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またぞろ中途半端なカメラを・・・。

知らない間にニコン様のサイトにD5500とかいうカメラがラインナップされていた。発売は来月らしい。
ファミリー向けのカメラという感じですね。性能的には十分ではないでしょうか。こんなカメラを持ってガチで野鳥撮影現場に臨むような方は、余程腕に自信のある方なのだろうと推測する。でも、有利不利の問題であって撮れる時は撮れるからね。
で、ふと横を見るとまだD7100のお姿が・・・。(^^;
ニコン様もこのようなカメラをいつまでもDXのハイエンドだと豪語して売っているんですね~。
世間様の意見は概ね二分されているようですが、D7100とやらをD300sや7DmarkIIのような動体撮影用カメラとして見立てた場合、んなええカメラですかね?結構高い金出して買ったもんだから、手放しに誉めたい気持も分からなくもないが、正直に「使い物になりません」というレビューをしている方の方が私は好感が持てる。「最高のカメラだ!」と褒めちぎっているレビューの方は、どうも自分の失敗を他人にもさせてやりたいんじゃないかという悪意を感じてしまうのは私だけか・・・?

・運動会で我が子の決定的瞬間を撮ったやりたい。
・河原でカワセミなどの決定的瞬間を撮ってみたい。
・野鳥の塒立ちなど、連写使いまくりでいい場面を撮りたい。
・子供の写真で、刹那の瞬間のいい表情を連写で撮りたい。
・電車や飛行機を連写で撮影しまくって、1枚をより抜きたい。

なんていう方は、正直言ってD7100を買う位なら中古でD7000を買った方がストレスも少なく確実性は高まると断言します。D7000は嫌だという方は、その一つ前のD300sの方が確実に幸せになれます。それ以外のフィルムカメラのように1枚1枚を大事に撮りたい・・・という方は機能も新しいD7100を買った方が良いだろう。ニコン様も言ってたでしょ?D7100はD7000の後継機ではないと・・・。もう忘れましたか?

デジタルカメラでの動標撮影というのは連写を使いまくりで極端な話、1場面をパラパラ漫画のように連続撮影をして、その中からベストな1枚をより抜くというのがスタンダードな方法だと理解しよう。基本的に連写は36枚までが限界だったフィルム時代とは大きく変わった撮影スタイルだ。このスタイルを貫徹しようと思うと重要になってくるのがカメラの連写機能とAF追従機能の二つの機能。
カメラ本体に関しては、センサー性能と併せてこの3つの機能が進化していないと、最新モデルのカメラを購入する意味はほぼ無いと言って良い。センサーに関しては以前に話したのでここでは省くが、D7100の場合、AF追従に関しては誤差のような範囲でD7000よりも速くなったとかいうものの、連写性能では退化してしまっているという異質のカメラなのだ。
連写性能と言うと秒間に何枚の写真が撮れるかという連写枚数だけに目が行きがちだが、それはトーシロの浅はかな目算だ。重要なのは連続撮影コマ数という数値。これは何かというと、ちょっとデジカメ内部の話になってしまうが、デジカメはシャッターを押すとセンサーがデジタル化した画像データを造り出し、そのデータを記録先であるSDカードやCFカード等の記憶媒体に書き込もうとする。が、撮影は一瞬で終るが、記憶媒体に書き込むにはそれ相応の時間が掛かってしまうのである。これは画素数が大きくなればなるほど時間が掛かる事になる道理だ。
例えば1枚撮るごとに0.5秒の書き込み時間がかかるとすると、幾ら秒間4コマとかの連写機能があっても、結局は書き込み時間で「待ち時間」ができてしまい秒間2コマまでしか機能しない事になる。
そこで撮影直後の画像データを一時的に保管しておく高速に動作するメモリユニットをデジカメは持っていてこれをバッファメモリ、通称「バッファ」と呼んでいる。パソコンに詳しい人は「キャッシュ」と呼んでしまうかも知れませんね。どちらも同じような意味と思って構わないがここではバッファと呼ぶ事にします。
このバッファのお陰で、デジカメは撮影直後の画像データを一時的に待避させる事が出来るので、そのカメラが持つ秒間5コマとか10コマという高速な連写が可能になる訳ですが、しかし、このバッファも無限にある訳ではなく、メーカーの勝手なカメラのランク付けや位置づけなどによって微妙にバッファ容量が変えられています。特にニコン様の場合は、このバッファ容量が相対的に他のメーカーに較べて極端に少ない+訳の分からない自分ルールを張っているからユーザーにとっては困ったもんなのです。
連写を使いまくってバッファが一杯になると、カメラは撮像データの待避が出来なくなり、連写機能はバッファの空きを待ってからシャッターが切れる・・・という循環に入りますので、極端に連写速度が落ちます。私のD7000で大体秒間1~2コマ位でしょうか。
このバッファが一杯の状態になるまでの連写枚数の事を「連続撮影コマ数」とか「連続撮影可能枚数」と言います。これが大事なんです。
ハイアマチュアの方や、それを目指す方はほぼ14bit-ロスレスRAWのモードを使うと思うので、これを中心に言いますが、D7000では連写は6コマ/秒ですが、連続撮影可能枚数は10コマです。1.5秒ほど連写が効きます。はっきり言って短いし少ないです。一番速いSDカードを使ってもバッファの完全開放までに7秒ほどかかります。
それでも2~3連写のバースト撮影をしていると、それ程ストレスもないかなって感じです。でも少ないです。しかし、どんな設定をやっても10コマは約束してくれます。圧縮だと14bit、12bit共に11コマになります。長秒時ノイズ低減をすると9コマに減ります。
一方のD7100はと言いますと、連続撮影可能枚数は6コマになります。(笑)
秒間6コマの連写できっちり1秒でバッファフルです。14bit圧縮だと8コマで12bit圧縮だと9コマ。長秒時ノイズ除去とか色々と贅沢な事をやると最低の2コマまで落とす事ができます。(爆笑)
1.3倍クロップモードだとデータ数が減りますので8コマになります。14bit圧縮で11コマ、12bit圧縮だと14コマになります。

これで大体お分りだと思いますが、D7100の場合、幾ら連写機能があってもD7000よりも持続時間が短く、且つバッファ開放時間も約7秒とD7000とあまり変わらないので、決定的瞬間をバッファフルの硬直時間によって逃してしまう確率が格段に高くなってしまうのです。D7100では、ほぼ12bit圧縮かJPEGでの撮影で、要約人並みのデジカメ撮影スタイルを持つ事が出来る・・・という感じです。
だから、動標主体の方は中古でD7000かD300sの方が安いし実用性も高いよっていう結論になるんです。
D7100をべた誉めしているレビュアーには、何か悪意を感じる・・・と言うのは、ここら辺の事情をあまり書かずにサラリと流しているからだ。私も実はD7100を現場で使わせて貰った事があります。正直言って二度と使いたくないデジカメナンバー1です。はっきり言ってフィルム機も併せてもクソカメラNo1ですね。
ニコン様は、何を考えて今もD7100を掲載誌続けているんだろう・・・って考え込んでしまいます。次はちゃんとしたもん作れよな。でも自分ルールでDX機の秒間7コマ以上は御法度なんだろうけど・・・。