記事一覧

取り揃えのスキマを埋める三脚。

三脚は二度買い換えるアイテムと言われるが、私の場合二度どころではない程買い換えている。大型三脚では161MK2Bから小型ではSLIKの卓上ミニ三脚まで取り揃えて使い分けているが、半年ほど前に山行用で使用していたSLIKのF740をカメラデビューした友人にお嫁に出してしまったので、この規模の三脚の取り揃えにポッカリ穴が開いておりました。と言っても山行はここ数年行ってないし、行く予定も余りないので無くても困らないし、かなり使い倒したF740でもあったので写友に献上したわけであるが・・・。
しかし今秋になって、とある山の中へ撮影に行く予定を立てた為、やはり数時間単位の山歩きにも苦にならないような軽くて小型の三脚のニーズが発生してしまいました。ならば手っ取り早くもう一度F740を買い直せば良いのだが、半年前まで持っていた三脚をまた買い直すのも能が無いし、何よりも性分に合いません。それに、好きじゃない3ウェイ雲台で、あまり使い勝手の良い三脚でも無かったしなぁ・・・。
と言う訳で私の今のニーズ、つまり軽くて、コンパクトに収納出来、機動性があって、一眼レフに便利ズームを付けた約1.5kg以上の耐荷重がある製品を探してみた。
どうやら、私が探している三脚は俗に「トラベル三脚」と呼ばれる物に相当するようだ。その類でググると結構良い感じの物がわんさかと出てくる。縮長はやはり短いほど良いが、短くなる代償として高さが犠牲になる。あまり拘りすぎると卓上三脚になってしまうし、アイレベルを求めると縮長は50cm近くになり重くなる、それなら今持っているSLIKのプロ500DXでOKという事になってくる。ここは割り切りが必要だ。と言う訳で、色々とネットで物色した揚げ句、某Y社の展示コーナーにまで実地踏査を行った結果、私が選んだ三脚は以下の物と決まった。

VANGUARD VEO2 235AP
ファイル 107-1.jpg

私は三脚はマンフロットが一番好きなんだけど、しっくりくるサイズ感の物が無かったんだよねー。それにカーボン製でやたら高いし・・・(;^ω^)。このサイズの三脚だったらアルミも三脚も余り変らんでしょ。それに私はある理由があってアルミが好きなのさ。
しかし、バンガードはリュックやバッグは使っていますけど、三脚っていう選択肢は無かったなぁ・・・235APは展示コーナーでたまたま目に付いた商品で、やはり実地踏査は必要だと感じた今日この頃ですわ。
ちなみにこのVEO2-235には自由雲台仕様の235ABと私が選んだハンドル付き雲台の235APとがある。耐荷重は前者が6kgで後者は3.5kgとなっているが、雲台は交換が可能で私の場合マンフロットのガッシリ自由雲台が1個余っているので235APを選んだ次第だ。ちなみにお値段は12000円程で、更にメーカーが3000円のキャッシュバックをやっていたので実質9000円そこそこで買えた事になります。バンガードいいじゃんいいじゃん(笑)。
雲台は別売りもしているPH-25と言う物が始めから付いてきます。
ファイル 107-2.jpg ファイル 107-3.jpg
自由雲台よりも少し複雑になるので耐荷重が減るのは仕方の無い所だ。取付は付属のシューをカメラに付けてアルカスイスのように挟み込んで締めるタイプ。滑り止めのボッチも付いているので滑落する事もほぼ無いようになっている。ここで注意したいのだが、一部の書き込みや記事では「アルカスイス互換」と書かれているが、実は違う。アルカスイス互換のプレートを挟むには幅が僅かに足りず挟み込めないのだ。端っこから滑り込ませれば固定はできるが、それをやると取外しの際に滑り止めのボッチが邪魔になって外せなくなります。これは実際に複数のアルカスイス互換プレートを使って試したので間違いないです。これは「なんちゃってアルカスイス互換」なのだ。モノによっては合うプレートもあるかも知れないが、基本は合わないので注意が必要だ。私の場合は紛らわしいのでこの雲台の上に更にアルカスイス互換の50mmクランプを取付けて解決しております。
収納時に邪魔になりそうなハンドルは、根元のネジを緩める事でハンドルが寝て収納しやすいようになります。私的には引っ張って固定するバネのラッチ式にして欲しかったがコストと耐久性を考えればこれはこれで正解かも知れない。雲台の動き、固定はすこぶる優秀だ。D500にSIGMA18-300mmを付けた1.5kg余のセットも難なくハンドルを振って画角を決める事ができる。パン方向はやや抵抗があってヌルヌル・・・とやや重く動く。ビデオ撮影や動止撮影(流し撮り)には良いかも知れないが、野鳥の追いかけなどではやや重いかも知れない。そっち方面が主体なら自由雲台の235ABの方が良いと思われる。チルト方向はカウンターはないのでしっかりと止めないとカックンするので注意が必要だ。が、特筆すべきはカメラの画角固定だ。ハンドル操作で画角を決め、雲台のレバーで固定するのだが、この時、画角は全く動かないのだ。決めた画角をそのまま固定してしてくれる。このサイズ、このクラスの雲台だと、レバーで固定した後、ハンドルの手を緩めると画角がプニュっと動いて面倒な事になり勝ちだが、この雲台はかなり優秀なデキだと思った。
続いて脚部だが、最伸長は1440mmとなっているが、エレベーションはできれば伸ばさない方が良いので、そうなると1mそこそこの高さになる。あくまでコンパクトなトラベル三脚なのでここはあまり贅沢を言ってはならないだろう。どうしてもアイレベルが欲しい人はもう一つ上の265シリーズ等を選べば良いが、当然重量も嵩も増える。私の場合は500DXが・・・。笑
脚部の開きは3段階になっており、根元のボタンを押しながら途中45°位の所と、最大でスタンドマイクの足のように開く事が出来る。このセンターポールの雲台とは反対側にはフタが付いていて、これを外すとセンターポールが抜けるようになっており、代わりに付属のローアングルアダプターと言う簡易雲台を付けると、超ローアングルでの撮影が出来るようになっている。
ファイル 107-5.jpg
(写真は元の心棒のままです。)
収納時は、3本の足を反転して・・・ではなく、センターポールを反転させて最小収納サイズにするという攻めたデザインになっている。
ファイル 107-4.jpg
私は物ぐさで面倒くさがりなので、センターポールは反転させずにそのままの状態で付属の袋に入れて持ち運んでいますが・・・。山行用のリュックになるとむき出しで取付けますしね。
 
この三脚、235APの重さは1.4kg。
私は普段は475Bや055を持ち歩いている人間ですので、充分に軽いです。もっと軽さを!と言う方にはこの235シリーズのカーボンでは100g程軽い程度で、あまり効果がないので、もっと小型の1kgを切るような小型三脚がお奨めだろう。その代わり耐荷重は殆どが1.5kgとなってくるので、一眼レフと望遠ズームの組み合わせはちょっと厳しいかも知れないが・・・。
あと、VEO2では前バージョンと違ってツイストロック式になっている。と言ってもネジは1周ほど回して固定するタイプなので、ネジをどこまで回すねん?って言う面倒臭いタイプの物ではないので、これも好感が持てます(でも私はレバー式が好き)。

これを持って、山行用の三脚というスキマが埋まりました。
実際の使用感はまた後日レポートしたいと思います。