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一眼レフ用にスタビの導入をちょっと考えた・・・。

以前、この日記で少し紹介しましたDJIのスマホ用のジンバルであるOM4という製品。覚えてらっしゃいますでしょうか。
要はこんな感じの撮影機材(?)です。
https://www.dji.com/jp/om-4

時代の移ろいとは早いもので、私が今も(実は)使いまくっているOM4も既に旧製品となり現行品はOM5という物になりました。と同時にOM4はOM4SEという名前になって、機能は同じでもお値段は1万円ちょいとお求め易くなったようです。
ちなみにOM5は何が変わったかと言いますと、かなり小型軽量化されたのと、クビの部分がニョキッと伸びて長い自撮り棒的な使い方が出来るようになりました。
https://www.dji.com/jp/om-5
 
実際に買うとなると、どちらを選ぼうかと悩めば答えは見えてくるのですが、新しい方が良いに決まっていると何も考えずにOM5を買ってしまうと、実は撮影可動範囲が広く、首が伸びないので耐荷重も大きいし、撮ろうと思ったらスマホの電池が残り少なくても給電機能が付いているOM4の方がいいんじゃね?って言う動画を見てしまって後悔したりするので、やっぱり買う前には一旦立ち止まって悩んでから買いましょう。私的にも悪いんだけどOM4 SEの方が買いだと思う・・・。
 
なんて事を考えながら、実は以前から考えていた一眼レフ用のジンバル。いやこっちはスタビライザーとか言うようですね。
要するにスマホの代わりに一眼レフが乗っかるように作られた撮影機材です。スマホ用もそうなのですが、これらはジンバル機能というカメラの動作に対して余計な揺れを除去してスムーズに流れるような映像を撮影するために使われます。つまり動画用の撮影機材という事になりますね。しかし私はこのスタビライザーを野鳥のスチル撮影に使えまいかと常日頃から考えておりましたの・・・。
と言うのは、OM4にも付いているのですが、画面上で被写体を指定すると、スタビライザーはその被写体を認識して追尾を行うようになります。しかもピントも追尾しちゃいます。これをDJI用語でアクティブトラックと言うのですが、これを一眼レフで使えば飛んでいるコハクチョウや猛禽なども、いとも容易くダイナミックな飛翔姿の撮影が出来てしまうんじゃないだろうか・・・と、想像する訳ですね。
ところが、この機材を野鳥撮影で使っている方をトンと見ません。動画サイトでも見かけませんね。で、手元にあるOM4とiPhoneを色々とイジりながら想像してみましたところ、多分そうじゃないかな・・・と言う答えらしき物が見えてきました。
 
1)セッティングにやたら時間がかかる。
2)耐荷重が大砲レンズに対応していない。
3)野鳥のように素早く動く被写体にはアクティブトラックが追随できない。
4)機材が重い。
5)撮影姿が浮く・・・。
 
といった感じでしょうか。
実際に私が考えていた機材は同じくDJIのRS2という物でした。
https://www.dji.com/jp/rs-2
なぜDJIかと言いますと、いわゆる揺れを吸収するシステムであるジンバル装置に一日の長があるからなんですね。DJIと言えばドローンのトップメーカーです。DJIのドローン映像は風速10mの強風の中でも揺れません。この性能こそがトップシェアを走る技術力だと私は思います。そのジンバル技術がOM4やRS2等にも惜しみなく投入されているのですから、やっぱり一番信用しちゃいます。
 
で、実際にポチる寸前まで行ったのですが、やっぱり一旦頭を冷やして悩むって事が必要なんですよね・・・だって、人間だもの。
 
1)のやたらセッティングに時間がかかるってのは、慣れると早くなるのかも知れませんが、野鳥撮影では私が今まで申してきた通り、一番重要なのは機動力です。兎にも角にも素早くターゲットにレンズの先を向けなければ、撮れる物も撮れません。そう考えるとジンバルにカメラをセットしてアレコレしている時間自体があり得ない事になってしまいます。まぁコハクチョウなどオンザレールの野鳥なら活躍するかなって感じですけど・・・。
 
2)私の野鳥ステージでのレギュラー機材はD500+SIGMA 150-600mmです。これで大体3kg位になります。耐荷重(ペイロード)はRS2だと4.5kgなのでイケそうな気がしますが、スタビライザーというのはカメラを載せた後の前後左右の重量バランスを取る必要がありまして、多分斯様な長尺レンズだとこの重量配分が取れないんだと思います。多分モーターがやられちゃいますね・・・。
 
3)被写体を指定するとピントを取りつつ追随してくれるアクティブトラック。これが野鳥撮影で使えたら正に夢のような話なのですが、実はこの機能の弱点は今も昔も素早く動く被写体だったりします。OM4にもこの機構が入っていますが、野鳥じゃなくて人であってもちょっとフェイントをかけられると、いとも簡単に見失ってiPhoneはうなだれてしまいます(笑)。すぅ~っと打ち合わせ通りに動いてくれると、プロが撮ったかのような映像が撮れますけど、野鳥が打ち合わせなんてしてくれるはずもなく・・・ですね。
 
4)重いです。全重量は恐らく私の考えるシステムだと4kgを超えますね(^◇^;)。大砲レンズでもないのに大砲レンズ並みの重量を引きずって撮影するってどうなんでしょうね・・・。
 
5)商品紹介を見てもらっても分かるように、ハッキリ言って撮影地では浮くと思います。でもこれは慣れると思います。でも、撮影していて段々と自分にウソを付いている気がしてくるような・・・そんな気がします。
 
結局、私が踏みとどまった第一の理由は「セッティング」と「重さ」でした。現地ではできるだけゴチャゴチャとやりたくないし、専門外の動画を撮るにしても、こんな大層な機材を用意して一体何を撮るのか・・・と考えると正直言ってOM4なら手軽で楽しいけど、RS2+D500となると楽しいって言う感覚は持てないだろうな・・・と想像するわけです。やっぱこれらは映像に命を燃やしているような方向けの機材なんだと割り切りました。
結構楽しく使い倒しているOM4なので、私にはこれが一番似合ってるという事なのでしょうね。欲張ったらあきませんね。