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D500用の互換バッテリーグリップ

フィルム時代に使っていたキヤノンAE-1Pというカメラの末期に、中古でお安くなったモータードライブMAを取付けると、グリップがし易くなり、横位置のシャッターボタンの位置もエルゴノミックな位置に変わって使い易くなった。さらに一番センセーショナルだったのは縦位置に構えた時にも、横位置と同じ位置にシャッターボタンがあった事だった。当時は写真でメシを食っている身ではありましたが、プライベート機で36枚撮りのフィルム装填にて秒間4コマのモータードライブをガシガシ使うほどの被写体はそれ程相手にはしなかったが、とにかく縦位置が楽になるのは、重くなっても余りあるメリットに感じた物だった。
そんなわけで、デジカメになった昨今も、カメラを入手すると縦位置が楽になるバッテリーグリップに真っ先に物色の眼が走ってしまう自分がいる。
D90では使う事は無かったが、D7000では安い互換品がある事を知って購入し、その2年後に純正品を中古で購入して使っていました。D610では純正品のバルク品と称する商品が出回っていたので、少々お高い値段ではあったがそれでも正規品の1/4の価格と言う事に飛びついて、これは今も現役で調子よく使っています。本当に純正品のバルクなのかはアヤシい所ですが、とりあえずトラブルがないので今の所は結果オーライと言う事にしています。

さて今日の本題はD500の互換バッテリーグリップ(以下BG)です。
とにかくD500用BG、MB-D17は高額ですよね。定価は59800円、実売は2018年9月現在でも40000円前後を維持しています。純正品はマグネシウム合金製である事と、防滴シーリングがされているという特徴があるようですが、D500ユーザーの一番多い使用目的はやたらとバッテリーを食うD500の撮影時間を延ばしたいという物ではないかと思います。その一点を埋める為にこの価格はあまりにも高価だと思うのは、多くの純正品レビュアーが回答の中で言っている事でもあり、縦位置目的の私の意見とも重なるものであります。
正直言ってせめて25000円位でよくね?って感じです。
 
2年程前にD500を購入して間もなく発売されていたPIXEL社の互換BGを購入しました。D500用のBGの特徴であるファンクションボタンが無いというお粗末な商品でしたが、当時は他に選択肢が無かったので気にする事もなくそれなりに便利に使っていました。が、互換品のサダメか否か、たまにカメラをフリーズさせたり、連写撮影中にエラーを出すという致命的な不具合が発現しだしました。
でもかなり安かったし、ここは潔く使い捨て感覚で次のBGを購入しようと言う訳で、2代目のBGでは(純正品はまだ高いのでパスして)評価もそこそこ良かったNEEWERというメーカーの互換BGを選択しました。価格は当時のPIXEL製よりも更に安い3500円でした。このNEEWER製の物には、シャッターボタン横にちゃんとファンクションボタンが付いており、私は露出補正を割り当てて使う事にしました。
 
しかし・・・。
 
このNEEWER製のBGが酷かった・・・。(;´Д`)
大阪・岸和田のだんじり祭の撮影に初投入して、連写しまくりましたが、ある一定の枚数の所でシャッターが突然押せなくなりました。カメラの肩表示を見ると「Err」の表示・・・。そのままフリーズしているようでスイッチを切っても表示は消えず、BGの電池を抜いても同じ状態で、BGを外してカメラの電池を抜いても同じでしたが、そこまでしてシャッターを押すと戻りました。
が、BGを再び付けて連写をすると、今度はもっと少ない枚数で同じ現象が起こりました。一瞬XQDカードに不具合があるのかと焦りましたが、写真はきっちりと撮れていたのと、考えてみればPIXEL社製のBGの末期と同じような症状なので、急場と言う事もあって犯人はBGと断定してBGを外して撮影を再開しました。
 
すると・・・。
 
その後は全くのノートラブルでした。最高で120枚以上の10コマ/秒の連写(XQDを使ったD500は200枚までイケます)を行いましたが軽快にこなして無事にだんじり祭の試験曳きの撮影を終了出来ました。やっぱD500って、すげーぜ。
って、そんな事言ってる場合じゃないっスよ。
 
問題の互換BGです。
 
ここからは私の体験した事、感じた事をそのまま書きます。今もD500と互換BGを満足して使っている方や、ノートラブルで使っている方には、気分を害したらごめんなさい。でもこれから買おうと思っている方には参考になると幸いです。更に互換品を作っているチャイナ系企業の今後の参考になり、改善されたらもっとうれしいです。
 
PIXEL社製で起こった不具合は、スイッチが入ったままでレンズ交換を行うと、肩液晶のAF表示が細かく点滅(異常な点滅)して、誤動作をしてしまう不具合です。これは割と早い段階から出ていましたが、一旦BGのネジを緩めてBGから断電すると治りました。電源を切ってレンズ交換をすると発現しなかったので気を付けて使っていました。
もう一つは、連写以外でもカメラに突然Err表示を出させてフリーズしてしまう症状です。これは2年程使った最近で起こりました。かなり致命的な症状なので先述の通り買い換えるきっかけになりました。
 
NEEWER製の物は先述の通りです。
 
そして、この2台に共通した症状が、秒間10コマ撮影時の瞬間的な連写の遅延です。
通常ならシャッターを押すと
|||||||||||||||||・・・
と、軽快にシャッターが切れてゆきますが、互換BGを付けると
||||| |||||||| ||| |・・・
という感じでアンリズミカルにシャッターが切れます。これは人によっては気付かないかも知れませんが、実際に両方のBGで体験した症状です。
PIXEL社製で「おや?」と思ったのは、子供の野球の試合でバッティングやピッチングを連写したときの事です。この連写したコマを繋げてパラパラ動画にすると、途中でコマ抜けをしていたのです。最初はカメラのノイズ除去とかAEやAFの計算とか、オートWBとかが原因かと思いましたが、こう見えても私はAE-1Pを駆っていた元職業カメラマンです。だいぶ衰えたとは言え、今でもAFも含めて完全マニュアルでもカワセミの撮影位はできますので、その設定をして色々と連写してみました、が、コマ抜け症状は変わらなかったのです。
PIXEL社製の物でもその症状が出ていたのだと確信したのはNEEWER製を使っただんじり祭の撮影時でした。Errが出るまでの数シーケンスでは連写がで来ていたんですが、何となく連写間隔が空くような違和感を覚えたのです。それも数度にわたって・・・。Err症状が出た後にBGを外して撮影をした所、今までに無いほどの軽快な連写が出来るようになったので、遅蒔きながらも
「そうか、そう言う事だったのか・・・」
と、妙に納得させられました。
 
つまり、D500しか私は知らないのですが、少なくともD500用互換BGでは、秒間10コマの連写を多用する場合は、何らかの不具合が発現するという事です。これが私の実感です。7コマ、8コマ程度の連写を撮り繋ぐ場合は、もしかしたら初期ではErr症状も出る事無く、特にコマ落ち症状には気付く事もなく使い続けてしまうのかも知れません。少なくとも私はPIXEL社製の物をそのような状態で2年間使っていた事になります。でもそれなりに役に立ってくれましたので後悔はなく、むしろ感謝ですが・・・。
当面は、D500にはBGなしで使う事にしました。この軽快な連写は縦位置が多少しんどくなっても今の私には新鮮ですしね。
 
もしかしたら純正品のMB-D17が高額なのは、秒間10コマを多用するというヘビーなユーザーにも耐えうるように色々と試行錯誤の末に造られた逸品なのかも知れません。
しかし、MB-D17が気になります。さすがにErrはでないとは思いますが、アレを使ってもコマ落ち症状が出るのか・・・超気になりますね。
 
ね?ニコン様。