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アンブレラホルダー

カメラ用品でアンブレラホルダーという機材というかグッズがあります。その名の通り三脚などに傘を固定する物です。雨の日の撮影のお供に使ったり、ポートレートなどの撮影でレフに使う傘の固定用に使ったりも出来る物だ。
一見優れものに見えるアンブレラホルダー。今日はこれについてちょっと語ってみたいと思います。なお、レフ機材として使用する場合はどれも全く問題なく使えるのでここでは語りません。あくまで「雨傘の固定」というネイチャーステージでの使用を想定しての語り部としておきます。

三脚への固定方法の違いによって3種類位のタイプがあります。

<その1・カメラやレンズの三脚座を使うタイプ>
ファイル 53-1.jpg
構造が単純なので壊れる事はほぼ無い。しかも安い。クイックシューがない雲台だと、カメラと雲台の間に挟みこんで使えそうに見えますが、残念ながらネジの長さが足りないのでカメラが固定できないっすからそれはできません。ネジの裏に雌ネジがあって固定出来るようになってはいるんだろうけど、それは不安定なのであまりお奨めできない固定方法ですね。これの一番の使い方は三脚座のある大きなレンズを装着した際に、カメラの三脚穴に固定する方法じゃないっすかね?標準レンズの場合は傘を付けたカメラを手持ちで撮影するとか?(^^;)
ちなみにアマゾンでは次に挙げるタイプを売りたいみたいで、このタイプはラインナップしていない。商魂たくましいね。

<その2・三脚に閉じ込めて固定するタイプ>
ファイル 53-2.jpg
固定する側の金具が薄く出来ているのがミソですね。カメラと雲台の間ではなく、雲台と三脚の間に挟み込んで使う、言わば永久固定のタイプ。エツミが出しているがアマゾンオリジナルとしても売っているのでアマゾンにはこのタイプが大売り出し中だ。
これも構造が単純なので故障がほぼ無く、しかも三脚に閉じ込め固定なので安定感も抜群だと思われる。しかし500mmなど長物レンズを装着の際には、逆に三脚固定が災いして、レンズを振る度に固定具が邪魔になったりするいっそカメラの真後ろに持ってきたくなるが、そうすると当然の事ながらファインダーを覗けなくなる。笑
その1の物とは逆に標準レンズやマクロレンズの際に使うと便利さを感じる物と言えるだろう。

<その3・クランプで挟み込んで使うタイプ>
ファイル 53-3.jpg
見ての通り三脚の好きな所にクランプで挟み込んで傘を固定するタイプ。一見お手軽で万能のようだが全然違う。まず傘。よく見ると傘固定部分は柄を通すタイプなので通常の傘の場合は取っ手の部分を切断しなければいけません。だから専用の傘が付属しているんですね。あと結構大きいです。で、傘側にこんなもんがぶら下がるので、ちょいと場所替え・・・っていうのも、傘を傘として使うまでに結構大層な事になります。

上記それぞれに特徴があり、得手不得手があるので、使い分けるのがいいのかも知れませんが、これはカメラを雨粒から防御する事を目的に「雨がザカザカ降りしきる中で使う」という事を忘れてはいけません。傘を片手でさした状態で、三脚を取り出して広げ、アンブレラホルダーを展開して傘を固定し、そしてカメラを取り出して固定・・・。場所替えや撤収時のややこしさも考慮しておく必要があります。いかがなもんでしょうか?雨の日の必需品と言う人もいますが、実際機動力という面ではどうなんでしょうね。まぁ風景を撮り方には良いのでしょうけど、鳥屋はちょっと躊躇してしまう機材ですね。

あと、
意外に風に影響を受けると言う点も忘れずに。雨が降る時はある程度風も吹きます。ゲリラ豪雨のような状況だと風はかなり強いです。つまり傘を広げる事によって風に三脚もろともさらわれてしまう危険性があるという事です。私は実際にこれで高級なカメラとレンズが犠牲になった瞬間を見ています。10kgオーバーの機材であっても突風を食らいますと、それはそれは簡単に浮きます。三脚がカーボン製のような軽い物だと、それだけで揺れますし、吹き飛ぶリスクは増大します。重しを付けるのも良いですが、機動力を失うのは私は好きではないですね。要するに使うタイミングを充分考えなくてはいけないと言う事です。
さらに、
当たり前の事ですが舞々する軽雪の前には無力です。雪は簡単に傘をよけてカメラやレンズの鏡筒内に入り込んできます(笑)。

私の周囲には、これら機材を買った人はいますが、実際に毎度毎度使っているという人は実はいません。本来の使い方では、実は使い勝手が悪く実用性に乏しいと言うのがその理由です。

「カメラにレインカバーを付けて、カッパを着て走り回った方が余程撮れ高が高い。」
「撮影場所が決まっていて、そのから微塵とも動かない時は使える事もある。」

と言う事だ。私も昔使った事があるが、同じくそう思います。

では、これら機材には実用性はないのか?

というと、そうでもないです。
本来の使い方をしなければ、使い勝手はあります。笑
三脚に傘持ち役をしてもらうという考えで、自分は傘の下で一脚か手持ちで撮影・・・という事なら即席の屋根という意味で充分使えます。私的にはこの使い方が一番リスクもなくて良いのではないかと思いますね。でも、風があって周囲に人がいる場合は安全確保の為に使えないと考えた方が良いでしょう。日傘として使うには充分ありだと思います。花火やカワセミ待ちとかで重宝したりして。

ちなみにレインカバー。
私は昔っからスーパーの袋を即興で使っています。レインカバーなんて嵩張る物をいちいち持ち歩いてられませんからね。降らなかったらただの荷物だし・・・。でも、基本は降りそうなら撮りに行かないって感じですかね。笑