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SONYのα9、ちょっと踊りすぎじゃないですかね。

SONYが新開発のフルサイズセンサーを積んで、新開発の機能を盛り込んで、新開発のα9というミラーレス一眼カメラを先日リリースした模様だ。
世間様は…
 
・一瞬でキヤノンとニコンのヒトケタ機を時代遅れにした!
・もうミラーが付いたレフ機は時代遅れだ!
・カメラの未来を決定付ける歴史的な1台だ!
 
などと、私の足元まで明るくなるんじゃないかと思える程の提灯記事や書き込みがネット上に溢れている。
ちなみにα9ボディ単体の現在の実売価格は平均で48万円位。
これだけの投資をされた方なら、多少の疑問を感じても感動が上回って提灯記事をネットに上げてしまうことだろう。こう言うと失礼か…。
しかし48万円、レンズを入れると50万円を超えるお買い物は、一般ピーポーにはなかなか敷居が高いものなので、もう少し冷静に物事を見たほうがよいと思うのは私だけじゃないはずだ。本当の所はどうなのよ?ってのがあるでしょ?って感じ。
私は実機を触ったことがないので、詳しいウンチクを語る気はない。が、あまりの提灯記事の多さに、少々違和感を覚えた側の人間だと思ってくれればよい。そんな私がこっそり書く日記だ。
 
私は以前から8K(3300万画素)の動画が手持ちのカメラで撮影できるようになると、その動画からの切り出しで写真として充分なクオリティを持つことから、最終的にはミラーレスカメラはビデオカメラと融合するんじゃないのか。と申しておりましたが、それに少し近づいたカメラがα9じゃないのかと、正直思っています。
2400万画素で20コマ/秒のミラーレス撮影は、言い換えれば20fpsの6Kか7K位のビデオ撮影の切り出しって言うことですよ。SONYはビデオカメラは得意分野なので、このセンサーでそのレベルのビデオカメラを近日中にリリースするんじゃないですかね。
少し冷めた言い方かもしれませんが、要するにα9は50万円のカメラの形をしたビデオカメラだと思えば、大体当りなんじゃないかと…。だったら50万円ってどうなのかな…って思うし、新世代って言うのもなんだかなぁ…って感じです。
バッテリーは480コマ分しか持たない点にも注意すべきと思う。秒間20コマなので24秒分連写するとバッテリーはあがってしまう事になるのだ。実際はそれよりも短いかもしれない。小型化も大事か知れないが、6Kの20fpsのビデオカメラと考えると、24秒分しか録画ができないって言うのは、かなり致命的なんじゃないかと思う。私はデジタルになってからD90、D7000、D500とニコンを渡り歩いてきたが、今の今まで撮影中(暇な時間に動画も撮るよ)にバッテリーの事なんて考えたことはありませんし、未だにじゃらじゃらと予備バッテリーを持ち歩く事もありません。α9には別付けの大型バッテリーパックが接続できるようですが、あれって本体よりも大きくて重いですよね…。
しかしSONYは敢えてキヤノンの1DXmk2とニコンのD5に対抗するような価格でリリースしてきた。私はこのSONYの行動に、バブルの頃のホンダという車メーカーを思い出させるものを感じる。ホンダはF1に参戦し、そのステージで得たノウハウを自社の車にフィードバックさせて若者を中心に人気を博したのは今50歳前後のお父様方には記憶に留まる所だろう。ホンダがそれを実行できたのは、エンジンを自社で作り出すことが出来たからだ。もちろんトヨタや日産、三菱、マツダも同様だがF1には参戦しておらず、ホンダのように次々に新開発と称して世界最高峰のF1を推起させるような機能を盛り込んだ大衆車はリリースしなかった。SONYもデジカメのエンジンといえるセンサーを自社で開発することが可能で、当時のホンダととても似通っていると思うのだ。だからどうだというわけではないが、当時ホンダが開発した可変バルブのVTEC、風量可変のウイングターボ、シビックにも採用されたサスペンションシステムのダブルウィッシュボーン等、何かとリリースされる度に沸いたものだ。それとα9の提灯騒ぎがとても似通ってみるので、単純に市場って面白いなと感じているだけだ。
バブル期が終わった後もホンダは元気だった。今は当時とは変わってしっとり路線になったが、今も変わらず元気だ。SONYも頑張ってほしいですね。