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プロとは思えないような解説・・・。

少し日が経ったので良い題材かと思いここに記してみる事にした。SNSだと反響がデカすぎるしね・・・。w
 
今日の題材はコレ。
「同じ場所で、同じ景色を撮っても、同じ写真にはならない。」
です。
ほんの数ヶ月程前の事だけど、こんな事をとある所で解説めいた批評と共に書いておられたベテラン?プロカメラマンがいました。名前は伏せておきますが、身に覚えのある人でたまたまここを読んでしまった人は、二度とこのような事は言わない方が良い。プロの名前が汚れますよ・・・。
 
確かに、
「同じ場所で、同じ景色を撮っても、同じ写真にはならない。」
と言うのは正しいです。でもそれはフィルム時代のお話しでございます。フィルム時代は例え同じカメラ、同じフィルム、同じ条件で撮影しても、現像所が違っていたり、各プロセスのエマルジョンが違っていたりするだけで、同じにはなりません。フィルムが違えば尚更の事です。だから、この被写体にはこのフィルムを使用して、この条件で撮影する・・・という勘所がプロの腕の見せ所となっていました。そう、後に撮影条件を教えて貰った所で、写真になる工程上、似せる事も難しかったのがフィルム時代の写真だったのです。ここは私も写歴40年近い者として多少上から言わせて貰いますが、ベテランのプロを自称するならそれ位の事は知ってるよな?
しかし、デジタルカメラのステージではその理屈は通りません。
メーカーによって多少の色の違いは出るだろうけど、デジタルの場合は「同じ場所で、同じ景色を撮ったら、とりあえずほぼ同じ写真」になります。
 
ん、同じ写真にする事が出来ると言った方が正確かな。
 
反論を言いたい自称プロもいるだろうが、デジタルって言うか特にパソコンによる現像を熟知している者なら、カメラに詳しくなくてもピンと来るはずだ。とりあえずこの2枚を見比べてみて欲しい。
ファイル 82-1.jpg ファイル 82-2.jpg
左の写真は私の写真の盟友であるA.C.T.ismさんの作品です。モノクロならぬモノシロ写真とご本人が呼ぶ現像処理が施されたものです。対して右は私がモノシロ写真を見てそれに似せた処理を現像ソフトで再現した物です。あまり似せるとリスペクトが損なわれますので若干ゆるめの仕上げにしています。
いかがでしょうか。一見した所では出展者に見分けが付かない程似ていると思いませんか。
2枚の写真は、時間に多少の違いがありますが、同じ場所で同じ被写体を撮影した物です。しかし撮影機材はA.C.T.ismさんのはキヤノン70Dと28-300mmの純正白レンズという組み合わせです。私はニコンD500とシグマの18-300mmという組み合わせでした。二人で特に示し合せた訳でもなく、当然カメラの撮影条件も全然違います。後から見て笑いが出る程同じ角度からたまたま撮影していただけに過ぎません。
ところが見ての通り、デジタルの場合は後の現像処理の如何によって「同じ場所で、同じ景色を撮ったら、ほぼ同じ写真」にする事が可能です。ただ、パソコンを並べて現像過程を見せ合いしながら1枚の写真に仕上げる訳ではないので、できあがり直後は各人のセンスによって「一時的に同じ写真になっていない」写真が出来上がるだけの事です。これはデジタルカメラの場合はカメラやレンズが変わっても、メモリ内に出来上がる結像画に劇的な違いが無い事と、パソコンによる数値的(=デジタル的)な画像処理によって色補正やトリミング等が容易に出来るからです。
 
「同じ場所で、同じ景色を撮っても、同じ写真にはならない。」
 
一見格好いいように聞こえるこの言葉ですが、私からするとデジタルを知らないんだな・・・という如何ともし難い言葉にしか聞こえないんですよね。
まぁ誤差程度の画角の違いを指して言ってる意味もあるのだろうが、そんなのは事後の言い訳にしか聞こえません。今後カメラの性能も上がり秒間の連射コマ数もますます上がってくると、ますます同じ写真にできる確率も上がってゆきます。今はそういう時代なんですよ。まぁプロカメラマンは写真の専門家であってパソコンの専門家ではないのでここは大目に見ておきますけど、デカい顔して言うと、ちょっと恥ずかしいですよ・・・。まじで。
 
Special Thanks A.C.T.ism様(お写真拝借しました。<(_ _)>)