようだが、その昔は確か1000円もしなかったと思う。これを先代のバディだったD7000の時代から今のD500でも使っており、三脚のヘッドにはアルカスイス互換のクランプを下駄にしてカメラを固定している。横位置から縦位置(または逆)に替える時には、一旦クランプからカメラを外して、縦位置(または横位置)にしてクランプに固定して撮影する。
これのメリットは、慣れれば素早く縦横の変更が出来る事と、三脚のヘッド位置を動かさないので重心が変わらず安定している事。L型ブラケットを付けっぱなしにしているので、何となくカメラの保護になる事かな。被写位置は微妙にズレるのでそれはしょうがないです。デメリットは三脚からカメラを外す瞬間があるので、特に夜景撮影時などの暗がりではカメラを落下させてしまう危険がある事。三脚に確実に固定するまではストラップを首に掛けておく事という原則を守れば済む事だが、ハンドストラップの時やタイトな撮影ではそんな基本もどこ吹く風の如く振る舞ってしまうものだ。
長年この方法で風景・夜景を撮影してきたが、やはり毎回危険を感じるのと、面倒臭い気持ちが徐々に勝ってきていたという・・・(笑)
 
そこで・・・
 
こういう時は何か良い物が無いかとググってしまうのが人情というもの。「三脚 雲台 回転式」とかでググっていると、苦労して自作をする方もいたが、大がかりな工具が必要だったりして予算的に現実離れしていると思われた中で、ベルボンからリボルビング機能付き雲台PHD-66Qと言うのが出ているページに行き当たった。
ファイル 135-2.jpg

見てくれが独特で、まるで電車の折りたたんだパンタグラフのようで、既にギミック感ありありの雲台だが、これがレバー一つを緩める事で、こんな風に動いてカメラを固定したまま縦横の位置変換が素早く出来るようになっている模様。
ファイル 135-3.jpg

水平出しの機能も入っておりなかなか高機能だ。ここら辺はさすが日本メーカーの気配りの細やかさを感じる所ですね。
ファイル 135-4.jpg
 
ちなみに素材はマグネシウムで、見た目よりも軽量な造りとなっているようだ。耐荷重は3kgで私の持っている機材の最大荷重だとちょっと足りないが、普段の風景撮影で持ち出す機材では半分も行かないので全く問題ない耐荷重だ。
写真で見る限りでは、私の場合だと非常に使い勝手が向上しそうな予感がして「これは一度使ってみたい」と咄嗟に思った。

が、

定価が何と28820円もする・・・(汗)。実売は2021年1月5日現在で15800円となっている(価格.com最安値)。
実勢価格を見ると安いのか高いのかよく分からないが、これだけの仕掛けが施されたヘッドなのでどちらかと言うと良心的な価格と言う気がする。これがマンフロットやSIRUIだと倍の値段、ジッツォだと4倍は付けているだろうと想像してしまう・・・。

そんな事を思いながら、中古とかもネットで漁っていると、なんとほぼ未使用という本品が某個人売買サイトで税込7980円で売りに出されていました。
レバーがすぐに甘くなったとか、色々と初期・短期の不具合も報告されている機材ではあるが、実勢の半額以下となると買わない手はない・・・と言う事で反射的にポチりました(笑)。
 
そして商品が昨日届きました。
 
商品は、箱こそ無いものの、付属品は全て添付されており、本体も新品?と思うほど使用感がありません。どういう経緯で売りに出しておられたのかは分かりませんが、私の所に来たからには先の所有者の方に敬意を表して大切に使わせて頂きますよ~~(今までの機材も全部そうだよ)。

現場で使用した詳細は後日にするとして、とりあえず適当な三脚に付けてバツグリ付きのD610に24-120mm(旧型)を載せて見た所、所見での使い勝手は、ベルボンの雲台を使った事がないので若干のクセを感じるものの、やはり縦横の位置替えをガシャッと一瞬で出来るのはかなーり便利です。
操作系は以下の通りです。
ファイル 135-5.jpg

まず、
①のハンドルを回して緩めると上下の首振りだけがフリーになります。②のレバーのLockを外すと左右の首振りがフリーになります。
・・・・・・・・・・・・??
これって逆の方がよくね?
三脚のハンドルって普通はパンハンドルって言うじゃん?
パンと言うと英語では上下左右どれでもOKだけど、カメラ業界では普通は横方向の事を指すじゃん?
パンハンドルのつもりでハンドルを緩めたら、縦方向(チルト)がフリーになって「ガシャン!」ってやっちゃいそう・・・。ベルボンさんはパンハンドルではなくチルトハンドルって呼ぶのかな・・・?
正直ちょっとやってしまいそうで怖いけど、まぁ、とにかく慣れるしかないですね。って言うか、私は普段はパンはフリーにしたまま使う事が多いのでベルボンさん逆にしてくれ・・・。
③を緩めると水平出しの調整が出来るように皿が動くようになる。これは地味に便利。なんだけど私の場合ベルボンのプレシジョンレベラーを挟んでるんだよね。ま、2カ所で調整できるって事で・・・。
④をフリーにすると、いよいよ独自のギミックが動いてカメラがガシャッと縦位置、横位置に自在に動きます。当然斜め位置というのもできますので性格の出た撮影もできますよ。私の場合は縦横の変更が結構激しいので殆どの場合②のパンレバー(笑)と④の縦横レバーはフリーにして使う事になると思う。
 
という感じです。若干のクセを持つが、それを差し置いても有り余る便利さを感じる雲台ですね。
ちなみに縦横変更で「光軸がズレない」ではなく「ほとんどズレない」です。世にある全てのカメラが下端からノーダルポイントまで同じ距離と決まっていたら、ベルボンもその規格に合わせて雲台を作れるので万人のカメラでズレないギミックを作成できますが、そうは問屋が卸しませんからこれはズレます。あと、バッテリーグリップ付けてるとめっちゃズレます。縦横を変えたら画角を取り直す。この基本は忘れないようにした方が良いです。
PHD-66Qは、面倒抜きで縦横の位置替えが出来る機材という事で理解しておくのがよろしいかと思う次第です。