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山椒の木とおまけのオリーブの木。

先日からの山椒の木の栽培の続き。
 
現在は私の自宅で葉山椒、朝倉山椒、ぶどう山椒を各1鉢。
実家の方でも葉山椒(地植)、朝倉山椒、ぶどう山椒各1鉢を育てている。いづれも今年の春に購入して実験栽培しているわけですが、植え替えをしたにも拘らず現在の所は枯死する事無く栽培で来ている状態だ。
ちなみに自宅の3鉢をグループA、実家の3鉢をグループBと呼ぶことにしよう。
グループAは南向きの日当たりの良い場所で早朝から15時位まで直下に日が差す所に置いてますが、ぶどう山椒のみやや日陰になる場所に置いています。どちらかと言うと強光下での飼育という事になると思います。剪定は一切行っていません。水やりは鉢の表土が乾いたら鉢底からしみ出るほど水をやります。が、乾燥にも弱いとの事なので、そうではない場合はシャワーではなくキリに切り替えて葉水をやるように水やりをしています。キリモードは枝にダメージを与える事無く水やりができますので結構使っています。
気になるのは、朝倉山椒とぶどう山椒に関しては、植え替えしてから成長がぴたりと止まっている状況である事。小苗だった葉山椒のみがゆっくりではあるが新芽を出しつつ成長している状況だ。

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これがぶどう山椒。少し半日陰になる奥ばった所に置いています。
枝がお行儀が悪いので支柱で誘引矯正しています。一番あげは蝶が卵を産み付けてゆきます。植え替えてから成長が停止している。(-_-;)

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続いて朝倉山椒。唯一の越冬株である。15cm程で我が家に来たが、今は50cmを超えている。しかし、これも植え替えてから成長が鈍っている状況だ。

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この春に10cm程の小株で購入してきた葉山椒だが、若株だからか何とか土に順応して成長して今では20cm程に成長している。
 
山椒の成長の調子を見る簡単な方法は、葉を指で少し擦って匂いを嗅いでみると良い。順調に成長し、盛んに枝を伸ばしている個体は割とどの葉も香りが強いが、成長が停止していたり、弱っている場合は葉を擦っても叩いても殆ど山椒の香りはしなくなってしまいます。こういう個体はほぼ間違いなく新芽も枝も伸ばす事無く、成長が停止しているはずだ。こうなると、放っておけば間もなく葉を落として棒状態になってゆくと思います。山椒は落葉樹なので、これが初冬の季節なら問題はないのですが、成長期であるはずの梅雨入り前や秋口だったりするとちょっとややこしい。なぜややこしいかと言うと、山椒には「死んだフリ」があるからだ。(;^ω^)
ここからは私の経験則だけど、山椒の木が「何だか環境が変わった」と認識してしまうと、山椒はその成長を一時停止して、必死で環境に適応しようと努力します。が、その適応力はあまり高くないので、適応できなかった時は二度と新芽を出す事なくそのまま枯死してしまいます。しかし適応できると早ければ春先、遅ければ梅雨入り前辺りで新芽を出し始めます。枯死しているかどうかわからない時は、5月中旬まで待って主枝の先の方をハサミで切って、幹の中身が乾いているかどうかで判断できます。幹汁が染み出すようだと生きていますが乾いていると、その山椒は残念ながらすでにこの世にはいません。
山椒の厄介な所は、この葉の香りが無くなって=株が弱っていても、ほぼ何も対策を行う事ができない点にあります。もっと良い条件を…と考えてさらに大きな鉢に植え替えたり、根洗いをして土を変えてしまう等をやった日には、ほぼ間違いなく枯死します。ならば枝葉を減らして負担を減らしてやろうと青枝に剪定を行うと、栄養を取り込む事もできなくなってこれまたさらに株が弱ってしまいます。20cm程の小苗を買ってきて、料理用にと葉を取りまくっていると、いつの間にか調子を崩して枯れてしまったというのはこのパターンです。葉を摘んで料理に使うには、少なくとも3年位問題なく育っている環境に適応した山椒から利用すると言うのが良いと思います。
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一方、実家で育てているグループBの山椒ですが、こちらは1日3時間程の西日が当たる北側の環境で育てています。掲載できる写真の枚数の関係で掲載は次回に譲りますが、こちらのグループは全て順調に育っています。葉山椒は完全日陰ですが鶏糞がたくさん含まれた地植えという環境の強みもあって非常に順調です。
ぶどう山椒はグループAの物と同じく横枝を支柱で矯正していますが、こちらからも新芽を伸ばしていますし、朝倉山椒は下枝の葉は枯れて葉を落としている物の、新芽を出しているので問題は出ていません。こう考えると、山椒の木は南側の日当たりのよい場所よりも、北側のやや涼しい半日陰のような場所の方が適しているのかも知れません。
今のところ、特に山椒の木だから特に栽培が難しいという感覚は私にはありませんが、水やりに気を遣うのと、アゲハ蝶などの天敵に常に気を配らなければならないという、やたらと手がかかるという面倒さだけが際立っている感じはありますね。

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ちなみにこれはおまけのグループAろ一緒に育てているオリーブのネバディロブランコ種。オリーブは植木屋さんに買いに行くとやたらと高額な感じがする植木ではありますが、実はも萌芽力が非常に強く、割と3年ほどで大きく育つので、特に必要でなければ始めから数万円もするような太く大きな株を購入する必要はありません。
ただ知っておいた方が良いのは、2種類の品種を同時に購入しないと実がなりにくいという特性がある事です。何がどれか分からない場合は、とりあえずネバディロブランコを買ってもう1本は花期の近いミッションかルッカを買っておけば無難です。ただここで思うのだ。
 
同じオリーブを2鉢も置くのかよ…。
 
しかも、結構育つし場所も取るしな…ってなもんですね。
そういう方に裏技です。
まず、500~600円で売っている柔らかい幹の若い苗をセオリー通りに2品種購入します。
少し大きめの深い植木鉢(7~8号位)を用意します。
2本のオリーブをベンジャミンのようによじって1本の木のように仕立てて植えこみます。上手くよじれない場合は、ビニタイなどを使って括り付けても構いませんが、あまりキツく括ると成長した際にビニタイが取れなくなってしまいますのでゆるめに…。
これで、2品種を1鉢に植える事になって場所も取らず手間も1鉢分で、尚且つ実もなりやすくなります。実はこの手は佐藤錦とナポレオンなどの高級サクランボにも使えたりします。が、サクランボは低温飼育が必要なのと、矮小化が難しいので一般家庭での飼育は難しいと思います。私は現在、単体結実の暖地サクランボの矮小飼育に挑戦していますが、なかなかハードルが高いです。これについてはまた次回の講釈で…。