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SIGMA 70-200mm/F2.8 DG OS HSM Sports が届きました。

タイトルの通りです。
初の大三元系レンズです。
ファイル 218-1.jpg

目方はズッシリと来る1.8kg。D810が980gですので、これを付けるとざっと3kgです。自衛隊制式の89式や20式小銃が3.5kgですので、あれよりも少し軽い程度の物を、彼らと同じように振り回してシャッターを押すことになります。ちなみに私の時代は64式だったので4.4kgあったんですね。あの重さを知っているからか、3kg台って言うだけで、案外苦にならない自分がいるんですよね。あ、もう言ってしまいます。
私、元陸上自衛官の一般施設手です。地雷埋めたり塹壕掘ったり、有刺鉄線で柵を作ったりしてました。まぁ、もう霞んで見えない位に昔の話なんですけどね。でも今でも舫い結びとか数秒で出来ますよ~。ハイ~~!!(笑)
ちなみに元自のお笑い芸人・やす子さんが来ている迷彩服の柄は、私が在籍していた時の物とは違って新しい柄です。昔のはもっと大雑把で白っぽい色も含まれていましたので、割かし見つかりやすかった気がします。ヘリから見下ろすと丸わかりでしたね(笑)。普段の訓練とかでは緑色(OD色と言います)一色の戦闘服を着るのが常で、迷彩服を着るのは大規模演習の時くらいかな。
だから、山行に行く服装も山行用と言うよりも軍用の装備品を身に付けたくなるんですよね。しかし民生品はとにかく軽いですよね。スマートで伸縮性もあって機能的な感じがします。しかし、私にはどこか頼りなく見えるんです。枝に引っかけたら破れそうとか、滑落後は裸同然になるんじゃないかとか想像してしまいます。一方の軍用品や準拠品になると重いです。そして厳ついです。メリットは山行専用品に比べると安い事くらいかな。そして何と言っても丈夫です。多少枝が引っかかろうが、岩肌に擦れようが、それがどうしたって感じです。靴底も深く角張っていてガシガシ歩けます。しかし重いです。私は米軍のECWCSと言うシステム品を(ある程度)買い揃えていて、これは色々な服装を組み合わせる事によって、Level1~7までの組み合わせがあり、最大で氷点下54℃までの極寒にまで対応できるようになっています。最近、マシュマロコートと呼ばれるLevel7の上着を買いましたので、晴れて氷点下54℃まで対応出来るようになりました。とにかくゆったりしているので、カメラや小さなリュックや鞄を下げた状態でも、上からガバッと着ることが出来ます。これが軍用品と民生品の違うところですね。昔の某刑事ドラマで青島刑事が着ていたM-51パーカーも同じでゆったりと大きく作られているのは、装備品を付けた上から着る事を想定しているからなんですね。あれを着た上からリュックを背負うのではなくて、リュックを背負った状態からM-51を着るのが本当は正解なんです。でも背虫男みたいになるんですけどね。( ̄。 ̄;)
 
とまぁ、そんな訳で話を元に戻します。σ(^◇^;)
実はこういう重量級の長物レンズを付けたカメラを持つと、嫌でも当時の事を思い出してしまうんですよね。すいません。
シグマというメーカーは、昔はタムロンと共に学生レンズと異名を取っていたほどに、写りは程々で、とにかく安かったので写真部在籍の学生さんによく普及していたレンズなんですね。当時の私はキヤノンAE-1を使っていましたが、当時、東京方面に行った際に東海大相模の写真部からお借りしていたレンズはタムロン製の200mm単望遠と秒間2コマのワインダーでした。これで結構色々と撮影しましたね。大阪では友人にキヤノンの100-300mmを借りていましたけど・・・(自分では買わないという)。
しかし、今のシグマは違いますね。APOが出てきた辺りからグンと良くなってきたのですが、特にArt、Contemporary、Sportsの3つに分類してレンズ製作にコダワリを持ってからのシグマレンズの性能は昔とはレベチとなっています。私にはこれを見たタムロンにもケツに火が付いたように見えます。シグマは内製(国内生産)にコダわっていて全てのレンズが純粋な日本製です。それと、現在は写り優先を徹底してレンズを製作しており、その為なら多少の重量増や鏡筒が太くなって大型になってもそれが答えです・・・みたいな性格になっています。なので、この70-200mm/F2.8レンズを取って見ても、ニコンとタムロンは絞り羽9枚、フィルターサイズ77mmだったりと大きさや太さ、重さも約1.4kgとほぼ同じような仕様となっています。タムロンだけが少し寄れるレンズになっている位でしょうか。
しかしシグマは違います。レンズ構成枚数は22群24枚で最多。絞り羽も11枚。最大径は94.2mmでフィルター径は82mmと、多の同系レンズを全く意に介していない重くて太い仕様となっております(笑)。
「レンズ専門(でもないけど)のメーカーが、写りに妥協してどないすんねん」
と言ってのけているかのような圧巻の仕様でございます。私的には
「写りは保証します。でも重いとか太いって言うなら使ってもらわなくて結構です。」
と、きっぱりと言い切っているように思える、潔ささえ感じるレンズです。こういう感じ、好きなんだよね~。ちなみにシグマは50mm/F1.4単焦点という、一眼レフ機にとってはまず最初に手にするような標準中の標準とも言うべきレンズでも妥協無しの造りで10万円オーバーの物をリリースしてくるようなレンズメーカーさんです。だから迷わずこのレンズを選んだ訳です。シグマさん、応援していますよ~。
まぁ、私がシグマを好むのは何度も書きましたが、昔から、特にAPOシリーズ以降はパープルフリンジが出ないからです。あのデジタル特有の軸上色収差だけは許せません。タムロンもニコンも出ていましたがシグマは出ませんでした。「今は」とかは関係ありません。これが全てです。だからシグマレンズを私は信用するのです。
ファイル 218-2.jpg

少し、試写をしてみましたが、周辺まで綺麗に解像されています。一般的にはレンズの径が大きくなるほど被写界深度は狭くシビアになり扱いが難しくなります。そう言う意味ではAFの速度など不利になる点が多いのですが、実際はあまり気になりません。
ハード面でもズームリングもピントリングも適度な重さがあって扱いやすいと思いました。さすがは大三元に挑むレンズだけの事はあります。一番気に入ったのはカメラを構えてレンズを持った時に親指の位置に来るファンクションボタンです。シグマのUSBドックで色んな機能の割り当てが出来るボタンで、縦位置にした場合でも対応できるように2カ所に設えられています。
ファイル 218-3.jpg
今はAFボタンとして割り付けているのですが、これがとてつもなく便利です。よくぞこのボタンを付けてくれましたという感じですね。他にもAFや手ブレ補正の入切等が割り当てられるようですが、私的にはAFがとても有り難いです。普段は全くしない撮り鉄ですが、このボタンのお陰で手持ち撮影がしたくなりました。
さて、3.5kgとなるこのシステム。私は往年のように振り回して撮影が出来るのでありましょうか・・・。
その答えは、次回の講釈で。