記事一覧

前出の背面サイクルキャリアについて。

私の使用予定の背面サイクルキャリアという物について、2011年辺りをピーク(?)にして合法だ、違法だという一般ピーポーレベルでの話が行われているようだ。
背面サイクルキャリアを是としない方々は違法だと言葉を一つ覚えた九官鳥のように叫び続けているのは2015年秋の現在でも変わらない。で、更にその中の一部の人間はこう言うのだ。

「だから私はルーフキャリアに自転車を積んでいます。」

と。
違法、合法の話はあれど、車のテッペンに自転車をそのまんま積んで走っている車が、高さ制限の厳しい所をうっかり潜ってしまい、天井がめくれ上がるほどの事故を起こして、更に車道を渋滞させ、ヘタをしたら周囲の人間にも破片で怪我をさせるような運搬方法は、私的にはモラルの問題で黒ではないかと憎まれ口も叩きたくなってくる。

「そんな迂闊なヤツは、ルーフキャリア派にはいねぇよ。」

と、やり返してきそうなので言っておこう。
実際にいるんだよ。うちの近所のトンネル(制限180cm)で、そういうのを何回見た事か。SUV車ならスキーキャリアでさえ引っかかる高さで、迂闊にも潜っちゃってどえらい事になったヤツも見たし、車体が歪んで車内から脱出出来なくなり、レスキュー隊まで駆けつけた事例もあります。合法だという前に人に迷惑掛けてんじゃねぇよ。と当然の事を言いたい。と、ここまで言うと、

「それでも、背面キャリアは違法だ!」

と、ヒステリックに金切り声で言ってきそうですね。(笑)
こいつらの言う違法論の根拠というのは道路交通法にある「車検証記載の全長の10%を超える積載をしてはいけません。」という一文。つまり、背面にサイクルキャリアを取り付けて自転車を積むとどうしても50~60cm前後全長が伸びてしまう。しかし日本の自家用車は車検証やカタログを見ると分かるが、大体は5mに満たない全長となっている訳でして、5,60cmの伸びしろを持っている車となると、あの長ーいリムジンクラスの車くらいになってしまうのだ。ちなみに私のファンカーゴだと3.88mしかない。つまり38.8cmしか伸びしろはない事になる。さすがにサイクルキャリアを広げただけでオーバーしてしまうわけよ(笑)。

「人に迷惑という以前に違法は完全にアウトだろ!」

というお声が飛んできそうですね。憎まれ口の後なので一層の勢いがありそうだ。唾気まで飛んできそうです。(^_^;)

なので、伝家の宝刀を抜いてしまいましょう。

2011年を遡る事16年。1995年に日米包括経済協議と言うのが行われておりまして。この議題の中でアメリカ様は日本の自動車部品の規制に関して物言いをしております。

「お前らの国の自動車部品の規制は厳しすぎるんじゃ。しかも幾らでも拡大解釈も可能なようにしてある。これじゃあ我々の作った素晴らしく便利なアメリカン部品が輸出できひんやないか。お前らジャップはうどん屋の釜(湯ばっかり=言うばかり)か?ちょっとは考えてケツかれや。」

というような事を言われまして、日本側はこれを了承(笑)。
早速の11月16日付で自動車交通局長から「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて」という内容で各運輸局長宛に依命通達がされました。
結構長く自動車部品全般に渡るややこしい内容なので、背面サイクルキャリアに関する事で、ざっくりと申し上げますと、

「簡易的に取付け取外しができるような物なら、構造変更届けや運送許可は不要とし、運用上危険を招いたり、運転に支障が出たり、ナンバーやランプ類などの視認性を損なわなければ多少車長が長くなったり車幅が増えたりしてもOKという事にしましょう。」

というものです。
背面サイクルキャリアはお手々で簡易的に取付け取外しができますね?溶接やリベットなどの恒久的な取付はしませんよね?
つまり、そう言う事です。
ただ、道交法上では1.1倍までという数値があるのに対し、この通達では具体的な数値表現がない為、「常識の範囲内」という解釈になるのでグレーゾーンという事になってしまいます。まぁ役人の仕事で出した通達で立法府からの施行令ではないので、それはしょうがないですが、それでも尚

「役人の通達よりも法律の方が格上だから違法だ!」

と食い下がってくる何て言うのか・・・もう、面倒臭いを通り越して表現のしようが無い「ヤカラ」も出てきそうなので、最後に言っておきます。この通達の根拠になっているのは日米包括経済協議での両国の調印です。国家間の合意事項は条約に準ずる物であり、これは日本国憲法よりも優先します。つまり憲法よりも格下の、しかも特別法である下の下の道交法という法律なんて、ウンコのようなもんなんです。国家間の合意事項を無視した国内判決をしている国って言ったらあんた、お隣の・・・まぁこれ以上は言わないでおきましょう。

ちなみにグレーゾーンなのと、国家間合意というあまりにも高次元な成文律が元になっている為、周知していない現場のペーペーな警察官もいる為、停止をさせられて有難いお説教をされる事もございます。これは日本の免許証が、条約によって実はオーストラリアでも国際免許無しでそのまま通用するという事実があっても、オージーの田舎警官はそれを知らずに取り締まってしまう事実があるというのと同じ事です。それが嫌で結局国際免許を取得してオーストラリアに出かけるという人もいますよね。最終的には処分は「取り消し」をされるんでしょうね。取り消しとは遡及効果があり、始めから処分その物が無かった事になる・・・というものです。日本の免許証もいい加減裏面なりに使える国を書くのと、英語併記をしろってんだよ。
つまり、グレーを黒に見えるか白に見えるかで、運用する側も取り締る側も対応がまちまちになっちゃうって事だよ。違法論者の皆さん、あなたたちの言う事も、あながち間違いでは無いという事ですよ。こんなもんで、振り上げた拳はおさめられますね?(笑)

ちなみに私はグレーは白に見えるので、背面サイクルキャリアは有難く使わせていただきます。本気で取り締ってくる警官に出くわした暁にはあらゆるコネクションを駆使して、

「ヘイジャップ!貴様らの調印は嘘っぱちか?可笑しな事やってっと国連の敵国条項を発動するぞ!お前らのケツにはいつでもミサイルをぶち込めるんだからな!」

と、アメリカ様がスラング込み込みで言ってくれるまで、オオゴトになるようにどこまでも努力したいと思います。だって、白黒ハッキリした方がいいじゃん?

ちなみに、ナンバーが一部または全部が見え隠れしちゃうとか、積んだ自転車の最下部が法定の最低地上高を下回ってしまうとか、ブレーキや方向ランプが隠れるとかは完全にアウトですので気を付けてくださいね。そこまでグレーゾーンって事は絶対に無いです。安全優先で常識に則った使用をしていたなら、私は警察に停められる事も無いと思います。実際にお暇な真夜中でも、私は停められませんでしたからね。
では、お気を付けあそばせ・・・。