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ジンバルを買ってみたので、接続や設定の備忘録を含めて。-続きだよ。

と言うわけで、前回のD500をDJI RS3というジンバルに載せてみた件の続きです。
汚いお部屋なので写真がどアップで申し訳ありませんがこんなスパルタンな見栄えになりました。
ファイル 180-1.jpg

レンズはシグマの旧型30mm/F1.4のレンズです。今やニコンFマウント用では唯一と言って良い8枚絞りのレンズでございます。ボケを狙った場合、綺麗な丸ボケにならないデメリットと引き換えに、夜景を撮った時に光条が綺麗な8本になりますので今も何かと使うことの多いレンズです。新しいArtモデルも持っているのですが、軽い事もあってこちらを付けてみました。レンズの横に居座っているDJIマーク入りの装置はフォーカスモーターで、レンズに無骨に捲かれている歯車と噛み合わさってジンバルの把手に付いているコントローラーでピント合わせが出来るようになっています。本当に無骨なレンズの歯車ですが、サードパーティ製でレンズ口径に合わせたリング状の無限軌道も売っていますが、とりあえずそこまでのコダワリは私には無いので付属品を使っています。カメラやレンズとは連動しておらず、単純にジンバルからの給電でフォーカスモーターが回って機械的にレンズのピントリングを回します。なので回しすぎると捲いた歯車の余りを巻き込んだりするので注意が必要です。ピントリングに端があって回らなくなるタイプのレンズでは特に注意が必要ですね。一応両端リミットの設定も出来ますけど・・・(判らないのでやってない・・・w)。

さて、D500とRS3の接続ですが、これはUSBで接続するのですが、さて、ここでUSB端子についてちょっと知っておかなければならない事があります。案外知られていないと思いますので書いておきます。
D500に付いているUSB端子はUSB3.0規格のMicro-USB端子です。つまりこう言うのです。
ファイル 180-2.jpg
なので、思わずこういう形状の物が必要なのではないか・・・と思ってしまいますよね。
ファイル 180-3.jpg
しかし、DJIで純正品として売られているケーブルはUSB2.0対応で先はこんな感じになっています。
ファイル 180-4.jpg
なんと、これでは合わないではないか!
と思うことなかれでございます。実は前者のUSB3.0の端子の片方にUSB2.0のプラグがちゃんと刺さるように出来てるんですね。
なので純正品のケーブルを購入しても大丈夫です。Micro-USB端子はD500のUSB端子の下側に刺さります。その代わりUSB2.0の規格速度での動作となります。これややこしいけど知っておくと便利ですよ。幅広のMicro-USB3.0の端子を見てケーブルが無い!ってなっても、少し前のAndroidスマホなどで使われていたMicro-USBのケーブルで急場を凌ぐことができます。

というわけで閑話休題。

RS3に付属されているケーブルは両端がUSB-Cの物が2本と充電用のUSB-A/USB-Cのケーブルしか付いていませんので、これらでは接続はできません。別売りのUSB-C/microUSB-Bのケーブルを購入する必要があります。規格物ですから何でもOKなのですが、Amazonなんかで売っている市販品は安いんですけど1mとか50cmとかやたら長いんですね。ベターな長さとなる35cm物となるとDJIの純正品しか無かったです。やたら高いんですけどしょうが無いので購入しました。
https://store.dji.com/jp/product/r-multi-camera-control-cable-micro-usb

これでD500とRS3が晴れて接続されます。
D500のUSB端子って、撮影データをカメラから抜く時くらいにしか使えないと思っていましたが、コントロールも出来るんですね。私的には前面の9pin端子を使って欲しかった所ですけど、でもまぁD850共々、D500に対応してくれていただけ有り難く思わないといけませんね。
では、目下の所、ネット上にもほぼ情報が無いD500とDJI RS3の接続手順でございます。RS3を持っていない方は何のこっちゃか分からない部分もありますが、備忘録としてですのでご勘弁ください。

1)RS3の電源を切った状態でD500をRS3に搭載する。D500のモニターモードは「動画」の方に切り替えておきます(重要)。
2)フォーカスモーターや外部マイク等カメラに付くオプションを取り付ける。
3)RS3の電源を切ったまま各部のロックを外してD500のジンバルのバランスを取る。これは適当な動画を検索すると手順が出てきます。
4)D500とRS3をUSBケーブルで接続する。D500のスイッチを入れます。D500の肩表示には「PC------」なんていう表示なります。要するにD500はパソコンと繋がれたと認識する訳ですね。カシャッという音がしてモニターの表示はされませんが今はそれで良いです。
5)RS3のスイッチをONにする。上手くバランスが取れていればジンバルはニョキッと立ち上がり、RS3のモニターにあるカメラマークが緑色になっているはず。オレンジになっている場合はスイッチを切ってもう一度しっかりバランスを取り直します。
6)バランスが取れているようだったら、キャリブレーションをします。トリガーとMボタンを長押しするとキャリブレーションが始まります。
7)仕様だと思うが、D500の背面モニターには自動では映像が表示されないので「LV」ボタンを押す。するとモニター表示がされます。
8)これで準備完了。RS3の赤ボタンを押すと録画を開始、もう一度押すと停止します。Mボタンにはシャッターを割り当てておくと、ちょっと押し方にコツはありますがスチル撮影もできるようになります。
9)補足するとD500のAFをONにしていると赤ボタン半押しでAFが効きます。OFFにしているとトリガーの上にあるグルグルでフォーカスモーターを動かして手動でピントを合わせる事になります。

以上です。
D500も今や老兵ですので、最新のミラーレス機のようにBluetoothでスマートに接続とは行かないですが、最新のRS3に対応が謳われている数少ないニコンのレフ機なので、こうして実用できるのは有り難い事ですね。
RS3とスマホはアクティベーションの際にBluetoothで繋がれていると思いますので、Roninシリーズのスマホ用アプリRoninを入れておくと、スマホからキャリブレーションを行ったり、首振りや撮影といったコントロールができます。ジンバルのロックを外すと、できるだけカメラには触りたくないので、スマホから色々とできるのは便利ですね。しかし、スマホをモニター代わりにする場合は実はRavenEyeという別売のオプションパーツが必要で、これは最新のミラーレス機でも必要になります。カメラのHDMIという映像出力端子とRavenEyeをケーブルで繋ぐと、Wi-Fi経由でスマホにカメラの映像をリアルタイムで送信してくれるようになります。RavenEyeは単にカメラの映像をスマホに送るだけでは無く、指定した被写体を自動追従するActive Trackも使えるようになり、さらにForce Mobileもスマホをモニター代わりにして使えるようになるので、スマホを向けた方向にRS3もリアルタイムに向く・・・という事がやりやすくなります(Force Mobile機能はRavenEyeがなくても使えます)。以前のモデルのRSC2ではできなかったのですが、今回発売されたRS3とRS3 ProではどちらもRavenEyeがD500でも使えるようでした(一応確認しました)。

単体モデルでは無く、最初から色々と付属されているRS3 Comboを購入した私ですが、Comboの特徴は要するにフォーカスモーターが付属されている点に尽きると思います。後から買い足すとかなり割高になりますし、何よりも手元でピントが合わせられるのは有り難いですね。出来ればRavenEyeも付けて欲しかったけどね・・・。
しかし・・・、
ニコンが以前から提供しているスマホコントロールアプリ「SnapBridge」を使うと、実はスマホにモニター出力ができたりなんかします。しかし、SnapBridgeを使うと、今度はRS3とD500のコントロールが切れてしまうので、RS3は本体で、D500はSnapBridgeでそれぞれコントロールしなければならなくなり、はっきり言って実用性に乏しいと思いました。
結局、スマホを使う場合は、スチル撮影ならSnapBridgeで、動画を撮影するならRoninアプリを使うのが正しいと思います。

さて、RavenEyeは欲しいか・・・?

と言う問題に最後に答えたいと思います。
正直、興味では欲しいですね。Force Mobileはとても面白そうだし、野鳥がいる方向にスマホを向ければカメラも向いているというのは魅力的です。しかし、私達趣味で撮影を行う一般ピーポーというのは、こう言うオプション部品というのは、使うのは最初の数回だけで、そのうちセッティングも面倒臭くなって、やがては最小限の単体で使うのが主体になってゆくんですね。だから私個人的には要らないかな。それよりも今手にしてしまったRS3のセットを使い倒す事をしないといけませんね。

以上備忘録的な日記でした。