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東南海の超巨大地震の予測について思う事。

私は人生を半世紀ちょっと過ぎた人間ですが、子供の頃から言われているこの手の話で「富士山の大噴火」の話があります。ざっと40年以上前から言われております。幼い頃の記憶は今でもよく覚えている物で、お昼のテレビでたまに特集をやっており、近所のドブ川のアブクの出方を見て富士山噴火の予測を立てているというおばちゃんがいた事も鮮明に覚えています。今も生きておられるのか、観測を続けておられるのか知らないが、はっきり言ってそんなもんで火山の噴火が予測できたら仰々しい設備も学会も必要ないし、強いて言うなら御嶽山の噴火による犠牲者も出なかった事だろう。
今日は、巷で事ある毎に言われている巨大地震の予測について
私になりの解釈と見解を記しておきたいと思います。

地震の予測または予知をして、天気予報のように「3日以内に地震が来ます」と予報を発するような事は、果たしてできるのであろうか・・・という命題にまずぶつかる訳ですが、これは地球物理学の専門家で現・東京大学名誉教授のロバート・ゲラー氏はあっさりと「地震の予知はできない」と断言している。同時に彼は「言えるのは、日本ではいつどこで地震が起こるか分からない・・・という事だけだ」と、これも断言しています。この偉い教授先生が言うからでは無いが、私も地震の予知は無理だと思っている。と同時に富士山の話からも火山噴火の予知も無理だと思っている。ただ火山は溶岩による膨張率を計測する事で、地震よりもまだ予知できるかも知れないとは思うが「3日以内に噴火するので避難してください」という予報を発するような予知は出来ないと思っています。
これに対して、予知が出来る事を前提に研究をしているのかどうかは定かでは無いが国土交通省はリスクとして「今後30年以内に70~80%の確率でM9を上回る南海トラフ巨大地震が起こる」と言っており、別の研究者は「40年以内に90%起こる」とまで言っている。私が最近テレビで見た話では「10年前後で東北の震災の10倍規模度巨大地震が東南海で起こる」と自信満々に語っていた研究者もいました。
一方で、予測できない派のロバート・ゲラー博士は、現在の予知研究について以下のように述べています。
1)日本にはまだ知られていない活断層が数多くあり、どれがいつ動き出すかも分からない。
2)過去の地震の履歴を調べてデータ化しても、周期的な規則性を計るには地質学的に時間が短すぎて、単なる記録集めの遊び事に過ぎない。
3)関東大震災、阪神淡路大震災、東北大震災、熊本大震災など、一つの事象が起こると、その後の地下断層などの状況も一変するので、それまでの断層やプレートの動きの記録は無意味となり、また一から記録し直して予測する必要があり、結局は人間の寿命的に学問としては成り立たない。
4)地震の発生前に、変わった雲が出ていた、発光現象があったなど、起こった後に色々と言われても、今後の予知には何の役にも立たない。
という事を語っておられます。
そう、学問として成り立たないってのが、地震予知の一つのメルクマールになってるんでしょうね。天気のように大気の動きや高度別気温等が目に見える形で計測できてデータ化され、ある程度規則性があって予測が付けば学問として成り立つが、地震は一揺れする度に地下の様子が変わり、しかも見えなければ予測は出来ようはずも無いし、後生に受け継ぐようなデータも蓄積される訳でも無いわけだ。

さて、
今後、東南海地震について、どちらの予測が当たるかだが。一般民衆は当たる事を想定して備えをしている方もいるだろう。また、私のようにろくに備えなどしていない人もいるだろう。得てして備えをしている人はもちろん、していない人も一抹の不安を抱えるだろうから、心のどこかで「起こった時どうしよう」と考えている方が多いのではないかと思うし、一方でノストラダムスの予言のように思っている方もいるだろう。
では、ここから私見を述べさせて頂きます。
私が思うには、当たる当たらないなどどっちでも構わないのです。
仮に大地震が起こったとして、起こると言っていた学者が偉い訳でも無いし、予知は出来ないと言っていたゲラー氏が劣っている訳でも無い。どっちも正解だからだ。
何分、白黒付けたがる日本人の事なので、地震が起こると国交省や学者が正しかった。ゲラー氏はいい加減だ。と言いたがるだろう。
しかし違う。ゲラー氏は「いつどこで起こってもおかしくないので備えはしておくべきだ」と常日頃から言っている事を忘れてはならない。別にゲラー氏は対立はしていないのである。むしろ学問でも無いものに税金や人員、時間を費やしても意味が無いと言っているだけである。
結局は、起こるか起こらないかで対立するなど不毛この上ない議論であって、特に一般民衆には全く無意味な事なのだ。自信は絶対に起こる。30年以内と言われれば私でも絶対に起こると断言できる。しかし巨大地震かどうかは分かりません。既に東北の震災はじめ大阪北部地震、先の能登半島での地震などで地下の様子は一変している可能性があり、起こる場所はリセットされているかも知れない。ただ、その時どうするか、それを前もって考えておいた場合と、ぶっつけ本番とでは、自ずと自己の対処法や家族の救助方法、被災後の生活に差が生じてくるだろうと思われる。

「危機には、気持ちの上で常に備えよ。」

個人に出来る事は、これが精一杯では無いでしょうかね。