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フィルムをデジタル化する。

先日、我が家のデッドゾーンから大昔に私が撮った写真のネガが大量に発掘された。そう言えば、箱に詰めて婿入りし、そのまんまにしてましたな…。家内曰く、うちが何度か箱を変えてるよ…。あ、ありがとうございますだ。それもそのはず、デッドゾーンになおし込んだらしいのは、もうかれこれ20年以上も昔の話で、中に入っているネガは、もはや私がカメラを趣味にしていたかどうかも怪しい程昔のものだ。つまり高校生の頃に、理屈とか考えずに適当に撮っていた頃の写真。あの頃から動く相手が好きなのと、電気機関車が好きだったので、ブルートレイン全盛期でもあり、北摂という地の利を生かして、よく有名な撮影地になっているらしいレール際に撮りに行ったものだった。
余談だが、大阪発九州行きの寝台特急は、有名撮影地である高槻-山崎間では撮影出来ないと思われがちだが、車両は大阪駅から向日町運転所に回送されるので、朝と夕方にそのまんまの姿で撮影が出来たのだ。ヘッドマークが復活する以前は、後尾のサインが「ゆうづる」とか「かもめ」とか、あり得ない表示になっていた事もよくあったものだ。こんな事は鉄ちゃんと呼ばれる人は、当たり前のように知っている事だったが、知らないと勿体ないブルトレの大通りだったというわけですな。
ちなみに現代最後のブルトレ、トワイライトエクスプレスは新大阪の横にある宮原に待機するので、回送は見られない。でも、上下列車が向日町辺りで交差するダイヤになっているので、運行日のお昼位に、往復ビンタで撮影が可能という、やっぱりこの区間は今も神が住んでいる程に恵まれた立地と言えるのでしょうね。

さて本題。
せっかく発掘されたネガなので、めぼしいコマをデジタル化したくなった。と言う訳で、ルーペはぶっ壊れたD7000で使っていた液晶ルーペを使い、バックライトはネットで買って…って言うのは無駄遣い。いやぁ、今は便利ですなぁ。なんとアンドロイドタブレットにバックライトのアプリがあって、それが代役になってくれました。7インチという大きさが絶妙です。(^^)
そうやってネガを見てゆくと、色々と懐かしい場面があり、古い記憶が蘇ってくる。そしてやはり、デジタル化してみたいコマが幾つか出てくる事に…。さて、問題はどうやってデジタル化するかですね。
ネガをデジタル化するには幾つかの方法がある。大まかには以下の通り。

①ネガシートに○印を付けて、お店に持って行ってCDにしてもらう。
②フィルムスキャナを購入してデジタル化する。
③一旦プリントに出して、光学スキャナでデジタル化する。
④一旦プリントに出して、デジカメでそれを複写する。
⑤やっぱりあきらめる。

と言う感じ。
①に近いほど、綺麗なデジタルデータが出来上がってくると考えて良いだろう。何と言ってもお店のデータ変換はやはり綺麗なようだ。今更スキャン技術を習得する必要も無く、面倒な事は何でも金で解決するタイプの方にはお奨めだ。批判ではなくてホントの話。でも私はこれは敬遠しました。だってデュープの方法を知っているから。正確には金もらってやっていた方だったから…。
と言う訳で②以降が選択肢になるのだが、私は②が一番お奨めだと思う。フィルムスキャナ機能付きのスキャナ一体のプリンターを購入していたら、もう悩む事なく②に決定した方が良いだろう。
③はお手軽だが、一度紙焼きを起こすというコストが掛かるのと、出来上がるデジタル画像は何か眠くて、階調もなくてイマイチだ。④は複写台を使うなら良いと思うが、一般のご家庭にはまずその設備はないだろう。あったとしたら余程のマニアかアホだと思う。だって、趣味の領域の撮影機材じゃないよ…。どっちかというと医療機器なのよ?プロ用は下のバックライトのサイズは、レントゲンのサイズに合せて出来てたりする。だって、元々複写台はそれ用にあった物だから…。一般用はとてもではないが使い物にならない。それと、磨り硝子ではなくてアンチニュートンガラスという透過はするが反射はしないという特殊なガラスが必要。更に露光計、四灯式のレフランプスタンドと500W×4のデイライトのランプ。デジカメには「50mm~55mm」のレンズ。ズームはダメよ~ダメダメ。これだけ揃えてやっとまともな複写ができるのよ。ちなみに一般家庭の電源だと一発でヒューズが飛ぶので十万程かけてその工事も必要。全部揃えたら大体80万円位かな。ね?余程のマニアかアホだって言ったでしょ。だから④はあり得ないと思ってください。所詮複写は複写よ。壁に貼り付けて三脚使って、もっと簡単にやってますよ~と言う方の話はもういいです。そこそこの画像で楽しんでいる普通の方でしょうから、それはそれでOKです。ここでの話はデュープリケートという、フィルムスキャン並に、ほぼ同じ物を作り出すという事を前提にしたお話ですので…。

と言う訳で②だ。とにかくネガから直接デジタル化する方法を突き詰めないといけません。ネガには無限とも言える階調性があり、それだけの色や深みが刻み込まれているのだ。それをできるだけ引き出す方法…。
一番良いのは、恐らく①で使っているであろうフィルムスキャン専用機を購入する事だが専用機は高いし、もうほとんど生産もされていない感じだ。1万円前後で簡易的な物が多数販売されているようで、今はこれらを買って使うのが手間いらずで一番現実的と言えるかも知れない。
で、今更言うのもなんですが、私のプリンターってPM-A920なのよ。(笑)
CCDカメラタイプのなかなか優等生なフィルムスキャナ搭載だったりする。だからこれを使うんですけどね。(^^;
いずれにしても、専用機と違うのはセットしたネガに対して機械的に読み取ってゆくだけで、厳密なピント合わせをしてくれないので、ネガの位置(真ん中か端っこか)や、反り具合によってはどうにもならない結果になるという点と、やっぱりスキャンテクをある程度習得して慣れないといけないという事には変わりないです。昔のネガをデジタル化したら二度と使わない機能でもあるので、フィルムから直接読み取ってくれるだけでも感謝すべきだと、割り切っていきましょう。
ファイル 6-1.jpg ファイル 6-2.jpg

ファイル 6-3.jpg

と言う訳で、複写って多くを求めてはいけないという、戒めの混じったお話しでした。
凡そ30年ぶりにデジタル画になってパソコンで表示される事になった当時の写真ですが、とにかく退色が激しかった。読み取ったあとはPhotoshop等によるレタッチが必須でした。ピンボケに感じる物もありますが、スキャンの時にどうしてもピントが合わないネガがあって、これはしょうがないんですよね…。
それよりも久し振りにネガを見て思った。
今のデジカメは、「写す」と言う事に関して、半端ないほどに進化していますね。抜けや解像感はダントツですよ。最新のデジカメやレンズを捉まえて、解像感がどうのとかほざいてる輩は、一度フィルムカメラで撮影してみなさい。現代のカメラとレンズが如何に凄いかが理解出来ると思うよ。まじでデジカメ凄いです。あとは、メーカーがユーザーの求めるカメラ本体をちゃんと造る事だけですね。