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ニコンが新カメラシステムを発表。時代はミラーレス・・・なのか?

ニコンがZ6、Z7という2機種のFXフォーマット(35mmフルサイズ)のミラーレスカメラと、それに対応する新しいZマウントというレンズを数本出すと正式に発表した。
待ちに待った熱烈なニコンファンの方は、早速「時代はミラーレス」とか「数年でレフ機はなくなる」的な事を(希望も交えてか)言っているようだが・・・。
ちなみにZマウントという新しいレンズシステムにはなったが、キヤノンがかつてやったようなFD切りのような事はせず、マウントアダプターFTZ(別売)も用意し、従来のレンズ資産も有効に活用できるよう配慮しているのは好感が持てますね。
さてZ6、Z7の性能や下馬評はネット上にすでにわんさかと溢れているので、ここでは私なりのこの発表2機種を見た時に思った刹那的な気持ちを綴っておこうと思います。あくまで個人的な感覚で言っているので、ニコンに熱狂的な方はあまり気にしないでください(笑)。
 
なぜZ6、Z7というネーミングなのか?
という疑問が結構ネット上に見られたのですが、私的には単純にNikon1がJ5で終わったから、ミラーレス機の続き番として6と7を割り振ったんじゃないの?って思いました。こう言うとNikon1=失敗というイメージが強いファン層の方は若干の不安を感じるのと、一桁機=フラグシップという先行イメージがある方は不満に思うかもしれませんが、ニコンからしたらマウントが新しくなった要するに6番目のミラーレスという認識なのだと思いますけどね。
番号付けにはセンスがないと言われるニコンらしい性分かと思いますが、いかがでしょうか?
 
カメラの価格対性能比に関しては、それなりに最新の機能が盛り込まれているのでしょうけど、Z7の44万円、Z6の27万円は実売はもう少し安くなるのでしょうけど、やっぱちょっと高いなぁ・・・って気がします。注目できるのは5軸ボディ内手ぶれ補正が付いている点かな。それ以外では特に真新しい機能もなく、よく言えばニコンらしく質実剛健な機能を持たせて優等生なカメラって感じ。最初の実売最安値はZ7が398000円、Z6は238000円って感じかな。口径が大きくレンズ的に余裕があるZマウントをいち早く使いたいという方には、まぁそこそこのお値段なのでしょうね。
 
Zマウントのレンズは、フランジバックが16mmとキワキワまで詰めた設計になってます。これはFマウントのフランジバックが長かったため、別メーカーのカメラでニッコールレンズをアダプターで使われまくるという煮え湯を飲まされたメーカーとしての市場に対する仕返しだと私は解しています(笑)。Zマウントはニコンユーザーにしか使わせませんよという宣言ですな。これは私的には面白いと感じました。お値段は・・・。ニコンらしく庶民感覚では少々お高い設定となっています。が、サードパーティ製の50mm/F1.4レンズが10万円を超える昨今、50mm/F1.8ながらも10万円を切るのは、そうお高い設定でもない事になるのでしょうか。ここら辺は私には分からないですね。数が売れれば安くなるのは家電の特徴ですが、数が売れても安くならないのはカメラレンズの特徴だったりしますからね。
 
で、ニコンの新しいミラーレスカメラですが・・・。
正直、私的には魅力は今のところは無いカメラです。もっと言うとここ5年くらい人柱になってくれる人たちを遠目に見ながら様子を見ようと思います。
って言うか、言って良いのかなぁ・・・。えーい、言ってしまおう!
 
「大丈夫なのかなぁ?これ・・・。」
 
って言うのが私の正式発表を見たときの刹那的インプレッション。
確かに、Zマウントレンズのロードマップも2年先まで発表されているし、Nikon1の教訓を生かしてニコンも今度は腰に力の入った宣伝をしているようにも見えます。熱狂的信者の方には待ってましたの公式発表でもあったろうし、興奮もひとしおなのも理解します。
しかし私的には、Z7がD850相当なのだとしたらD850の機能に、新時代を感じさせるプラスαな機能をもう少し盛って欲しかったし、Z6もD750相当なのだとしたら以下同文です。
連写もAF追従で秒間20コマくらい行くとか、バッファも300枚くらいとか、バッテリーも新設計で14bit-RAWで1000枚位撮れますとか、ソニーがα9で背伸びしていた機能も、今や当たり前ですよ的にエポックなプラス機能が欲しかった。今後、先行するα9を彷彿とさせる機種も出すのだろうが、そう言うのは先の話。
これからはミラーレスの新時代に入ります。と、持って行きたいのなら、まず最初の機種でD850もD750も強いて言えばD5もD500も、もはや過去の機能のカメラです。と、言わんばかりに、これらの機種にしかできなかった機能が、Z6、Z7では当たり前にできて、プラスミラーレスならではの機能が当たり前のように入っている・・・というインパクトが欲しかったですね。
 
そう言う意味で、私的には「だいじょうぶかなぁ?」
なんですよね。
Nikon1の発表の時も、ご大層なお題目を掲げて登場させた経緯があって今のディスコンに至っているので、それを思うと・・・まぁ、フルサイズミラーレスやZマウントには、まじで社運がかかっているみたいだし今度こそは一心不乱、不惜身命に賭けて頑張るんだろうなぁ・・・とは思うんだけど、やっぱ、しばらくは人柱の人達を遠い目で見ておこうかなって感じです。キヤノンがEFマウントに移った時もそうしたし、で、買わなかったし・・・(笑)。
 
ちなみにレフ機ですけど、多分まだまだ消えませんよ。少なくとも5年そこそこでは・・・。消えるなら、その前にフィルム機がとっくに消えているはずですよ。
私はまだまだレフ機を使うなぁ。持ちやすいし、あの絶妙な重さが安定感をもたらしている面もあるし、何よりもシャッターを押したときの撮影の充足感がミラーレスとは段違いに高い。
いい写真は、楽しい撮影から生まれると私は信じている人間なので、ミラーレス機が楽しいと思える時が来るか、仕事上必要に迫られるような事態になった時に考えたいと思います。
 
ところで、フルサイズミラーレスに関しては相変わらず沈黙を守っているデジカメの雄であるキヤノン様ですが、2019年には発表って噂が流れていますね。巷の噂話を元にした機能やレンズシステムの話はここには書かない主義なので省きますが、私の感覚ではキヤノンさん、現行のEFマウントの延長線上で何とかならない物かと試行錯誤をしているんじゃないですかね。仮にEF-2マウントとして、それは新型ミラーレスではAF速度とか連写性能とかフルに性能を発揮出来るけど、現行EFのレフ機では今まで通り・・・みたいないわゆる上位互換ってやつ。これだとニコンFマウントみたいになってしまうけど、Fマウントのように歴史が長いわけでもないし、統一感もあるので、ややこしい事にはならないと思うんだよね。
で、あかんかったら新型マウントやで・・・みたいな。
もう、どっちにするか答えが出ているのかも知れないけど、フルサイズミラーレスには先行するソニーがいるし、ニコンも先を行ってしまった。そうするとEFを捨てて市場参入するとなると、それなりのリスクが伴う。これはFDがEFになった時やフィルムがデジタルになった時とは全く状況が異なり、キヤノンにはマーケティング的に有利な材料はほぼ無いわけだ。EFはもう限界、だけど捨てられない・・・。う~む、EFで何とかならんかなぁ・・・ここをこういぢって・・・。ってな感じでここら辺で頭抱えてるんじゃないのかなぁ・・・。でも、世の中には多羅尾伴内の変わり身のように、マウントを変えまくるお金持ちの人種がいますので、案ずるより産むが易しと思いますけどねぇ。キヤノンはキヤノンで熱烈なファンも多数いますし・・・。しらんけど・・・。