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インターネットの10Gbps、5Gbpsのサービスって・・・。

最近、巷で盛んに宣伝されだした家庭向けへの超高速のインターネット接続サービス。その速度は従来の最速であった1Gbpsを上回る10Gbpsと5Gbpsという、まさに新幹線が開通したときのようなセンセーショナルな話である。今日は、この超高速インターネットについて土岐流に語ってみたいと思う次第です。
 
まず、この10Gbpsとか1Gbpsとかって、実際どれくらいの速度になるのかと言うのを知っておきましょう。案外知らない人が多かったりしますからね~(笑)。って言うか、ほとんどの人が知らないんじゃないかななんて思ったりもしますけど・・・。
1Gbpsというのは、「イチギガボー」と読みます。で、このうち1G(イチギガ)というのはデータ量の事ですね。で、データを転送する速度の単位としてbps「ボー」というのが表記されています。
 
「おー!だったら1秒間に1GBのデータをやりとりできるのか!」
 
と、早合点している方が結構多いんじゃないかなって思うので、ここら辺だけ「知るは一時の恥」と言う事で、印象に残るような表現で書き綴っています(笑)。
bpsというのは「Bit Per Second」の頭文字を取った単位です。直訳すると「1秒間に~ビット」という意味になります。と言う事は1Gbpsというのは「1Gビット/秒の転送速度」と言う事になり、1秒で1Gバイト・・・ではないのです。
ここでコンピュータの世界のビット換算式が出てくるのですが、一般の方には面倒でややこしいのでサパッと数字で申し上げますとこうなります。
 
100Mbps=12.5MB/秒
1Gbps=1024Mbps=125MB/秒
10Gbps=10240Mbps=1250MB/秒
※MB=メガバイトです。
 
1Gbpsのサービスを受けている場合は、スピードテストサイトで1024Mbpsに近い転送速度が出ている程、実力が発揮されているという事になります。私はいつもBNRスピードテストというサイトで計測しています。ちょっと渋めの速度が出るサイトですが、昔からあるサイトで信用できるかなと思っています。
https://www.musen-lan.com/speed/
 
私の環境では以下のような値が出ました。
ファイル 148-1.jpg ファイル 148-2.jpg
下りはダウンロード、上りはアップロードの転送速度を指します。
私は1Gbpsのサービスですので、1/10位の値が出ている事になります。もうちょっと頑張って欲しいですが、別のサイトだと500とか800とか出ますし、普段使う分には問題は無いので良しとしています。何だか遅いなと思ったときは、計測してみると良いでしょう。
 
さて、基本的な知識が付いたところで今日の話題の10Gbpsサービスの話です。
裁判所の判決文ではありませんが、主文から申しますと
「一般の方には5Gbpsや10Gbpsサービスは入らない方が良い」
です。
正直言って1Gbpsサービスからわざわざ切り替える必要なんて皆無です。特に新規で入る方や、スマホの割引契約の関係でプロバイダを替えられる方は注意してください。5Gbpsや10Gbps(以下まとめて10Gbpsと書きます)に切り替えたからと言って、それだけで通信環境が爆発的に改善されるわけではないからです。
 
例えば10Gbpsサービスに切り替えると、何が必要になるかというと、宅内工事が必要になります。ルーターも専用のレンタル品に置き換える必要があります。ここまでは普通ですね。問題はここからです。
宅内に張り巡らされたLANケーブルは大抵はCAT5e、よく行ってCAT6だと思いますので、全てCAT6a、CAT7のいずれかの規格の物に取り替える必要があります。また途中で分岐させているHUBも1Gbps対応品までだと思いますので10Gbps対応品に取り替えてください。最後にパソコンのLAN端子も1Gbpsまでの対応となっているはずですので、別売りの10Gbps対応のLANカードを増設して対応させてください。これで晴れて「有線LAN」に付いては10Gbps対応という事になります。2021年7月現在で、HUBとLANボードだけで恐らく5~6万円位になると思います。
スマホやノートPC等のWi-Fi勢はどうしたらよいかと言いますと、どうしょうもありません(笑)。巷ではWi-Fi6等と新しい言葉が飛び交うのを見る事になるかも知れませんが、Wi-Fi6とは従来の言い方で言うと11axという規格になります。これは某社からは誇らしげにWi-Fiルーターが販売されてはいますが、この11ax規格をフルスケールで送受信できるWi-Fiのアダプタが2021年7月現在では、一般販売はされていません。つまり大枚叩いてWi-Fiルーターを買っても無駄なわけです。11axの前の11acでさえ、その大きさからフルスケールのアダプタは一般向けでは無かった事を考えると、11axは対応品は出てもフルスケールの速度が出る物は、ノートパソコン用やスマホ内蔵ではまず出てこないと思います。11axはIoTや空中線の許容量を増やす為の規格と考えた方が良いのであって、10Gbpsサービスに切り替えたからと言って、わざわざWi-Fi6のルーターに買い換える必要も無いわけです。普通のユーザーさんなら実は100Mbpsも出ていれば充分だったりするんですね・・・。
 
そんな通信速度のサービスよりも、皆が目を向けた方が良いのはIPv6への対応です。
ここでテストしてみてください。
https://test-ipv6.com/index.html.ja_JP

最後に10/10と出てくればIPv6を使用したネット環境になっていますので問題ありませんが、1/10とかだとIPv4しか使っていませんので速攻でプロバイダさんに相談してみましょう。
ちなみに、IPv4とIPv6の何が違うのかと言いますと、通信する信号が通過する国や道路が違うと思ってください。
わかりやすく言うと、人だらけの商店街を通過して目的地へ行くのがIPv4で、一本横の新しく空いている道路を通って目的地へ行くのがIPv6という感じです。
IPv4しか使っていない方はIPv6の通りに出しているお店(ホームページ)には行く事が出来ません。しかし両方使っている方は、両方のお店に行く事が出来ます。そう言うとお得な感じがしますよね。通信も空いていますので、結果的に速度の向上にも繋がりますからこれは早速プロバイダさんにIPv6を使いたいと相談してみると良いと思います。
 
と言うわけで、10Gbpsサービスへの手出しは、要注意という事で。やっちゃった方は、AU光の場合は28800円の機材撤去費用がかかりますから突っ走るしかありませんが、それ以外の方は今なら違約金だけで解約できるかも・・・。AU光、エグいな・・・。