記事一覧

リモートによるお仕事。

新型コロナが流行しだしてから少し経った頃、通勤ラッシュ時や社内での人的過密を避ける為の手段として、自宅に居ながらにして仕事を行う、いわゆる「リモート」によるお仕事スタイルの導入が、其処彼処に語られるようになったり、行政からも推奨されるようになったりしたわけだが、そのコロナ禍の入り口から1年半経とうかと言う昨今にあって、現在では特に企業関係において、そのリモート率というのが俄に下がってきているらしい。
これは、日本人の古来からの心情と、今持って会社を仕切っている役員連中の年代を考えると、私的には至極当たり前の事で、会社側としてはやはり、目の前に社員に机に座ってもらい、自分の監視下に於いてお仕事をしてもらいたいと考えるのが自然なのだろう。また、会社の部署や仕事内容によってリモートで会議までは出来ても仕事までは無理っていう場合も多々あるだろう。或いはリモートをしてみたけど、結局会社に出てきて仕事をした方が捗る・・・という事もあると思われる。
それはそれで、会社の労使共にそれぞれの立場や意見があると思うので、私のあずかり知る所ではありませんが、日記に書こうと思ったのは、そもそも「お仕事をリモートで・・・」とは言うものの、一体どんなリモートを言っているのだろう?と疑問になったからだ。
疑問が湧いたのは、何も世間一般を見渡したり、会社を訪問したりして湧いたわけでは無く、家電量販店やパソコンショップなどの広告の内容だった。
 
「リモート会議もお仕事も、これでスイスイ・・・」
 
みたいな文言と共に、そこそこのお値段のノートパソコンやデスクトップパソコンがセットになって販売されている。何も知らない方は「リモート」と聞くと、こういうパソコンが必要なのかと勘違いして、自宅のパソコンはおざなりにしておいて、新しいパソコンを購入したりしている方が一部にいるのかと思うと、ちょっとやり切れない思いがしてしまいますね。
 
そもそもに置いて、世間でいう「リモート」って一体何を指して言っているんでしょうかね?
一般ピーポーが考えてそうな事由をいかに書き並べてみた。
 
1)会社から持ち帰ってきたお仕事を、自宅でパソコンを立ち上げてこなす。
2)スマホやタブレットを使って、ネット会議のアプリ(ZOOMとか)を使って会議や商談をする。
3)自宅でパソコンを立ち上げて、会社にあるパソコンを遠隔操作して、自宅が会社の机の如くお仕事をする。
4)自宅でパソコンを立ち上げて、会社のシステムにログインしてデータを打込んだり共有フォルダに企画書を入れたりしてお仕事をする。
5)会社のシステム専用タブレットを使用して、データを入力、閲覧、指示を受けながらお仕事をする。
 
などなど・・・。
リモートと一言で言うが、結構その内容は多岐にわたる。
実は上記1)~5)で、下へ行くほど会社はお金と手間がかかる。
とりわけ1)は、単に仕事を家に持ち帰ってきてやっているだけで、こういうのは自宅残業と言ってもリモートとは言わない(笑)。
2)は企業だけで無く学校や学習塾でも導入されているので、これがリモートだと思い込んでいる人も多いかも知れませんね。しかし厳密に言うと、これも単にネットを通してテレビ電話で話しているだけで実はリモートワークとは言わないと私は思う。だって先生はリモート授業をする為に学校へ行ってるわけですから・・・。
3)の辺りからいよいよリモートワークの世界へと入ってくる。会社の自分が使うパソコンには遠隔操作ができるようにアプリが仕込んであって、ネットとパソコン(スマホやタブレット)があれば、いつでも会社のPCに入り込んで操作し、必要な仕事が出来るというものだ。ネットの回線速度にもよるが当然、電話やZOOMをしながらの操作も可能である。現在リモートワーキングを行うには、これが一番現実的な方法と言えるだろう。デメリットは会社が1人に対して2台のパソコンをあてがう必要がある事くらいだ。
4)はVPNというネットのトンネリングという仕込みがしてある場合に可能になるリモート操作だ。VPNとはVirtual Private Networkの略でざっくり言うと会社のネットワークと自宅のネットを接続して、ネット空間的にあたかも同じ部屋にいるかのようにするネットワーク技術の事だ。これを行うと、自宅のパソコンの「ネットワーク」のアイコンを開くと会社のパソコンのアイコンがズラリと並ぶ・・・。共有フォルダも直接自宅のパソコンから開く事が可能になる。これをやるにはセキュリティ関連や情報漏洩の防止策などを高度に施す必要があるので、恐らくやっている会社はほぼないだろう。
5)は身近な例では、もう保険の外交屋さんが10年以上前からやってます。VPNで、会社のシステムにしか繋げられないように仕込んだ端末装置と化したタブレットやノートパソコンを社員にあてがって営業活動をさせるという物を自宅でするというものだ。これは一見お手軽そうに見えるが、サーバーと端末を高度に繋ぐ基幹システムが必要になります。このシステムが大抵は数千万単位のイニシャルコストと年間数百万単位のランニングコストがかかるので、これを導入している中小企業などは、めっちゃ儲かっている会社を除いて、よほど新しい物好きか世間知らずの社長の会社に限られるだろう。
 
つまり、現実的な所に置いては3)の会社のパソコンを遠隔操作する方式だ。

いいですか?
これをやるのに、特別なパソコンなんて必要ありません。
ノートだろうとデスクトッだろうと、きちんと動くパソコンが1台あれば、それだけでOKです。遠隔操作をしますから、こちらサイドのパソコンの性能も大した物で無くて良いです。
ネット会議(リモート飲み会)をする場合は、パソコンにカメラ(100万画素あれば充分)、マイク、スピーカーの3つが付いていればOKです。付いていなければ、マイク内蔵のウェブカメラとUSB給電が出来るパソコン用のスピーカーを1組買えばそれで事足ります。3000円位でしょうか。
一番大事なのは、ネット回線の速度です。
4Gや5G回線を使うなんとかAir(テザリング含む)とかじゃなくて、1Gbpsのきちんとした光回線が引かれているのが理想です。回線速度が不安定だと画像が止まったり切れたりします。スマホのテザリングとかは緊急手段であって、常備手段とはなり得ません。
 
皆さん、おかしな宣伝に惑わされて、無駄遣いしませぬように・・・。