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高感度が綺麗って言うけれど・・・。

最近の一眼レフのデジカメの話でよく見掛けるのが高感度の性能。新しいモデルが発売されると、ファンの間では必ずと言って良いほど高感度性能の話題が出る。当然、ISO800迄しか撮影できないカメラよりもISO6400まで撮影できるカメラの方が、被写体に対する撮影のバリエーションが増えるし、暗い場所での撮影においても、シャッター速度を速くして、被写体の動きを止めたりと言った芸当も可能になるわけだけど・・・。
で、ネットでよく見掛けるのがISO5000でも全然実用範囲だ!とか、ISO6400でも問題ない・・・等というお言葉。しかも撮影例まで掲載してくれているから分り易い。それを見ると本当に綺麗に写っていると思う。私のパソコンの画面では・・・。
私はD7000を今も使っておりますが、このカメラの場合はISO1600までは実用範囲だ!などと今もって言う人がいます。確かに、撮影例を見ると、そんな風に見えます。私のパソコンの画面では・・・。
しかし、更に上のフラグシップ機まで含めて言わせて戴きますと、なんか詐欺臭い言い回しなんだよね。実際D7000でISO1600なんて私の主観で申し訳ないが、荒れ荒れでとても人様に出せるような画質ではない。少なくとも結婚式や一世一代のライブの撮影を頼まれてホイホイと設定するようなISOではない。やれるもんならやってみぃと言う感じだ。
ファイル 57-1.jpg
ISO5000とかISO6400とかが綺麗に見えるのは、暗い場所ではあるが、割と明るくて被写体にそれなりに満遍なく光が回っている状況下で撮影ができる場合だ。それを横幅1000px位まで縮小してウェブに掲載したら、そりゃ綺麗に見えるわな。
私が実用域だと思えるのは、結婚式だとスライドショーを見ている新郎新婦やライブハウスのスポット光が無い時のバックダンサーなどが、まるでフィルム時代のISO400辺りで撮影しているかのような画質の場合だ。これを実用域というのだ。
ファイル 57-2.jpg
しかし、暗がりの撮影でISOをグイッと上げると、どのようなカメラでもたちどころに月の表面のようにあばた面の写真になってしまう。ウェブに掲載するのなら誤魔化しようもあるが、A3辺りの写真にするとなると、まず誤魔化しが利かない。ど素人相手なら「まぁ綺麗!!」と喜んでもくれようが、ちょっと写真を知っている者が見ると、「もうちょっと、どないかならんかね?」と苦言の一つもでてくるんじゃなかろうか?
曇天のシチュエーションなどで、スポーツ選手を撮影する場合などは使えるだろうが、月夜の撮影ともなると、やはりフラグシップクラスでもISO1600でもキツいんじゃないですかね?
どんなシチュエーションでもISO5000の設定でISO400のような写真が撮れるなら、それはそれは素晴らしいですけどね~。そんなカメラはISO100もISO3200も見分けが付かない程、綺麗なんでしょうね?ね?ね?
私はD7000で格闘技の撮影であってもISO500以上にした事はほぼ無いです。キツいです。所謂大三元レンズのようなF2.8の高価なレンズでも役に立ちません。キツいから単焦点F1.4やF1.8のレンズで光量を稼ぐんです。するとF2.8まで絞っても開放じゃないので写真が綺麗です。そうするとD7000でも雑誌に載っているような明るい写真が撮れます。紙焼きに起こす場合でも、デノイズだの何だのをしなくても、写真として担保された綺麗な写真が出来上がります。デノイズ処理をしていると輪郭がボケるのと、濃淡が無くなってのっぺりしますのですぐにわかります。
ファイル 57-3.jpg
結局はカメラマンとしての価値観の違いでしょうね。
ウェブ掲載が最終到達点と考えているカメラマンと、あくまで紙焼きが最終到達点と考えているカメラマンの考え方の相違と言うことになるのでしょう。そういうことにしておきましょう。
なぜこんな事を言い出したかと言いますと、nikonがD5とD500を出すから、んでもって世間様はやっぱり高感度性能がどうとかって言ってるから・・・。ISO5000でも常用と抜かす輩もいるので、その言葉、真に受け止めて実物を手にした際に見てやろうと思います。カメラにどんなに高精細高性能なモニターを搭載していようが、私にはわかりますよ~。

掲載写真はD7000+50mm/F1.4、ISO500にて撮影。
スポット光が当たっていない所や影になっている黒の部分を見ると、私にはISO500が限界。デノイズ処理をする事を前提にするとISO800~1000辺り。デノイズはカメラ設定でも外しているし、現像ソフト等でも極力しません。

いつも思います。

暗いところでゴソゴソチマチマときっつい撮影してないで、太陽光がガバッと当たった、明るいところで撮影すればいいのに・・・って。ww