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MACのFusion Drive・・・。

私はMACも含めてあまりパソコン市販機のスペックって見ないんだけど、たまたまネットの片隅に表示されたMACのモニター一体型の筐体スペックに「5K」というワードを見つけて
「へぇ・・・、パソコンはもうそんな解像度の所まで来たのか。」
と、思わずクリックして少しのぞいてみた。
1Kは1920×1080ドット。つまりハイビジョンとかフルHDとか言われている解像度の事で、最近テレビでよく見る4Kと言うのはその4倍の解像度3840×2160ドットという事になります。5Kと言うのはその名の通り5倍の解像度で5120×2880ドットという解像度になるようだ。あまりピンと来ないかも知れないので、デジカメの解像度に例えて言うと、5120×2880をそのまま電卓で叩くと14745600ドットになる。1メガは100万なので、その数字で割ると約14.8メガ。つまり1500万画素のデジカメと同等の解像度を持っているという事になります。現在のデジカメは5000万画素オーバーの物を筆頭に、大体レギュラーなカメラは2000万画素位ありますから、5Kの解像度を持ってしても、まだパソコンのモニターの方が少し縮小して見る・・・という事になります。ちなみに解像度が上がると、それだけ高精細・・・つまり細かい描写や色再現が可能になりますので、例えば同じ1670万色で写真を表示したとしても、1Kよりも5Kの方がより鮮明でグラデーションなんかも綺麗に見えます。という感じかな。
最終的には日本では8Kまでやる事になっているそうです。NHKはスーパーハイビジョンとか言ってます。解像度は7680×4320ドットに達し、要するに3300万画素という、今で言うD810のスチル画像が動画になるみたいな・・・。ここまで来ると大抵のスタンダードなデジカメの解像度を超えていると思うので、動画で撮って静止画を切り出した方が高精細という事になり、写真撮影その物が変わる・・・という話は以前に語ってみた通りです。
しかしなぜ4Kすらおぼつかないのに、日本は国を挙げて8Kまでがんばろうとするのか?
その理由は実は単純明快で、1Kの世界テレビ合戦に日本の家電業界が負けたからです。ならば4Kの更に倍、8Kまでやったったら、さすがにお隣や中近東のお国の方達の技術力ではついてこれまいて・・・という事です。要するに真似っ子出来ないほどの圧倒的な技術力を必要とする映像市場を生み出せば、技術大国ニッポンの復権も夢ではなかろうという魂胆であります。
果たしてそうですかね?
真似っ子が得意な技術国は、どこまで行っても真似っ子がウマいもんだと思うのですが・・・。5Kモニターだって真似っ子どころかDELLが最初だったしね・・・。
まぁがんばって。
8Kのテレビどころか4Kでも不要だと思っている小生には、今の所全く関係ない話であります。まぁ、その話はまた今度・・・。
 
でよ。
もう一つ気になったのが「Fusion Drive」っていう物。
SSDとHDDのいいとこ取りなんて書いてあるから、やたら壊れやすいハイブリッドHDDの事かと思ったら、SSDとHDDの両方をパソコンに搭載して、RAIDよろしくコントローラーで制御した揚げ句、あたかも一つのドライブとして扱う技術・・・と言う事らしい。ここまでなら以前からWindowsサーバー系OSにもコンバインというRAID設定があって、これは2個以上のHDDを連結(コンバイン)して、1つの大容量HDDとして使用できるものがあったのだが、MACのそれはもう少し進んでいて、使用頻度の高いデータは高速なSSDへ、大容量を必要とするデータは大容量のHDDへ自動的に学習機能を持ったコントローラが振り分けて保存してくれるそうだ。
これによって普段の動作では3倍以上、起動に関しては1.7倍で動作する。らしいのじゃ!
 
これがMACユーザーの間では画期的・・・らしい・・・。
 
・・・・・・・・・・・・。
 
サクッと言いますと、私はこの機能は使いたくないです。
別にパソコン様にデータを自動で振り分けて保存もして欲しくないです。自分で作ったデータは自分で思った所に保存しますし、システムもデータも自分でバックアップを行います。
だって、SSDもHDDも寿命がある物だし、強いては機械の事。10年以上使っていてノートラブルという方は単に運が良いだけで、基本的に機械は壊れる物だ。
その時になって、自分のデータが機械任せでSSD、HDDのどちらに保存されているのかも分からないなんて愚の骨頂だし、ましてや購入店やメーカーに「どないしてくれんねん!」なんて怒鳴り込むやつはもっと低レベルなバカユーザーだ。
 
パソコンとはデータを作り出す機械なり。
 
そのデータは自分で能動的に保存し、管理してこそ自分のデータであると言える。壊れてから慌てるなどアホのする事だ。しかし、そのアホを地で踊らせてしまうかも知れないのがこのFusion Driveという機能のような気がするのだ。
私はかなり昔にテストを行い、先述のWindowsのコンバインは使い物にならない機能である事を知っている。なぜなら、連結したはいいが、どれか一つHDDが破損したら、他の健康なHDDのデータも取り出せなくなるからだ。それを証拠にそのRAID機能を使っている人など見た事はないし優れているといった人にも会った事がない。これが現実。
MACのFusion DriveもかつてのWindowsのコンバインと基本は全く同じでSSD、HDDのいずれかが破損した時点で、その両方のデータが取り出せなくなる。バックアップを取っていない諸氏は、片方のSSDかHDDからデータを見る事が出来るかを散々試した揚げ句、最後はデータ復旧業者を頼れるかどうかの道を探ると思うが、現在は多くの復旧業者が無理と回答するんじゃないかな。RAID0やRAID5等は、何とか復旧もしてくるようだが、MACのFusion Driveは未知の部分が多いだろうし、ましてや暗号化などしていた日には、絶対に無理です。またSSDは破損した多くの場合、復旧できないのが常だ。だから有名メーカーのSSDには寿命を見る事が出来る専用ツールが提供されているのだ。
私ならシステム用SSDとデータ用HDDは別個に使うようにします。私はWindowsユーザーですが、実際に今もそのように設定して使用しておりますです。
 
パソコンのデータを守る概念は昔も今も変わりません。
どこまで転ばぬ先の杖を用意しておけるか・・・。
という事につきます。
 
あともう一つ。
バックアップとは、データを2カ所以上の場所に保存する事を言います。外付けのハードディスクを買って、パソコンのデータを「移動」して「外付けにバックアップしたから安心」と言っているそこのあなた。外付けのHDDが壊れたらどないするねん?