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やっとできたので忘備録。

電源を落としてある自宅のパソコンを、手持ちのiPhoneをちょちょっと操作して、遠隔操作で電源を入れられたら便利だよなぁ…。なんて事を以前から考えておりまして、過去に幾度となくチャレンジしていますが、購入するメイン基板側のBIOSにその機能が備わっていないのか、LANカードにその機能が設定出来なかったのか、ルーターにその機能が無かったのか、噂には出来るとは聞いていたものの、とにかくまともに出来た試しがなかった。
当時はWindowsXpだったので、スリープか休止モードにした状態、つまりS3ステートと呼ばれる状態からの復帰が主流であったが、私がやりたかったのは完全に電源を切った状態、S5ステートからの復帰だった。当時は特別にそう言う機能を付けたメーカー製PCの一部でできるだけと言われており、しょうが無いのでS3からの復帰で我慢していたのだが、ルーターを変えたら、なぜか勝手に復帰するようになってしまい、何をどうやってもS3すら維持する事が出来なくなってしまった。まぁ私の無知という事もあったんですが…。
以来、泣く泣くS3復帰も諦めて、電源を入れる際はいちいち家族に電話して「電源入れて…」とお願いするという、何ともアナログな事を数年間のいままでやってきた訳ですが…。

で、
気が付けばパソコンのハードウェアは数世代新しくなっているし、WindowsもXPから7になり、S5からの復帰も当たり前のように装備されているという話だ。調べてみると私の使っているパソコンも当然の事ながら対応しているとの事だった。おーー。やるじゃん。
そんな訳で、数年振りに重い腰を上げて、この度徹底的にS5ステートからのWake on LAN の設定を追い込んでみた所、何とこれがめでたく上手くいったので、ここに忘備録として書き記しておく事にした。正直言って電源を完全に切った状態から、iPhoneの操作でフワンっと起動するのは面白い。これが地球の裏側からでも出来るのかと思うと、ちょっとワクワクします。

さて、その方法ですが、今回やった部分だけ書いてゆきます。
なお、iPhoneからWoLをやる場合は、対応したルーターが必要になりますので、その点だけ注意です。
それと、「BIOSって何?」っていう方はもう自力は諦めよう。そこまで説明してらんない。

<LANの設定編>
Intel 82579V Gigabit Network Connection というASUSのZ68v PROというメイン基板に埋め込まれているLANです。
デスクトップ上の「ネットワーク」アイコンを右クリックから、
「プロパティ」→「アダプター設定の変更」と進んで82579Vの文字がある「ローカルエリア接続」を右クリックし、「プロパティ」→「構成」ボタン→「電力の管理」と進む。
上段の節電オプションは「システムのアイドル中に…」っていうのだけチェックをはずす。
下段は「Wake on Magic Packet」「電源オフ状態からのWake on Magic Packet」にのみチェックを入れる。ちなみに「Wake on Pattern Match」にチェックが入っていると、スリープで勝手に復帰してしまうので要注意だ。その症状に悩まされている人はここを触ってみよう。
ファイル 39-1.jpg
これ以外のLANカードの場合もWoLの項目はONの方向にチェックを入れてみよう。ここではS5からの復帰を是としているので、色々と試せるはずだ。
なお、「詳細」タブに「このデバイスを使って…」っていう項目がある場合は、そこもチェックをしておこう。
これでLANの準備は完了。

<BIOS編>
次はBIOSの設定だ。
再起動してDeleteかF2の連打でBIOSに入ったらPower Managementの項目に入りましょう。メーカー製PCや某激安PCの場合はBIOSからオイシイ項目がさっぱり省かれている場合が多々ございますので、その場合は激安品に手に付けてしまった自分を怨むか、素直に自作PCに挑戦してください。BIOSはそのパソコンの基本機能を設定する物なので、正直言うとBIOSをいじられるのは面白くないと言うのが正直な所だからしょうがないんですよ。項目があってもBIOSを弄った瞬間に保証が無くなる場合もあるから気を付けてね。
Power ManagementやPMEと言った項目の中に「Power On By PCI」と「Power On By PCIE」という項目を見つけよう。言葉は違えど要は「パワーオンにPCI(E)を使う」という項目を「Enable」に切り替えます。
「俺はLANにPCIやPCIEは使ってないぜ」
という場合でも、この2つの項目は必ずEnableにしてください。追求すると先に進めないので、あまり深く考えなくていいです。
これでBIOSの設定も終了です。

ここまでの設定が終わり、正常に機能していたならLAN内限定ではあるがWake on LANが働くはずだ。
iPhoneを同じWi-Fiで同じLAN内に参加させ、WoLの適当なアプリを入れて設定をして試してみよう。電源を切った状態から復帰した瞬間は鳥肌ものだろう?笑

さて残るはiPhoneが4G回線などLAN外にいるところからWoLを命令し自宅のPCを復帰させる設定だ。インターネット越しのWoLは実はややこしい。私は長年ここで引っかかっていたと言っても過言ではない。そりゃ設定ができないルーターだったんだから当たり前ですね。ネット接続はPPPoEであること。PPTPサーバーの接続ができること。DDNSができること。これら3つが条件になります。
私は戸建てのeonetギガ契約に、バッファローのWZR-450HPを使っています。
要するにパソコンをたたき起こすためのMagic Packetというのは、ルーターやサーバーなどのゲートウェイを越えることは至難の業なんですね。だからルーターにVPNという方法で接続してバーチャルな同一LAN内にiPhoneとルーターがいるようにし、ルーターに入り込んでMagic Packetをルーターから発信すれば、理屈は自宅パソコンの同一LAN内から発信したことになる…という理屈です。ややこしいですね~。笑

<ルーター編>
ルーターに入ってください。DDNSの項目に更新の設定します。私はDyndnsを使いました。なんと私は有料のVIP会員ですので…。
これで、ルーターはサイバー空間の住所不定じゃなくなりました。次にPPTPサーバーの設定をします。
PPTPを使用するにチェックを入れます。サーバーIPアドレス、クライアントIPアドレス、DNSサーバーのIPアドレスは私はすべて自動でいけました。もし自動ではIPがかぶってしまって旨くない場合は、適宜変えましょう。WINSサーバーは空欄です。
次にPPTP接続のユーザーを設定します。適当なお名前とパスワードを設定してください。この名前とパスワードはiPhoneで設定します。設定が終わったらルーターに焼き付けて終了です。

<iPhone設定編>
最後です。疲れましたね…。私はiPhone6なので、5や4の人は適当に読み替えてくださいね。
iPhoneの画面から「設定」→「一般」→「VPN」→「VPN構成を追加」に入ります。
「PPTP」を押します。
「説明」・・・自宅パソコンとかわかりやすい名前を入れます。
「サーバ」・・・DDNSのアドレスを入れます。
「アカウント」・・・ルーターのPPTPに設定した名前を入れます。
「RSA SecurID」・・・OFF
「パスワード」・・・ルーターのPPTPに設定したパスワードを入れます。

これでOKです。VPNの設定を保存してください。
iPhoneの設定項目にある「VPN」のスイッチをON側に切り替えます。うまくいくと上の「4G」の横に「VPN」という、多くの方が見た事もない囲い付きの表示が出ます。これで準備はOK。外にいるのに自宅のルーターとはサーバー的に同じ空間に入ったことになります。不思議でしょ。
Safariを立ち上げて、ルーターのローカルIPを入力してください。何度も言いますがサイバー的に同一空間にいるのでグローバルIPじゃなくてローカルIPでOKなんです。192.168.1.1とか192.168.24.1とかだと思うのでとにかく入れましょう。するとルーターに入るための認証画面が出るはずです。いつものように認証して入ってください。PPTPで設定したユーザー名とパスワードを入れるような間抜けな事はしないように。
私の場合はBuffaloなので、TOP画面の下にある「ネットワークサービス一覧を表示」を押すと私のPC名とWoLのボタンが現れます。
そのボタンを押すと、晴れてMagic Packetが飛んでPCが起動します。あー疲れた。