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HS175というお得感のあるドローンを使ってみた。

ドローンのメーカーの一つでHoly Stoneという特に200g以下のトイドローンと呼ばれる日本では航空法の規制対象外となるジャンルの商品を数多くリリースしているメーカーがあります。

で、
最近になって私も本命のDJI Mavic Air2の練習機として、このHoly Stone(以下:ホーリーストーン)が最近出したHS175というトイドローンを購入してみたので、そのレビューめいた事を書いてみたい。

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最近流行の私的に「カエル型」と呼んでいるタイプのドローンだ。
重量は200g以下を謳ってはいるが、実際は個体差によって198gだったり202gだったりと微妙な所でばらつきがある。ちなみに私のは203gだったので若干のダイエットを行って199gにしてある。が、付属のプロペラガードを付けると当然200gは余裕で超える(笑)。
足を折りたたむと掌に乗るコンパクトさで、この筐体にGPS、ビジョンセンサー、上下リモコン可動式4Kカメラが詰め込まれている(ジンバルはありません)。更にパッケージを見渡すと、20分飛行できるバッテリー3個、専用USB充電器2個、予備プロペラ1セット、専用コントローラー、これらが一手に入る専用ケースと至れり尽くせりの充実内容となっている。これが2021年5月現在で1.8万円台で購入できるというのだから中華ドローン恐るべしである。
 
とまぁ、ここまで見ると「買い」となるかも知れないが、まぁそう急がずに・・・綺麗なバラにはトゲがある物ですよ(笑)。
この「全部入りの決定版」とまで評されているHS175ですが、取りあえず結論から書きますと「練習用」としても買うのは見送った方が良いと思うドローンだと思います。その理由は以下の通り。
 
1)ウリの可動カメラは、100%動かなくなる。と言うか二度と動かないようにできる。
2)GPSの受信状況がアヤシいので飛行やホバリングが安定しない。
3)Wi-Fiで5GHzが出る事がある。当然野外では電波法違反です。
4)RTHはまともに帰ってこないので基本はマニュアルでの帰還を推奨・・・。
 
とまぁ、ザッと挙げただけでこれだけの理由が出てきます。
と言うか、日本ならリコール物の商品だと思いますがいかがでしょうか。私的にはこの4つの理由だけで充分な決定的な欠陥商品ではないかと思います。
では、実際に起こった事を書いていきますね。
ちなみに、私は責任は取りませんので、「やってみる方」は自己責任でやってくださいね。

1)の可動カメラが動いて嬉しい人も多いかも知れませんが、コントローラーで下方向に目一杯動かして、って言うのを数回繰り返してください。それでカメラが動かなくなるはずです。「そんな事ないよ?」という方は回数が足りません。何回もやってみてください。真下に行ったら更に数秒下方向にコントロールします。すると真下の位置で全く動かなくなります。動かなくなったら以後、マイナスドライバーでこじらないとカメラは動かないマニュアルカメラと化します。おめでとうございます(笑)。私のはすでにマニュアル仕様となっております。
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2)HS175はGPS機能が入っている贅沢なトイドローンなのですが、残念ながら離陸後のホバリングは安定しません。って言うか、安定していると見せかけていきなり暴れ出します。これにパニクってコントローラーで元の位置に戻そうとレバーを倒すと、思った以上にクイックに反応しますので、更に暴れます。最後はどこに飛んでいくか分からない状態になったりしますから、必ず周囲に人がいない状況で離陸させましょう。万一プロペラが子供の眼に当たったりしたら、とんでもない事になりますよ・・・。慣れてくるとある程度コントロール出来るようになると思いますが、TelloやDJIドローンの離陸を知っている人が端から見てたら指さして笑うレベルです。
 
3)Wi-Fiの周波数が野外では使用が禁止されている5GHz帯の電波を出す事があります。メーカーは日本仕様はアプリで2.4GHzしか出ないようにしたとしていますが、私の物は5GHzが出ています。実は私は一度メーカーにクレームを出して交換しており、現在の物は2.4GHzのみ出るようになっていますが、交換前の物は5GHzしか出ませんでした。これは簡単な方法ではWi-FiのSSIDで確認する事が出来ます。もし5GHzの文字がSSIDに混じっていたら電波法違反でとても高く付くドローンになっていますから要注意です。
 
4)RTHいわゆるリターントゥホーム機能です。ドローンがコントロール不能とか視界外とかに行っても、このボタンを押せばドローンは離陸時に記憶したGPSの座標上に自動で戻って来るという非常時にも使う実は重要な機能なのですが、HS175のRTH機能は私の場合70%の確率でその場所に戻る事なく生け垣に突き刺さったり、全く別の場所へ行こうとして木に当たって墜落して戻ってきたりと散々な結果となっています。つまりRTHは逆に危険で使えず、マニュアル操作で戻し来るのが王道となっています。
 
ちなみに、これらは2台のHS175で実体験している事ですので、そこんとこシクヨロです。
あと、追加情報としてはカメラの機能ですが4K画質というのは「静止画」つまり写真撮影の時です。4096×3072ドットのこんな感じのJPG画像で撮ってくれます。カメラだと4Kと言っても800万画素ですね。
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ダイナミックレンジがどうとか魚眼ぽいとか言ってはいけません。お得なトイドローンなのですから(笑)。

動画は2048×1080という微妙なFHDっぽいサイズで撮ってくれます。ここにはアップできないのですが、まぁ写真から想像してください。ジンバルが付いていないのと、暴れん坊なのとで動画は揺れまくります。Mavicのようなしっとり落ち着いた動画はほぼ撮れませんでした。アプリには手ぶれ補正機能が付いていますが、これは揺れに合わせて動画を回転させて揺れを誤魔化すスマホ方式ですので、画角が拡大されるのと揺れまくると揺りかご状態の動画ができあがります(笑)。あと、レンズをまっすぐ前に向けると静止画も動画もプロペラが映り込みますから要注意です。
 
とまぁ、こんな感じですけど、1.8万円台の全部入りの決定版ドローンHS175、それでもお得感満載だ!と謳える人は買ってもいいんじゃないですかね。私ならもう少し頑張ってDJI MIniを買いますけど・・・。
ちなみにHS175の当方での今の立場は、専らお遊び用のズッコケドローン扱いです。Mavicの偵察用に使ったりもします。実用性は皆無ですが一応役には立っています。でも、Mavicの動画を見たら、HS175で撮影した動画は、おいそれとは人目に出せないですね~。
最後にMavic Air2の静止画です。
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