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良い時代になったもんだ。レジェンド&バタフライの件ね

岐阜で派手な宣伝祭りをきっかけにして、キムタクと綾瀬はるかが織田信長の生涯の映画をやるんだって・・・。
位にしか知らなかった映画「レジェンド&バタフライ」ですが、なんともうAmazonプライムで先行配信という事で、早速見てみましたので少しだけネタバレ含みで独自感想なんぞをしてみたいと思います。
映画の尺は168分だっけか。結構長・・・あ、いや大作。(^_^;)
さすがに一気見の時間が取れなかったので3回に分けて拝見しました。正直全然予備知識無しで見ましたので、トンチンカンな感想になるかも知れないですが、いつも通りややナナメ切りで述べたいと思います。
お話は、戦国時代初期(後に言う安土時代)を夢幻の如く駆け抜けた織田信長の生涯が本筋なのだと思うのですが、その信長の正室(今で言う本妻ですね)として嫁いできた斎藤道三の娘・濃姫(帰蝶)から見た感じの信長像というのか何というのか、とにかく物語は二人の関係を中心に描かれてゆきます。
む、木村拓哉の織田信長は良くも悪くも新鮮味があったけど、綾瀬はるかの帰蝶には何か記憶があるぞ・・・と、記憶を辿ったら、思い出しましたよ、綾瀬はるかさんは戦国自衛隊1549で帰蝶役をされていましたね。実に18年振りに見る綾瀬はるかさんの帰蝶。違う意味でかなり胸アツでした(^^)。その他、本能寺ホテルではタイムスリップして信長に絡みますよね。あれも見ようによっては帰蝶と解釈できる役だったりしますので、何となく綾瀬はるか=帰蝶というイメージが私の中で出来上がっていたのかも知れません。
というワケで、事実上3回目の綾瀬はるか・帰蝶なワケですが、本人のオーラも手伝って、本映画でも当然の如く存在感アリアリでございます。嫁入り間もなく信長相手に信長協奏曲の帰蝶(これは柴咲コウ)を思い出させる言いたい放題の挙げ句、体術でいなしてしまうと言う強嫁振り。更に京のスラム街で、男共を相手に守り刀を女持ちしての大立ち回り。これには信長も参加しますが、私は一瞬「ICHIのリスペクト場面なのか?」と目を擦った記憶があります(本当)。と、オトナの事情で、あまり内容を詳しく書けないのですが、どっちかって言うと木村拓哉さんというよりも綾瀬はるかさんの主演映画かなという感じがしました。それ位帰蝶の存在感が浮いています。
物語はフィクションという事らしく、多少の脚色や新解釈を交えながらも概ね一般的に語られている歴史通りに進んで本能寺の変で終了します。が、その途中の桶狭間の戦、金ケ崎、姉川の戦、長篠合戦など血生臭い所はほぼ描かれていません。ここら辺はバッサリと外して、お二人の関係を描いております。
さて、ここからが私の私見なのですが、この物語ってフィクションなんですよねぇ。私は今まで結構な信長の新解釈物語を見てきているのですが、一番つまらない話だと思いました。
私に記憶が残っているのは・・・

1)信長の遺体が見つかっていない事から、本能寺の抜け穴を探すが、秀吉が予め塞いでいてそこで信長が蘭丸と自害していた。(ドラマ・信長の棺)
2)信長をその立場から救い出す為、光秀が謀反を起こして本能寺で討った事にし、自分も秀吉に討たれる・・・が、実は全てを知る秀吉は天下をもらう代わりに光秀を山崎で討った事にして逃がす。その後二人は南蛮へ・・・。(ドラマ・おんな信長)

他にもたくさんありますが、この二つが私の特に心に残っている信長の最後だ。さすがに「おんな信長」は無理があると思ったが、このレジェンド&バタフライ・・・あ、いや、何でも無いです(^_^;)。
とにかく、フィクションの話で、しかも帰蝶は歴史上あまり多くは記録されていない、最近になって本能寺の変の後も生きていたのではないかと言う話も出てくるような人物なので、好きなように描ける人物だと思うのです。信長に関しては、桶狭間に始まって本能寺で終わるという史実があるとしても、本能寺では実際に信長も蘭丸も遺体が見つかっていない事、幼少期は変わった恰好をして仲間と遊び人をやっていた事、父の死でいきなり窮屈で大責を担う大名になったという事、信頼していた浅井長政の裏切りに遇い、多くの古参家臣を無くした事、浅井朝倉征伐で妹・市との関係が崩壊した事、実は神経質で繊細で心弱い所があった事。等を踏まえれば、もう少し捻ったラストがあったのではないかと思えてならないのだ。
そう言う点では、中村勘九郎の真田十勇士くらいに、伝説に従いつつもぶっ飛んでくれた方が面白い物語になったのではないかと思えてならないのだ。実際に真田十勇士は私も好きで既に何度か見ています。
多くのネット上の感想では、信長と帰蝶の時代劇ラブストーリーだったという意見が多いが、実はそのネタも既にドラマ・信長協奏曲(原作は漫画)で小栗旬と柴咲コウが好演しているので、その点を汲んだとしても真新しさを感じる事もなかった・・・と言えば言いすぎかな。
つまり、一応の史実はある。しかし、こういう風にも解釈できるよね、そうするとこういうラストも考えられるよね。っていう令和の新解釈による信長公記のような物を帰蝶を絡めることによって創作して欲しかったなって思うんですよね。木村拓哉さんってすごくひょうきんだっていうのはバラエティ見てても皆知っているし、綾瀬はるかさんもNGないの?って言うくらい色々と好演してくれる女優さんなので、そこら辺を期待した面があったのですが、監督と脚本家がキムタクに気を遣いすぎたような内容って感じでしたね。とにかく話が長く感じたし、もう一度見るのは何年も先かな・・・。
キャストは超豪華なので、三谷幸喜監督に作ってもらったらどうなるんだろうって思う自分がおりました。
 
というワケで、この映画、オススメ度は星2つかな。