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ちょいと小耳に挟んだが・・・?

胡散臭い噂レベルの話だが、火のない処に煙は立たずと言う事で一応話題にしましょうか。
ニコン様がフルサイズセンサー搭載のミラーレス機を開発中で、すでに試写レベルまで進んでいるとかで、2015年末~2016年初頭にかけて発売するのだとかしないのだとか・・・。
これがもし本当の話だったとして、そのカメラがニコン様が一眼レフ機に置き換わる次世代向け一眼カメラとして真剣な仕様で発売するとしたならば、一眼と冠したカメラはついにミラーレス機への移行が一気に進む可能性があり、当然の事ながらキヤノンも大船に乗り遅れまいと追従し、新しい世代ステージでのカメラ戦国時代の幕開けになるだろう。
以前にも言ったが、一眼レフ機はクルマで言うとガソリン車だ。多少の新技術は今後もあるかも知れないが、誤差のような数値の燃費向上であったり、電子制御プログラムであったりと、まぁ大した技術開発は期待出来るステージではないと思われる。が、ミラーレス機はクルマで言うとハイブリットや燃料電池などの所謂省燃費車に相当する。つまり各メーカー毎にイノベーションを競い合い、独自の突出した特徴を持った機能を提供出来る余地が大いにあるのだ。
カメラをミラーレス化する事によって得られるメリットは絶大だ。まず、必ずと言って良い程話題にされる連写性能が、秒間30コマや60コマと言った途方もない高速化を実現出来る。この超高速連写に追従出来るAE、AF性能は各メーカーの技術開発に余地を残す。
シャッターを完全に電子化出来るので、ミラーやシャッターショックなどがない無音・無振動撮影が可能になり、1500mm以上の超超望遠撮影が可能になる。(一眼レフ機では、私個人の感覚では1500mm迄が限度である。)これは野生動物の撮影に、彼らにストレスを与える事なく自然な姿を無理なく撮影できる事を意味する。また、星景撮影の分野でも無振動撮影は恩恵に寄与するはずだ。
更にレンズを含めて小型軽量化が可能になる。これは今までプロとバカしか持ち込む事が出来なかった3000m級の高山や、ジャングルの果てのような場所にも持って行ける可能性が高まる事を意味する。たまに伝え聞く山岳カメラマンの滑落死亡事故も若干減るのではないかと期待出来る。
そして、これはマニアな話なので私には分かりかねるが、ミラーレス化するとセンサーの高画素化が可能になるらしい。今般キヤノンがちょっと無理っぽく出した5000万画素機も、難なく誰もが使えるカメラとして製作が出来る・・・らしいのじゃ!これは理屈と数字大好きのマニアな方の話なので私は知らんけど・・・。笑
私的には裏面照射型センサーとか、曲面センサーの方が現実感があるんだけどなぁ。
ただ、一番ネックになりそうなのがファインダーだ。
一眼レフ機にミラーが付いているのは、知っての通りレンズを通してダイレクトに撮影する予定の画角を覗き見ながら撮影が出来る光学ファインダー(OVF)の為だ。そのミラーがないとなると、レンズを通してダイレクトに光学的像を覗き見る事は事実上不可能という事になる。それでも実現したいとなると、それ程難しい事ではない。昔のレンズシャッターのカメラのように別窓を付けるか、ローライのカメラのように二眼式にすれば良いだけの事。しかし、前者は古臭く、後者は複雑な機構で大型化してしまうというしょうもないユーザーの指向が邪魔をするだろうからメーカーも躊躇するだろう。と言う事で登場するのが電子式ファインダー(EVF)だ。なんじゃそれは?となるかも知れないが、カメラをやっている人も、そうでない人もほぼ全員実は見ているファインダーです。
一番身近な例だと携帯電話で写真を撮る時ですね。カメラだとモニターを見る時、ここでいうEVFに一番近い物としてはホームビデオのファインダーだろう。要するに電気変換された画像を覗き見るファインダーの事だ。EVFは先述の通り電気変換後に情景を見るので、どうしても現実の情景とは時間的にズレが生じる。これが弱点だ。このEVFも各メーカーが開発を競うステージとなるだろう。

ざっと挙げただけでカメラ本体に関してだけでも、これだけ新境地を切り開いてゆく余地があるわけで、もはや頭打ちのジリ貧が待つばかりの一眼レフに体力を削っている場合ではない事が分かるだろう。
さて、ニコン様がそんな新境地を見させてくれるようなフルサイズミラーレスを開発しているとして、一番気になるのがマウントの仕様である。50年間ユーザーを裏切る事なく使い続けたFマウントにはそれ相応の評価を贈りたいが、さすがにやっぱりもう古い。
超高速AFやそれの伴う絞り等の動作などを考えるとFマウントはミラーレスでは捨てるべきで、全く新しい未来志向のマウントを採用して、レンズ資産を再構築してゆくのが良いだろう。変に気を遣ってFマウントに拘ると、逆にファンを逃がす事になる。短いフランジバックとフィルム機並みに自由度の高い撮影条件を練られる次世代マウントのレンズは、きっとファンも理解してくれるだろう。

ニコン様がここまでやると、さすがにキヤノンも追従してきます。来ないとおかしいです。でないといつまでもガソリン車を開発しているロートルメーカーに成り下がってしまうばかりでなく、次世代カメラ市場に於いてソニー、パナソニックなどミラーレスで先行するメーカーに技術的に追いつけなくなってしまうからですね。
今年末に、大きな船が出航するのかどうか、楽しみに待っていましょう。