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D610で色々と試写。

もう過去の機種となりつつあるニコンのD610を今更ながら入手して、試写と称しながら色々と楽しんでおります。
当初の通り、仰々しい出で立ちになっているD500を尻目に、D610を気軽に持ち出してスナップ撮りをする毎日です。
 
所有レンズで使える物のうち、一番使用頻度が高いのはやはり50mm/F1.4だ。今でこそ標準のレンズをズームで賄っている状況ではあるが、その昔は50mmレンズが「標準レンズ」として多くの一眼レフ機に抱き合わせで販売されていたものである。ズームではサンゴーナナマルと言って35-70mmズームが標準だった。デジタル一眼もレンズ付きのセットでは、今もって必ず35-70mm(DX機は24-50mm)をカバーしたズームレンズが付いているのがその証だ。この範囲をカバーしておかないと、とても使いづらいマニアックなレンズセットになってしまうからだ。
50mmの単焦点は望遠であって広角でもあると言われるレンズで、使い方次第で如何様にも化けてくれるレンズだ。もちろん足を使っての画角取りが必要になるが開放F値も明るい物が多いのでとにかく守備範囲が広い。それだけに50mm単焦点を使いこなせないカメラマンは、何のレンズを使っても大した写真等撮れないと師匠にも言われた物である。その50mmのうんちくはひとまず置いといて、次に持ち出す事が多いレンズが、私の場合は今の所15mm魚眼だ。今まではDX機だったので歪みの大きい、いわゆる魚眼のオイシイ部分が無くなり、22.5mmの少し歪む広角レンズとしてしか使えなかった。逆にこれが星景撮影等で重宝したのですが、フルサイズのカメラに付けると本来の歪み画像を醸しだしてくれる訳で、DX用に8mm魚眼を買おうかと何度も悩んだ私には、とても有難い棚からぼた餅となった訳です。
ファイル 94-1.jpg
SIGMA 15mm/F2.8 FISHEYE
Nikon D610 ISO1000 f5.6 1/250秒
 
周囲の本来の歪みが面白い15mm魚眼。お陰で8mm魚眼を買う必要が無くなった(笑)。魚眼レンズは面白い反面、強烈に個性がある為使い所が難しいと言われるレンズでもある。カメラ初心者の方もいきなり自分のカメラに魚眼レンズを付けてファインダーを覗いたら、一瞬クラッとなりそうな程の歪みに何を撮ったらいいか分からなくなる人が多いだろう。目に見えるまっすぐな景色をわざわざ歪ませる意味も不明ですよね。難しい事は置いといて、とりあえずここだけの話で、いきなり諸先輩方から意地悪で魚眼レンズを渡されちゃった初心者の方にこっそり教えますと、魚眼レンズで面白い構図が取れる被写体というのは実は丸い物。それと原型は広角レンズなので広い場所で使うと良い。つまり、広い場所にある丸い物が魚眼レンズで面白い写真が撮れる被写体というわけだ。
具体的には、大きな交差点のグルッと回るように架けられた歩道橋とか、ジェットコースターのレールとか、グルグルとトグロを巻いたようなモニュメントとか・・・。
ファイル 94-2.jpg
SIGMA 15mm/F2.8 FISHEYE
Nikon D610 ISO1000 f5.6 1/640秒
 
私は大阪難波へ行った際に、キャニオンロードを撮ってきました。
ね?何となくそれっぽく、面白く撮れるでしょ?
あと、誰もが普通にしか撮らないであろう風景ポイントも、敢えて魚眼で撮ってみると面白い絵面になる事もある。
ファイル 94-3.jpg
SIGMA 15mm/F2.8 FISHEYE
Nikon D610 ISO1000 f5.6 1/2000秒 補正-0.3
 
風景の切り出しの場合は、広角という事を念頭に、広く撮る事を頭に置いておけば、それっぽい写真になりやすい。広角レンズは本来、広く撮る為のレンズだからだ。広い場所を広く撮ると誇張効果が出てドラマチックな絵面になりやすい。しかし奥の方は小さくなって伝達要素が分かりづらくなるので、近くの物から遠くの物までを写して、わかりやすい物語を演出するように画角を取ればよい。
ファイル 94-4.jpg
SIGMA 15mm/F2.8 FISHEYE
Nikon D610 ISO3200 f5.6 1/200秒 補正+0.3
 
また、魚眼レンズで撮影してもきょうびの現像ソフトはレンズ歪み補正の機能があり、クリック一発で平面レンズの画像に変えてしまう事ができる。魚眼の意味が無くなってしまうが、絵面が全く変わるのでそれはそれで面白くなる事もある。そう言う意味では二度美味しいレンズと言えるかも知れない。
 
3番目に持ち出す事が多いのがタムキュー。つまり90mmマクロだ。
DX機だと135mmのレンズとして稼働するが、フルサイズはその名の通り90mmとなる為、これはこれで使い易くまたフルサイズの特徴として、とてもボケを出しやすくなる。こちらはまだ野外での撮影に用いた事は無いので、積極的に使ってみて、また撮例を出したいと思います。
ファイル 94-5.jpg
TAMRON 90mm/F2.8 MACRO (272E)
Nikon D610 ISO1000 f5.6 1/100秒 補正-0.3