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5000万画素も良いけれど…。

キヤノンがニコンのD810を上回る5000万画素のセンサーを搭載した5Dsとやらを売り出すようだ。
キヤノンファンは、ここぞとばかりに大騒ぎするのかと思ったら、意外や意外、結構冷徹な目で5000万画素機を見ているようだ。さすがに50万円以上もの値段を付けられると、ニコンに勝ったと小躍りする前に、シラけた気分が先に来ますわな。
そのお陰で、通常のニーズには合っていないとか、高感度にはすこぶる弱いとか、ブレずに撮るにはレンズと三脚にそれなりの投資が必要だとか、色々と冷静な眼で5Dsというデジカメを見る事が出来ているようである。要するに高画素という要素では、ニコンのD800が発表された時のような次世代のイノベーションを感じさせるセンセーショナルな気分にまではならなくなったと言う訳だ。
ちなみに百歩譲ってプロまでも含めたとして、このカメラを買う人ってどんなプロなんだろう?って考えてしまう。
こんなクソ高い割に高感度に弱くてぶれやすいカメラを使う位なら、中判のデジカメなりを使った方がよろしいんじゃなくって?
と、普通に考えてしまう。
キヤノンは単純に、ニコンよりも高画素なカメラも自社開発で作れるんだべ?ってところを市場に示したかっただけの事で、これしかないみたいに購入してスタジオで使うプロって、一体何考えているんだろう?って個人的には思ってしまう。
まぁプロは口も達者なので、それなりに理屈をコネて周囲を納得させるんだろうけど、プロなら645D使ったら良いのに…。って正直思うよな。まぁ人の事だからいいけど。(笑)
それにしても、ニコンもそうだがこれだけ多くのユーザーが画素数は下げてでも高感度に余裕のあるカメラを作ってくれって言ってるのに、その声を無視し続けるこの二大メーカーの態度ってどうなんでしょうね?
で、
この二大メーカーのように、おかしな自分ルールを張っていない、攻めの姿勢を取る事の出来る他のメーカーが、実は凄い事になっている。
一眼レフというのはもう過去のシロモノとばかりに、ミラーレスまっしぐらの世界に突っ走っている訳でして、ファインダーもこだわりを一切捨てたEVFとなっている。
連写12コマ位は当たり前で、バッファも6秒以上撮れる位に余裕のある機種もある。そんな中でとりわけ注目に値するのがパナソニックのGH4というカメラ。デジカメとしての機能はマイクロフォーサーズ規格の1600万画素12連写という、実は凄い性能を持っているのだが、注目すべきは唯一30fpsの4K動画に対応している点。
これはどういうことかと言うと、4K動画モードで撮影すると、言い換えれば832万画素のデジカメで30枚/秒の連写をし続けられると言う事になる。クロップ秒間7枚で1秒持たないD7100とか言うカメラとは雲泥の差である。
で、
この4Kで撮影された動画はプログレッシブ形式なので832万画素(3840×2160)のスチル写真として切り出しが出来るのである。
GH4の4K動画がYoutubeに上がっていたので、ここから実際に切り出しをしてみた画像がこれです。
ファイル 26-1.jpg ファイル 26-2.jpg

切り出しはAdobe Premiereで行いましたが、とにかく全ての動作が映っているのでベストな所で止めて切り出すと言う事が可能だから、今までスチル連写では撮れなかった物も撮れるようになる可能性を感じるカメラですね。
画質的には要するに800万画素なので、2000万画素とかに比較すれば多少は荒れて見えるのだろうが、さて、写真の行き着く先がネットであるならば、それ程卑下する程の画質ですかね?
それに、4つ切り位までなら全然問題の無い解像度でもあるわけでして、色々な物を割り引いても、4K切り出しの出来る機能は、お釣りが来る程の機能では無かろうか?
私は実際にサブカメラに迎えたい程魅力を感じます。

私の予想では、この先デジカメはミラーレスが主流になると思っています。はっきり言って一眼レフではもう目の醒めるような新機能が出てくる事は無いと思います。恐らく誤差程の数字の向上を捕まえて「新設計!」等とでっち上げるのが関の山だろう。
一方のミラーレスならイノベーションを感じさせる性能向上の余地は車で言うエコカー位たくさんある。
レンズフォーマットの刷新、本体規格(フランジバックなど)の刷新、EVFの高性能化、大型センサーの搭載、電子シャッターの高速化などなど…。これこそが21世紀のカメラと言える気がするのだ。
そして来たるべき8K動画への対応が待っている。30fpsの8K動画となると、さすがに一眼レフ命のカメラ小僧でさえも振り返るであろう。3300万画素のカメラが30連写で撮影し続けるのだから…。
恐らく、プリズムファインダーの一眼レフは、近い将来に、現在のフィルム一眼レフカメラのように、前時代的なマニアックカメラになると思われる。
周囲のカメラマンが、軽量なシステムで無音、無振動の連写撮影をしている中で、あなたの秒間12コマの一眼レフがガシャガシャとクソ重たい三脚の上で唸っているという状況だ。
「うるさくて鳥が逃げてしまうからどっか行ってくれ」
って言われるかも知れないですね。(笑)
冗談はさておき、実際にニコンかキヤノンが、「もう一眼レフやーめた。」って言ったら、市場の状況はあっという間に一変する可能性があるという事だけは思っていた方が良い。私は何となく、ニコンが数年以内にそれをやるような気がする…。そうなると唯一のマニア向けのカメラメーカーに成り下がりたくないキヤノンも、堰を切ったようにEFフォーマットを捨てて追従すると思いますよ。
私は、カメラをイマイチ買い換えたくないというのは、実はその辺に理由があります。レンズを買うのも、今はちょっと控えたい気分です。
キヤノンとニコンの二大メーカーが技術的にかなり先を行っている様な気がしている諸氏も多いと思うが、既にミラーレスに移行しているソニーやパナソニック等の方が、先を行っているように見えるのは私だけなのかな…?