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動き物をスムーズに動画撮影する。

最初に言っておきますが、私は動画は実は専門外です。ずーっとスチル写真をやってきていますし、写真の方が性に合っているという部分もあります。が、DJIのRS3などと言う身の丈に合わない物を買ってしまったがために、今頃になってボチボチとD500(RS3対応カメラです)を使っての動画撮影を始めております。
動画と静止画、同じ事を言ってるのに用語が違ったり、動画には動画の世界のセオリーがあったりと、今更ながらにへぇ~とかほぉ~とか思わされる事が頻りでございます。
で、折角のDJIの最新ジンバルを手にしたのだから、差し当たっての目標を作りました。それは、飛行機をスムーズに動画撮影する事ですね。動画玄人にはアホみたいな簡単な事かも知れませんが、初心者には割かし身の程にあった被写体だったりします。

ところで、
私が初めてビデオカメラを手にしたのは、今からざっと35年程前で、会社の人にソニー製の8mmビデオカメラを中古で安く売って貰ったのが切っ掛けです。自分で撮った物が家庭用のテレビで手軽に再生出来た時は、何だかとても感動した覚えがあります。
その後ソニーが「パスポートサイズ」と銘打って、小型のビデオカメラ(CCD-TR55)を発売したのでそれを自力で購入しました。当時は小型と言うだけでファインダー像は白黒で8mmビデオカメラでしたが、このカメラは私の父も旅行好きでよく貸し出し、実に色んな所へ連れ出して撮影していた覚えがあります。その後、父がカラーファインダーのHi8ビデオカメラを購入するまで活躍しまくります(最後は中古屋に売りました)。しかし、今のようにアナログ8mm時代ですので「編集」となるとビデオデッキを用意して再生用のカメラとビデオデッキの間に文字を入れるタイトラーと効果音や音楽を入れるミキサーを挟んで手動で編集をしていました。編集機も売ってはいましたが高いばっかりで4場面までしか扱えなかったので友人と手動でやっていたのです。今思うと若くて体力もあったから完成までモチベーションを保てたのでしょうね。
父が亡くなった直後の15年前に同じソニーから発売になったハイビジョン対応のDVカセットのビデオカメラを購入して、要約パソコンでの取り込み&編集が実現し、完成までの手間暇が飛躍的に効率化される事になります。1440x1080の圧縮映像でしたが、デジタル特有のスッキリとして締りのある映像には感動した物です。編集は当時からAdobeのPremiere Proを使っておりました。当時はまだHi-Visionでの編集や書き出しはパソコンのスペック上、非常に時間がかかる時代でしたので、書き出しは横長のDVD規格の映像までだったのです。それでもデジタル編集は音楽や効果音と映像の同期が非常に簡単で、テレビの前にワサワサと並べていたタイトラーやミキサーの時代の終わりを感じ、これらの機材もとっとと中古屋に売ってしまいました。

そして・・・

今やポケットに入るスマホを取り出して被写体に向ければ写真も動画も手ぶれ補正が付いて誰もが綺麗に撮れてしまう時代です。私も幾度となく手にしているiPhoneで動画や写真を撮っていますし、仕事でも活躍しています。またスマホ用の小型のジンバルも今は持っており、それを使うとスマホで非常に安定したプロ顔負けの動画を何も考える必要も無く撮れてしまいます。更に編集はパソコンどころか、スマホ内で完結する事すら可能になりました。そう、動画も静止画ももはや撮影そのものに技術的な物は何も必要のない時代になってるのです。ではどこで差を付けるか・・・と言う事になるのですが、それは「何をどのように撮るか」という撮影者のセンスによって差を出すしか無いのです。その差を出すには、やはり映り方に自分なりの特色が付ける事ができる交換レンズ式のビデオカメラが必要になってきます。高価なビデオカメラ等はそのように作られており、シネレンズと言って動画に特化したレンズも販売されているのはその為です。しかし、最初にも言いましたが私は動画にそこまで思いを入れるつもりはありません。が、幸いにも私の持っているD500にも動画を撮影する機能が付いている事もあり、ならばこのカメラが乗っかるようなジンバルに載っけて、飛行機を相手にどこまでの事が出来るのかをやってみようと思った次第です。

DJI RS3のペイロードは3kgとなっていますが、実際には1.7kgまでが限界と思われます。と言う事は大砲レンズはもちろんシグマの150-600mmも重量オーバーです。50-150mmでも怪しいです。
あと、ジンバルはその名の通りバランスを取ってカメラを載せますので、伸び縮みして重心が大きく変わってしまうような高倍率ズームも使えない事は無いが、ズーミングの度にバランスを取り直す必要がありますので事実上使えません。つまり一眼系カメラで動画を撮影する場合はズーミングは苦手と言う事になります。唯一使えるとしたら昔の35-70mm等の小型で「本物のズームレンズ」だけという事になるでしょうか。どうしてもズームという方は、やはりビデオカメラを使うのが一番手軽でしょうね。私的にはこの辺の制限がマニア好きのする所かなと思ったりしています。
要するに一眼系カメラをジンバルに載っけて撮影する場合は、単焦点のどちらかと言うと広角レンズが向いているという事になりますね。私が思うには50mm位までがよろしいのではないかと思うのですが、使いこなせたら面白そうだなと思えるのは90mmマクロでしょうか。所謂タムキューですが、ピント範囲も大きくボケも綺麗なので「使いこなせたら」という条件付きで本当に面白い撮影が出来そうです。
目標はまず

飛行機を、シネマチックに撮る。

ですから、タムキューも出番があるかも知れません。

さて、今回はビデオについて今昔な話も交えて書き綴ってみましたが、実はRS3に新兵器を取り付ける予定です。それはスマホにWiFiで映像を飛ばすRaven Eyeという装置。これを使うとスマホを向けた方向に連動してジンバルが動いてカメラを向けてくれるようになります。つまりスマホで飛行機を追ってやれば、それに連動してジンバルも動いて撮影をしてくれるわけです。完全自動追尾のActive Trackという機能もありますが、これはあまり当てになりそうも無いですが、スマホでの追従は期待大です。
この夏、あまり花火の撮影に力が入っていないのは、実はこっちの予習でごちゃごちゃやっていたりするからなのですが、何分お天気がパッとしない今夏ですので、実撮影は初秋も深まった頃になるのかなぁ・・・。