5年程前から探し続けていた桜が、福島県田村市にある小沢の桜であると今年の初頭に分かり、その時から福島への桜の撮影行を決めていました。福島県は桜の数では奈良県に次ぐ第二位という程、桜の数が多い地域で特に三春町、田村市周辺にそれは集中するようだ。まぁ福島での撮影話は他に譲るとして、今回は私がいつも地元で追いかける桜吹雪について。
今年は地元北摂では桜の満開時期から終盤にかけて菜種梅雨の長雨に遭い、桜吹雪らしい桜吹雪を見る事は出来なかった。地域によってはそれっぽい物もあったようでネットでも散見される。長雨の時期と外れた所では見事な桜吹雪が見られた事だろう、それはそれで羨ましい限りだ。
桜が花びらを散らす兆候は、満開になった後、花の真ん中が濃い赤色に変色してくるところ。大体満開から4日~5日後位だろうか。この辺りから桜は花びらを散らし始める。この時期を見逃さないようにすれば大体は見事な桜吹雪をカメラに収める事が出来る。
たま~にネットや展覧会で見掛けるが、もう枝に花が5割程度しか残っていない桜を背景に花吹雪を撮影している方がおられるが、申し訳ないが私の言う桜吹雪はそう言うのでは無いんです。満開の状態から突風などを受けて一斉に花びらが舞う様を「桜吹雪」と言っていますので、そこんとこシクヨロで。
だから、花びらが舞い始めて、いいとこ2日目位までが桜吹雪かな。だから兆候だけ掴んでいても撮影は難しいのだ。花がオンボロになった桜の花吹雪は、私に言わせると時期を逃した残念賞なんですよ。とにかく花は満開(に見える)状態が必須です。
それと天候。これは背景になる訳ですが、舞う花びらはとても小さいのでどん曇の空だと白on白になって空中の花びらが殆ど見えなくなって迫力が無くなってしまいます。こういう場合は空が入らない見下ろしで見られる桜(特に水際)を狙うと良いのですが、そう言う桜ってなかなかないんですよね~。とにかく青空がベスト。日光に花びらが光ってブルーバックだと舞い散る花びらがキラキラととても綺麗に写ります。
上記の条件が揃うと、後は気まぐれに吹いてくる突風を待つばかりですね。これがなかなかもどかしいんですけどね~。
ちなみに常時ビュービュー風が吹き荒れると言うのは多分ダメです。私も経験有りですが、この場合は弱い花びらが片っ端から飛んで行くのでワッとした花吹雪にはなりません。たくさんの花びらが一斉に舞い散る為には突風が必要なんです。
最後に、一本桜の花吹雪は説得力が弱くなると思います。1本の桜から舞い散る花びらの数は大した数ではありませんし、花びらは本当に小さいので、その桜と同じ距離で舞われてもホコリ程度にしか見えません。つまり、風上にたくさんの桜林や並木があるとか、早咲きの桜が散らした花びらが地面にたくさん落ちていて、地吹雪のように舞い上がるような状況が必要なんです。そうすると、花びらはカメラマンにも当たってくる程の近距離からターゲットの一本桜に至るまで満遍なく舞い散る状況になりますので、とても豪華な桜吹雪になります。この状況に出くわしたのは、私は埼玉の丸墓山古墳しかありません。しかしこれ程条件が揃うと、桜吹雪はとても印象深い物になります。
通常は、桜トンネルや桜並木、桜林を狙うのが良いと思います。幾つかの条件が重なる必要はありますが、桜トンネルなんかだと、そこにある桜だけで大量の花びらが散りますので、充分迫力のある写真になると思います。ただ、撮ってる人も多いけどね~。
以上のような条件が揃う年回りは余りありません。なにせ日本は3日に1回は雨が降る土地柄ですし、桜は花期がとても短いからです。だから桜吹雪は地元のごく近い場所で狙い続けるのが宜しいと思います。っていうか、遠征して撮れるなんて奇跡に近いですね。そんな物を狙うようなバカは私一人で充分です。(^^;
今年は空中に舞う桜吹雪は撮れませんでしたので、水面に浮かぶ花びらバックのインチキ桜吹雪の写真を挟み込んでみました。笑
1枚目の桜吹雪は、新潟の糸魚川付近で撮影した物です。地面の花びらと並木から舞う花びらで多少豪華になっています。