星空の撮影は、私も専門外ではあるがとても興味があって、自分の持っている機材でどこまで撮影できるだろうかと、遊び半分、気持ち半分で過去に何度か挑戦している。挑戦しているうちに馬頭星雲とかアンドロメダ星雲の撮影にも挑戦してみたくなり、ポータブル赤道儀(ポタ赤)を買ってみたりと、本格的では無いもののそれなりに追従撮影までできる機材まで揃えたが、極軸合わせという作業が苦手なのと超面倒なのとで、そうこうするうちにポタ赤はただの回転台として使うようになり、タイムラプスでの撮影を行って最終的に星空動画にするという案配に自分なりに落ち着いた。
第1期星空マイブームでは、撮影機材はD90に35mm/F1.8、D7000に15mm/F2.8魚眼、D500に17-50mm/F2.8を付けて一晩で3方向の撮影をやってました。今思うとAPS-Cで、星空レンズ用とはほど遠い機材でしたがそれぞれ個性的なレンズでの3台体制は効率も良く、動画にしてもバラエティに富んだ内容になり一番楽しかった。
第2期星空マイブームになると、D500に17-50mm/F2.8、フルサイズのD610に15mm/F2.8魚眼を付けての2台体制になった。フルサイズで使えるレンズをあまり持っていなかったのでこうなった訳だが、面白さは減ったが画質のクォリティは確実に上がった。しかし、上がった分だけレンズの収差とかが目立つようになり、やはり星空の撮影って奥が深いなぁ・・・と思い知らされる事にもなった。ちなみになぜD610なのかと言うと、中古で安かったからD90とD7000を売ってちょっとだけ追銭して買ったという訳です(笑)。
さて、コロナ騒ぎを挟んでの第3期星空マイブームはどうするかとなるわけですが、今の私の機材に足りない物は「レンズ」に尽きます。でも、ちょこっと首を突っ込む程度で撮影に興じるなら、フルサイズ用で24mm/F1.8もあるので良いと言えば良いのですが、やはり天の川全体が画角に収まるような広いレンズが欲しくなります。15mm魚眼でそれは可能なのですが、平面も欲しくなるんですよね~。それも星空撮影御用達のようなレンズが・・・。
しかし、星空撮影御用達のレンズとなると、一番有名なのがニコンの14-24mm/F2.8です。キヤノンの機材の人もアダプターを付けてこれを使う人がいるほど有名です。しかし、モノは大三元の一角を担うニコン渾身の名玉ですから、私のような貧乏人には手が出ません。値段見たらぶったまげるぜー(笑)。
あとはライカの何とかとか色々とあるようですが10mm台の超広角レンズって、サードパーティ製も含めて、どれもこれもめっちゃ高いんですよね~~。
ちなみに星空撮影に求められるレンズは、究極を言うと
1)超広角レンズ(10mm台、20mm台でも、う~んって感じ)
2)明るい事(最低でもF2.8、F1.4とかF1.2とかが求められている)
3)レンズ収差が無い事(四隅の星までクッキリと写る事)
という条件が求められます。これらを高次元で実現しているレンズとなると、そりゃ高額になりますわね(^◇^;)。
しかし、そんな中でも1本だけ庶民の味方の星空レンズが存在するんです。多分、メーカーも想定外のまぐれの当り玉になったレンズだと思います。それが、サムヤンの14mm/F2.8というフルサイズ対応レンズです。どれも10万円をくだらない超広角レンズ市場にあって、この玉だけは5万円を切ります。安売りしていると3万円台中盤と言う事もあります。
しかし、安いのには理由があります。
それは、このレンズはオートフォーカス機能をはじめとしたカメラ本体との連携機能が全て差っ引かれています。つまりはフルマニュアルのレンズというわけです。この潔さが安さに貢献しているのは間違いないでしょう。しかし星空撮影ではどんなレンズでもフルマニュアルにして撮影しますので、全然問題にならないんですね。なので安さに貢献するこの清廉さは逆にありがたいってもんです。
それとあともう一つ。
製品精度にバラつきがあります(笑)。
これはパソコンを含む電化製品にも言える事ですが、激安品というのは特に当り外れがあるという事です。このレンズも例外では無くモノによっては片ボケとかあります。あと周辺光量も現像ソフトありきなほどあります。つまりそういうことです。
では、なぜこのサムヤンの14mm/F2.8が人気なのかというと、それを差し引いても価格に加えてクォリティが高い超広角での星景写真が撮れるからですね。
そんなサムヤンの14mm/F2.8ですが、実は私もずっと注目してました。しかしこのレンズ、ニコン用だけ何故か1万円ほど高いんですね。AEがどうとかって書いてあるんですが、何かややこしいんでしょうね。注目はしていましたが、この「ニコンだけ1万円高い」って言うのがどうも気に食わなくてポチるのを躊躇していたわけですが、この度このレンズがMK2にバージョンアップして新装発売されました。相変わらず「ニコンだけ高い」のは同じなのですが、価格差は6千円と縮まっています。販売店レベルになるともっと縮まるのかな・・・という感じで、久しぶりに注目の1本に繰り上がってきました。そしてバージョンアップ内容も「完全に星景撮影を意識した」物となっています。追加された主な機能は以下の通りです。
1)ピントをロックするリングが付いた。
2)絞りリングのクリックが無くなり無段階にできる機能が付いた。
あと100g軽くなったとかありますが、主な新機能は以上です。1)のお陰でピントが重力で回ってしまうのを防げますので、もうテープで留める必要は無くなります。2)のお陰で微妙な光量調整も可能になります。
このレンズ、これらの機能とニコンだけ価格の縮小で、私、ポチりました(笑)。
横面はこんな感じです。赤いはちまきは無くなってスッキリとしたナウい(死語)デザインになっています。フードは完全固定で取れません前玉は出目金なのでフィルターは付かないので、前面固定のフィルター機材が必要ですね、私はフィルターは使いませんけど・・・。
これがピントリングを固定するリングです。ただ、カチッとロックってなるわけでは無く、Lock方向に回すと、段々とピントリングの動きが渋くなっていくって感じです。これはありがたい機能だなと思いました。ポチった理由の一つでもあります。
背面です。電子接点らしき物が見えますが、多分ニコン用だけカメラとのAE機能の辻褄を合わせる為に付いているだけの物だと思います。つまり連携する機能はニコン用にもありません。後玉フィルターも付くようにはなっていませんので本当に潔いですね(笑)。
これが絞りリングを無段階に出来るリングです。これは絞りロックとは違ってクリック感があるスイッチになっています。FREEにすると絞りリングが絞りリングが多少の抵抗がありつつ無段階に動きます。はっきり言ってこの機能は、特に露出がシビアだったフィルム時代(リバーサルやコダクロームとかの外式)に欲しかった機能ですね。デジタルな昨今に必要かどうかは判りませんが、電池交換とか保温器とかを触っているうちにズルッと動かしてしまったら嫌なので、私は使わないかも・・・。
D610に付けるとこんな感じになります。
前ブタも凝っていて「SAMYANG」の文字がこれか真っ逆さまになるようにしか付きません。
D610はまったりとした風景撮影やタイムラプスに使う事が多いので、電池交換がやりやすい事もあってバッテリーグリップを付けています。星空の場合はカメラ本体にもバッテリーを入れます。あまり見た目は気にしない私ですが、こうして見るとバッテリーグリップを付けたD610だと、なかなかハンサムさんになってくれますね。
さて、あとは実写ですが、これについてはとりあえず星の少ない近所で撮影してみたり、夜景はどうなるのかとか試してみたいと思います。
それは次回の講釈で・・・。(ゴダイゴのガンダーラ♪)