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私的元祖カメラの復活。

フィルムカメラ時代の遺物として、もう20年以上もの長きに渡って眠り続けていたAE-1Pというキヤノンのフィルムカメラ。
その20年の間に、AE-1Pのフタ代わりになっていたFD50mmF1.8というレンズが、油ぎれなのか何なのか、絞り幕が不良になってしまいドナドナしてしまい。本体はレンズキャップがなかったので、ちり紙を詰め込んでフタ代わりにし、サランラップを巻いていた。10年程経った所で、FD35-70mmF4というレンズが中古カメラ店のウィンドウに5000円であったので、それを買って一応のカメラとしての体裁を保ってあげる事に…。それでも使う事はないまま、ずっと眠っていた訳だが、昨今、久し振りにAE-1Pを手にとってみたら、久し振りにコイツを復活させてみたいという衝動に駆られた。
普通に考えると、本体もレンズもあるんだからレンズを装着すればフィルム装填でハイどうぞ!っと復活するかと思うだろう。
しかし、そうは問屋が卸さないのが20年という眠りからの目覚めなのだ。
まず、AE-1Pは電子式カメラなので、本体に電池が入る。4LR44という、一見するとバンダイのゲームデジタルに使われていたボタン型電池(任天堂のゲームウォッチはLR43)に思うかも知れないが、全然違う。頭に「4」が付いていると言う事で、形は単五サイズ位の普通の電池のような形をしています。これが高いのよ…。(-_-)
使っているとそうそう無くなる電池では無いんだけど、買うとなったら当時で2400円位したのかな。で、デフレの昨今である今でさえ1500円とかするようだ。電池如きに1500円と言う辺りが、いきなり気を萎えさせる事由ではあるが、そこはさすがAmazon様。5本セットだかで1000円以下の互換電池を売っている業者がいるではありませんか。使い始めると私の場合2~3年は持つので、5本となるとヘタをすると私の寿命が先に来るような年数分という感じだ。
早速注文して電池を本体に入れる…。AE-1Pには電池の有無を確認するボタンがあるのだが、実に20年ぶりにピーピーピー!という元気な電子音が鳴り響いた。うぉお!テンション上がるぜ!

一応これで撮影が出来る…。

そう思ったのも束の間。ファインダーを覗いてみると…。
み、見えない。ピントが合っているのか、何がどうなっているのか…??

「なるほど、ファインダー内に大量の埃が入ってたんだな。」

と、思った方。ハズレです。笑

「そうか、老朽でミラーがはずれてたのか!!」

と、思った方も、思いっきりハズレです。(^_^;)

原因は、何と私の眼。視力というか、老眼というか…。(^^;
フィルムカメラでも最終の方で売っていた物とか、今のデジカメだと視度調整が付いているので、難なく補正が可能ですが、AE-1Pには、んなもん付いておりませんので、接眼窓に視度補正レンズを取り付ける必要があるんですな。これは私のもう1台の永久バディであるNikon F801も同じ。
ただ、F801は今もNikonが「F801用」として視度補正レンズを売っているが、キヤノンはない…。しかも古いFDレンズを駆るキヤノンにとっては化石のような痛い存在。
昨今のカメラ事情を知らない私には、さすがに時間がかかった。
何度もファインダーを覗くが、やはり見えない…。メガネを掛けてファインダーを覗くと多少は見えるが、メガネが壁になって鬱陶しい。コンタクトレンズも考えたが、視度補正レンズを考えると、あまりにも高額な買い物だ。それによく知らんけど、乱視が入っているのでコンタクトレンズってどうなの?
その間、F801を復活させるべく、こちらは簡単に視度補正レンズを購入し、電子レリーズ(純正品!)を中古でゲットして難なく昔のセットを揃えた。今は35-70mmマクロのレンズを付けて、ロモのフィルムが入っている。仮に視度補正がなくても、AFなのでピントは合わせられるし…。AE-1PはMFカメラなので、そうはイカのキ…いかないんですな。(^^;

そうこうするうちに1ヶ月程経った頃。
何気なくネットを見ていたら、AE-1Pの視度補正に関する情報を発見してしまった。何と、現行品が合うらしいのだ。まじっすか。
FDマウントのカメラにEFマウントのカメラのパーツが合うってか?キヤノンは、ここまで仕様変更はしていなかったんですな。
色々と調べると、円形のアイカップは同時使用出来ないが、確かに現行品が使えるようだ。なぜ気付かなかった…。汗

早速これまたAmazonで検索すると、それっぽいのが出てきたので、レビューを見るとAE-1Pに使いましたという、一点の曇りもない情報が…笑。

視度補正レンズの存在。これでAE-1Pの完全復活が約束されました。

そうなると復活させるパーツはあと一つ。何気に私のAE-1Pに張り付いてるモータードライブMAという存在。
やはりAE-1Pにはこれを付けていないと、説得力というか存在感というか、とにかく格好良さがまるで違うのだ。秒間5コマと3コマと1コマワインドの3つのモードを備えており、それとは別に最速の5コマにいつでも切り替わるボタンも備えている。当然縦位置レリーズも装備。単なるモードラだけでなく、グリップがし易く、取り回しも便利になるのだ。このモードラには単三乾電池を使うタイプとバッテリーを使うタイプがあったのだが、幸い私のは単三乾電池タイプだったので、バッテリーの劣化云々で奔走させられる事も無く、サクッと単三乾電池を調達してくるだけで事が済む。
のであるが、このモードラ12本も使うのよね…。EVOLTAとか買ってる場合じゃないし…(T_T)。
そこでまたAmazon様に問うてみると、何と60本で1000ちょいと言う神のようなアルカリ電池があるではないか!!
検討の要もなくご注文と言う事で…。

さて、色々な艱難辛苦(?)を乗り越えて、数日後ようやく完全復活を果たした私の一眼レフデビュー機AE-1P。機会があれば写真を載せますが、20年ぶりに完全駆動するAE-1Pは、やはり懐かしくもメカメカしい、カメラ好きのするレリーズ音を立てて唸ってくれる。モードラをHモードにしてシャッターを押し込むと、もうたまりまへんな。たまりまへんで。きょうびのデジカメの連写音のショボい事…。AE-1P持って、大勢のカワセミ鳥専おやじの間に入って撮影したくなってきますな。何人かは影響されると思う。そんな妙な自信が湧いてくる…そんな機械音なのだ。
でも…、
フィルムカメラはその名の通りフィルムを消費するカメラなので、モードラをぶん回してバシバシやってると、後で偉い目に遭うのだ。笑モードラのモードは「S」にしておこう。

ちなみに…

中古ですが、NikonのF5をオクで買いました。
これについては、また後日。
それにしても、ニコンはベロ出し改造してくれるんだろうか…。
実はこれが一番のネックになるかもですね。
昔、キヤノンはT90等あっさりしてくれたがニコンは「報道以外はやりません」と抜かしておったな。
仕事で使うので、F801は強引にやらせたが…。あいつら、そういうメーカーだからな…。

カメラの楽しさを教えてくれるのが、キヤノン。
カメラにトラウマを植え付けてくれるのが、ニコン。

今も昔も変わらない気がするが、一応聞いてみるか…。

あ、ベロ出し改造って言うのは、使い終ったフィルムを自動で巻き上げる時、全部巻ききってしまわないで、ちょっと残して止るというもの。特に自前で現像する場合や、プロショップに持ち込んで切り現したりする場合は、ベロだし改造している方が圧倒的に手間が省けるのだ。まぁリムーバーも使えるし、なくてもベロを出す方法は知ってるんだけど、正直言って面倒臭い…。そういう事です。自動巻上げのフィルム機をお持ちの方はメーカーに聞いてみると良い。